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恋でもないのにチクッと胸が痛くなる話 その4 ~手術とICU1泊~

いよいよ手術

病棟の看護師さんに連れられて、8階の病室から3階の集中治療室へ…
何と、ドアの開閉は手を使わずに、壁のくぼんだ所に足のつま先を差し出すと開くシステムなんですね~♪
ここで病棟の看護婦さんから手術室の看護婦さんにバトンタッチ…

手術室に入ると、Y先生、T先生他、多くの手術スタッフの皆さんがおられ、中央に手術台とカメラ映像が見れるモニターなどがありました。

早速、手術台に上がり、浴衣形式のパジャマを脱がされ、パンツ1枚にタオルをかけられた状態…

そして、最初は、硬膜外麻酔…
手術台で右側を向いて猫のように丸くなり、身体が大きい(身長181cm、体重92kg)せいか、猫のようには丸くなれず、手術の看護師の方に押さえられつつ、背骨をさするような手の動きを感じつつ、まずは部分麻酔でチクッと打たれました。

ドラマの白血病などの手術シーンでは、腰あたりから脊椎に針を刺したりするような感じの映像が見受けられますが、わたしのような肺癌による肺上葉切除の場合は、肩の方からで、硬膜外麻酔は硬膜の外側(硬膜外腔というそうです)に麻酔薬をカテーテルという細い管を使って注入するそうです。

その細い管を通すのが結構つらかったですが、そのうちT先生が「すぐに麻酔が効きますから…」という言葉と、その後ろで主治医のY先生がバイバイと手を振る姿を見ていたら、もうそこから記憶がなくなりました。

手術台で目が覚める

「Federico2さ~ん、手術がおわりましたよー!」とT先生がわたしの名前を呼ぶ声で目覚めました。
しばし手術台の上で呆然としていました。
また、喉に痰が多く絡んでいる感じの違和感のようなものもあったかも…
お目覚めすると、とにかく寒くて、ガクブルで震えてました…。
電気毛布を掛けてもらったのだと思いますが、寒さがなくなるまで本当に呆然と震えていたように思います。

手術前までは、切除した肺とご対面したい思いもあったのですが、もう切除した肺を見せてほしいという気力すらありませんでした…

結局、手術中に夢などは見ることなく、当然ながら三途の川も拝見できず、ただ麻酔をかけられた時間から、手術が終わって目覚めた時までの一切の記憶がないというか、時間がワープしてる感覚といいますか、個人的には一瞬で手術がおわった感覚でした。

集中治療室で1泊

ICBM燃料漏れ事件

その後、手術室の近くに設けられている集中治療室(ICU)に運ばれ、酸素の呼吸器を取り付けられ、心電図の電極が胸に複数付けられ、足の弾性ストッキングの上には、肺血栓塞栓症対策の空気マッサージ器が取り付けられました。
右手の手の甲には点滴も…

手術時には全身麻酔の後に、尿道留置カテーテルが挿入されるのですが、わたしの飛んだ記憶の中の作業で、たぶん手術台の上でパンツを脱がされ、きっと泌尿器科の先生とギャラリーの方々に、わたしのマグナム、いやトマホーク、いやICBMかもといわれるものに尿道留置カテーテルが挿入されたに違いない。

ICUで確認すると、確かにICBMがまるでフランクフルトのように串刺しされているお姿を発見…

尿意はもよおすものの、自然とカテーテルで排出されているようなのですが、我慢しているという感じで、なんとなく膀胱にたまっている感じがしたままでした…

個人的には、わたしは仰向けで寝れない性格で、わたしの小さい頃にはうつぶせ寝が流行ったようで、わたしも実のところ40歳まではうつぶせ寝でした。そこから中年太りになる中で、横向きに寝れるようになりましたが、未だに仰向けでは寝れないのです。

ICUのベッドでも仰向けでは寝られないのと、個人的に背中一面が布団にペタッとくっついて寝ることに妙に違和感があるので、ベッドの上でも右に左に右往左往しておりました…

そうこうしているうちに、尿意が半端なくなったので、カテーテルがついているから大丈夫だろうと、おそるおそるいたしたら、なんと漏れている… 事件は、ICUのベッドでオジサンお漏らし事件として発生した模様… 
成人用おむつをしているので被害は少ないものの、お漏らし状態でした。
きっとわたしのフランクフルト串刺し状態のICBMが、さらに成長を遂げ、巨大ミサイルに進化したため、ジョイント部分が甘くなったのかと…

写真10:ICBMが更に強力に

ICUでお世話になっている看護師の男性には、ベッドの上であまり動いてはいけないと釘を刺されてしまったけど、仰向けでは寝れないので仕方ないのです…

ヘパリン事件

ICUでは、ヘパリンという針が細い注射を合計2回ほど打たれたように記憶しています。
ICUから病室に移ったあとも一度ヘパリンを打たれました。

ヘパリンとは血栓塞栓症を防ぐためのものらしいです。
それを打つ箇所がユニークというか、ICUではお腹の脂肪が多いところ、病室では二の腕の脂肪が多いところに打たれましたが、針が細いためか、あまり痛さを感じることはありませんでした。

それだけ、血栓防止をしないと、万が一を防げないのだと理解しました。

わたしの熟成されたお腹や二の腕の脂肪も、ヘパリンの注射を打つために重要な役割をもって成長してきたのだと、その働きに感謝???

