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スーパーコンシェルジュ

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スーパーマーケットの食品担当者だったのに、なんだか突然食品フロアの専門職に!? スーパーマーケットのお仕事小説、全編無料です
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2014年6月の記事一覧

スーパーコンシェルジュ 3-①

3)出来ることから始めよう

 ミーティングから三日後。今日からいよいよ、サービスカウンターに出勤になった。私が担当していた食品は、パートさんの募集は掛けるというものの、今の所は私が欠員した状態で、ちょっと心苦しいけど、仕方ない。
 
 「おはようございます」
 朝、サービスカウンターに行くと、吉野チーフが出迎えてくれた。
 その顔を見ると、逆に緊張してくる。それが分かったみたいで
 「リラックス

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スーパーコンシェルジュ 3-②

 次の休みは、潤ちゃんは仕事で私一人のお休みだったので、みっちゃんの言っていたお店に行ってみることにした。もちろん何度かは訪れたことはあるけれど、あまり頻繁には来たことがない……かな。
 近くに寄っても、私はデパ地下とかの方が多くて、なんとなく素通りしてた感じだったから。
 
 一階はショップで2階がレストラン。3階以上は……イベントホール? ギャラリー? イマイチよく分からないけど、ちょうどベネ

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スーパーコンシェルジュ 3-③

 昼食を終えて、再び一階へと降りる。来ようと思ったときの一番の目的は、専門職っぽい人がいるっていうから、どんな感じなのかを見てみよう、と思ったことだった。
 ぐるっと回ると、確かに胸にバッジをつけたような人が時々いる。でもそれをじろじろ見るわけにはいかないし。
 まとめて一人の人(それは私みたいにフロア全部を見てるっていう意味で)がいるといいなぁって思ったけど、そういう感じの人はいないみたい。サー

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スーパーコンシェルジュ 4-①

4)素朴な疑問

 サービスカウンターでの勤務に居心地の悪さを感じていたのは、ほんの1週間足らずのことだった。今でも難しい仕事は出来ないけれど、大抵の受付は出来るし、受け付けたことを自分で処理できるか、誰かにお願いするか、なんてことは瞬時に判断できるようになってきた。
 サービスカウンターのチーフ以外のメンバーも、最初は中途半端な私の対応に少し困っていたような空気もあったけど、多分もう慣れたっぽい

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スーパーコンシェルジュ 4-②

 あれで良かったんだろうか……と一抹の不安。あまり外れたことは言ってないと思うんだけど、自信を持って大丈夫と言える、とも言えない感じ。
 ネットで確認してみようと思ったけど、そこへお客さんが……
 
 バタバタして結局調べられないままに、2時間ほどが経ってしまった。
 こうやって調べられないままになんのかんのと時間と言うか日数が経って、今に至ってるんだよなぁ。ちょっとだけ情けない。
 前にも思った

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スーパーコンシェルジュ 4-③

 そんな感じでどっと疲れて。それでも就業時間終えて、サービスカウンターを後にして、食品事務所へと向かう。
 「お疲れ様です」
 数人のチーフさんたちと、マネージャーも居た。
 「お、どうした?」
 マネージャーが声を掛けてくれる。
 「いや、ちょっとお願いと言うか、相談がありまして……」
 一般食品のチーフも「どうした?」って感じで、パソコンの手を留めて、こっちを見てくれていた。
 「あの、商品情

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