酒井順子（1966.9.15- ）「人はなぜエッセイを書くのか　日本エッセイ小史　第九回　詩とエッセイ」『小説現代』2021年5・6月号

『小説現代』2021年5・6月号
講談社　2021年4月22日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0929Z7KQ7

小説現代 2021年 5・6月合併号 [雑誌]

酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第九回　詩とエッセイ」
p.180-185
2022年11月15日読了

1966年9月15日東京都杉並区生まれ
立教大学社会学部観光学科卒業なエッセイスト
酒井順子さんの連載作品。

「様々な文学ジャンルの勃興期である平安時代には、
それぞれのジャンルの申し子のような女性達が活躍しました。
物語を得意とする紫式部、
和歌の女王・和泉式部、
そして随筆の人である清少納言といった人々は、
明らかにその性質が異なります。

ごく簡単に言うならば、
「ねっとり」紫式部、
「しっとり」和泉式部、
「あっさり」清少納言といった感があり、
紫式部などは
和泉式部のことも
清少納言のことも
気に入らなかったから、
自身の日記には
ねっとりと嫌味や悪口を書いた。」
p.180

「昭和の最末期、1980年代には、
詩歌の世界が盛り上がりを見せていました。
1983年には『鳩よ』という雑誌が、
マガジンハウスから創刊されます。
創刊時の惹句は、
「ポエムによるニュージャーナリズム」。
詩を中心とした文芸誌、
詩のお洒落化、ポップ化
を目指す斬新なメディアだったのです。

続いて、短歌の世界が湧き立ちます。
穂村弘［1962.5.21- ］や
林あまり［1963.1.10- ］
といった若手歌人達が話題となり、
1987年には、
俵万智［1962.12.31- ］
『サラダ記念日』が空前のベストセラーに。
若者達が詠む、わかりやすい口語で書かれた
「ニューウェーブ短歌」がブームとなります。

「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」
との歌を詠むことに、特別の資格は不要に見えます。
高い教養や特殊な身分や経験、
はたまた社会に対する反発や恨みつらみ
などが無くとも、この歌は詠むことができる。
と言うよりも、その手のものを胸に抱いていたなら
決して詠むことができないのが、この歌なのではないか。

『サラダ記念日』は、
胃にもたれぬ味わいで
多くの人々の心を捉えましたが、
当時のエッセイやコラムもまた、
同じ味わいを持っていました。」
p.184

1955年生まれの私は、
1980年代を憶えていますけど、
私自身は、
『鳩よ』にも、
『サラダ記念日』にも、
興味がなく、手にしませんでした。

1987年春に福岡市民になる前、
私は何をしていたんだろう？

毎月、後楽園ホールと
蔵前～両国国技館でプロレス観戦。
吉田秋生を読み始めたのは1984年、
ボストンの私立探偵スペンサーを十冊以上
読んだのが翌年の1985年。

目黒区立中目黒駅前図書館で
佐藤史生（1950.12.6-2010.4.4）と
森脇真末味（1957.8.30- ）
を知ったのもその頃でした。

ボサノヴァを聴き始めたのも！

今日は30年前に47歳で亡くなったナラ・レオンの誕生日です。 ウィキペディア http://goo.gl/ry90Z2 ナラ・レオン（Nara Lofego Leao、1942年1月19日 -...

Posted by Tetsujiro Yamamoto on Saturday, January 18, 2020

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第一回　エッセイという謎」
『小説現代』2020年9月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第二回　「随筆」と「エッセイ」の違い」
『小説現代』2020年10月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第三回　変わりゆく「コラム」」
『小説現代』2020年11月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第四回　「昭和軽薄体」の時代」
『小説現代』2020年12月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第五回　「つるむ」という芸」
『小説現代』2021年1月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第六回　女性とエッセイ」
『小説現代』2021年2月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
日本エッセイ小史
第七回　女性とエッセイ・海外篇」
『小説現代』2021年3月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「人はなぜエッセイを書くのか
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『小説現代』2021年4月号

『小説現代』2021年4月号　講談社　2021年3月22日発売 https://www.amazon.co.jp/dp/B08XXVPYTP 酒井順子「人はなぜエッセイを書くのか　日本エッセイ小史 第八回　エッセイブーム今昔」p.190-...

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
第一回　初めての女性誌連載」
『小説新潮』2022年8月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
　第二回　『ゼロの焦点』の表と裏」
『小説新潮』2022年9月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
第三回　お嬢さん探偵の限界」
『小説新潮』2022年10月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
第四回　初めての恋愛小説」
『小説新潮』2022年11月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
　第五回　転落するお嬢さん達」
『小説新潮』2022年12月号

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酒井順子（1966.9.15- ）
「松本清張の女たち
第六回　『婦人公論』における松本清張　1」
『小説新潮』2023年1月号