肺血栓塞栓症対策の空気マッサージ器壊れるの巻

肺血栓塞栓症対策で弾性ストッキングの上に装着されている空気マッサージ器が深夜に動かなくなりました。
足を常時動かしておかないと血栓になると厄介なので、しばらくは自分で足の指を動かしたり、足首の運動していました。
しかしついには疲れてしまい、ナースコールを押すことに… 
初めて病院でナースコールを押しましたが、最初は勇気がいりますね~♪

空気マッサージ器を見てもらって、いわゆる電源OFF/ONで一度は回復。
その後、左足側は動作するのに、右側だけがNG。
再度ナースコールをして、結果的に装置故障ということで、取り替えますといったきり、しばらく戻ってこられない…

とりあえず、できる限り血栓にならないように足を自分で動かそうと決意。結局仰向けでは寝れない性格と、血栓対策でなかなか寝れませんでした。

足を動かす限界にきたので、もう一度ナースコールをして、代替の空気マッサージ器に変更していただきました。

ICU看護師さんの素晴らしさ

ICUでは男性看護師さんでしたが、手際の良さは抜群ですね。
わたしが仰向けでは寝れないということを告げると、できるだけ左側に傾けられるように、右背中側にクッションを入れてくださったりしていただきました。
ヘパリン打つのも速攻でしたし…

14日の朝、早速歯磨きしましょうと、起こしていただき、何とか歯磨きができてスッキリしました。
やはり電動歯ブラシを持って行って正解でした。
普通の歯ブラシだと右手がつらかったかも…

ICUでのレントゲン撮影

ICUのベッドに寝ながら、背中側に板を差し込み、可動式のレントゲン撮影をしました。
きっと、この画像で手術後の状態がはっきりわかるのかも…
それにしても大きな装置ですね…

お恥ずかしい限り…

夜勤の男性看護師から、日勤の女性看護師に、朝の8時半過ぎに交代されました。
何やら透明な丸い筒型の容器を持っているようで、中に水が入っている様子…

何でもこれから尿道留置カテーテルを抜くそうで… 
えっ、いかにも20代と思われる、うら若き女性の看護師に…

既におむつを開けられ、わたしのICBMがフランクフルトのようにカテーテルが刺さっているものを、まじまじと事務的に見られてしまいました…
そして「大きく息を吸って~、はいて~」を繰り返すこととなり、そのはき切る寸前で、すっとカテーテルを抜かれました。
何も痛くはありませんでした。
初めてのカ・イ・カ・ン………快感とちゃうちゃう…

そしてあの透明な丸い筒型の容器はお湯だったようで、わたしのICBMの周辺を洗って清潔にしていただきました。
その後、もう一度新しい成人用おむつをつけさせてもらいました。
バブ~♪

その後、浴衣形式のパジャマにも着替えさせていただき、車いすに乗せられ病室に向かいました。

無事にICUから生還することができました。
本当に一つの手術には多くの人が関わっているということを実感しました。
本当にわたしの病気のために、それぞれの人がプロの技量をもって関わってくれたことを嬉しく思った次第です。

濃いオレンジ色のお話

ICUで定期的に尿路留置カテーテルの先に溜まったお小水は、照明の加減もあると思いますが、鮮やかな黄色に見えました。
その後、ICUから病室に移った尿路留置カテーテルを抜いての、最初のお小水は、トイレの照明の加減にもよりますが、本当に濃い茶系に近い温州みかんの皮系オレンジ色でした。
また、お小水を出し切るときに、プシュッと空気の抜ける音もしたので、カテーテルによって膀胱内に空気が溜まってしまっていたのかも知れません。
空気が出るのは、後ろ側のオナラだったらありますが、お小水では初めての体験だったような…

お小水の色は、その後、鮮やかなオレンジ色が2日間続き、16日の午前あたりから色が薄くなってきました。
16日の夜で丁度普通に戻る感じでした。
まあ15日にはトマトジュースやルイボスティなどを飲んでいたので、薄まったのかも知れませんね…

…その5に、つづく。


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