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酒井順子(1966.9.15- )「人はなぜエッセイを書くのか 日本エッセイ小史 第十三回 シラケ世代の脱力エッセイ」『小説現代』2021年10月号

『小説現代』2021年10月号
講談社 2021年9月22日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B09FRZW7DN

酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第十三回 シラケ世代の脱力エッセイ」
p.320-325
2022年12月20日読了

1966年9月15日東京都杉並区生まれ
立教大学社会学部観光学科卒業なエッセイスト
酒井順子さんの連載作品。

この連載は2022年3月号で終了しています。
http://www.hatirobei.com/ブックガイド/作家から/酒井順子/雑誌掲載記事


酒井順子(1966.9.15- )
『日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか』
講談社 20023年4月刊
224ページ 1760円
https://www.amazon.co.jp/dp/4065310067 

「コラムブームの時、
雑誌のコラム特集でその名を見ないことがなかった
泉麻人は1956年[4月8日]の生まれです。

戦争や学生運動だけでなく、ライフスタイルや考え方に
影響を与えるような大きな事件を経験していないため、
無思想で無節操な「何も無い」世代と、泉は自覚。

政治的な思想は持たず、
流行に従って生活を変えていくのが自分達なのだ、
と認識しています。
思想も節操も持たないことを堂々と表明する若者達は当時、
「シラケ世代」とも言われていました。」
p.321

「1970年代後半に創刊された『ポパイ』、
アメリカのファッションや遊び等、
マニアックな情報を紹介するコラムがみっちりと詰まっていた
この雑誌は、若者たちをおおいに刺激。
1981年には「コラム大特集」を行って、
物質文化の波を感じさせる…
その波を増幅させたのは、
同年に刊行されて大ヒット作となった
『なんとなくクリスタル』(田中康夫[1956.4.1- ])です。

ブランドブームの先導役を果たした
田中康夫は泉正人と同い年です。」
p.322

1955年1月生まれな私は、
彼ら二人と二学年違うだけですけど、
高校2年生、1971年秋、
沖縄返還協定批准国会の頃のデモ隊の一人として、
機動隊による催涙弾を体験してますから、
二人のような「シラケ世代」の文章には、当時、
共感できないでいました。
私は前世代の遺物だったのでしょう。

「1983年に刊行されたホイチョイ・プロダクションの
『見栄講座 ミーハーのための戦略と展開』。
65万部が売れたという同署は、泉・田中両氏よりも二歳上の
馬場康夫[1954.8.18- ]らによる書

『見栄講座』刊行の翌年、
1984年に刊行されてベストセラーとなったのは、
渡辺和博[1950.2.26- ]の
『金魂巻(キンコンカン)
現代人気職業三十一の金持ビンボー人の表層と力と構造』
です。」
p.323

「この本は、バブルに向かって駆け上がろうとしていた、
というよりもバブル崩壊に向けて一気に落ちていく前の
ピークへ向かおうとしていた時代そのものを、嗤っています。…

『金魂巻』は、『見栄講座』が発したコールに応えたレスポンスの書のようにも思えます。『見栄講座』を真剣に読んだ人々が真剣に見栄を張ってしまった日本という国の薄さ、のようなものがここでは浮き彫りにされているのですから。」
p.324

「『金魂巻』は、著者が文章とイラストとで自分の視線の持ち方を提示した、イラストエッセイでした。イラストと文との距離は実は遠くないという事実を示したことにおいても、この本は画期的だったのです。」
p.325

私は、この二冊とも、手にしたことがありません。
ホイチョイの作品は、
『ビッグコミック』数誌(のどれか?)で
かなり目にはしていましたけど。

読書メーター
酒井順子の本棚(登録冊数35冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092015

小説現代の本棚(登録冊数39冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11791810

https://note.com/fe1955/n/nb74e11adb53b
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第一回 エッセイという謎」
『小説現代』2020年9月号


https://note.com/fe1955/n/n2a3ce8bcd110
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第二回 「随筆」と「エッセイ」の違い」
『小説現代』2020年10月号


https://note.com/fe1955/n/neaf2f72c9ac5
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第三回 変わりゆく「コラム」」
『小説現代』2020年11月号

https://note.com/fe1955/n/ndcd7ce009b50
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第四回 「昭和軽薄体」の時代」
『小説現代』2020年12月号


https://note.com/fe1955/n/n72e4fd69fcc1
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第五回 「つるむ」という芸」
『小説現代』2021年1月号


https://note.com/fe1955/n/n6a0ae45f68cf
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第六回 女性とエッセイ」
『小説現代』2021年2月号


https://note.com/fe1955/n/n2b00749ac50f
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第七回 女性とエッセイ・海外篇」
『小説現代』2021年3月号


https://note.com/fe1955/n/n5c0a4b4ecd7a
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第八回 エッセイブーム今昔」
『小説現代』2021年4月号


https://note.com/fe1955/n/na54aa3e73a49
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第九回 詩とエッセイ」
『小説現代』2021年5・6月号


https://note.com/fe1955/n/n5705cd226a2d
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第十回 作家の父とその娘」
『小説現代』2021年7月号


https://note.com/fe1955/n/n6a59e7ec672e
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第十一回 食エッセイ今昔」
『小説現代』2021年8月号


https://note.com/fe1955/n/n5d03c88b0854
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第十二回 芸能とテレビ」
『小説現代』2021年9月号


『小説現代』2021年10月号 講談社 2021年9月22日発売 https://www.amazon.co.jp/dp/B09FRZW7DN 酒井順子「人はなぜエッセイを書くのか 日本エッセイ小史 第十三回 シラケ世代の脱力エッセイ」p...

Posted by Tetsujiro Yamamoto on Monday, December 19, 2022

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Posted by Tetsujiro Yamamoto on Tuesday, December 20, 2022

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酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第一回 初めての女性誌連載」
『小説新潮』2022年8月号


https://note.com/fe1955/n/n5789709a4899
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
 第二回 『ゼロの焦点』の表と裏」
『小説新潮』2022年9月号


https://note.com/fe1955/n/n3f15b2dc39d9
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第三回 お嬢さん探偵の限界」
『小説新潮』2022年10月号


https://note.com/fe1955/n/nd73f79dc9dd9
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第四回 初めての恋愛小説」
『小説新潮』2022年11月号


https://note.com/fe1955/n/ncc1a2176c33c
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
 第五回 転落するお嬢さん達」
『小説新潮』2022年12月号


https://note.com/fe1955/n/n644b2c0ce468
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第六回 『婦人公論』における松本清張 1」
『小説新潮』2023年1月号

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