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ヤマザキマリ『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』新潮社 2022.6

ヤマザキマリ(1967.4.20- )
『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』
新潮社 2022年6月刊
2022年8月21日読了



ヤマザキマリ『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』新潮社 2022年6月刊。128ページ。
上記書影五枚は、下記からの「引用」です。
「転載」ではないつもりです(勝手な言い分?)。
https://www.amazon.co.jp/dp/4106023016

https://www.shinchosha.co.jp/book/602301/

「ルネサンス文化の繁栄を支えたのは、“職人”としての絵師だった! 舞台は15世紀半ばのイタリア。当時、まだ「職人(アルティジャーニ)」という立場で腕をふるっていた画家たち―――ボッティチェリ、レオナルド、アントネッロらの青春時代から老境までを美麗に活写する。フィレンツェのアカデミア美術学院で学んだヤマザキマリが、その体験を十二分に活かして描く初の本格オールカラー漫画!」

https://mobile.twitter.com/videobird/status/1537004059772604417
TORI MIKI/とり・みき @videobird 2022年6月15日 午後6:28
「こちらは『プリニウス』のような合作ではありませんが、とり・みきが背景と色彩設計を担当しております。6/30発売。
ヤマザキマリ 『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝』 新潮社

本邦ではオールカラーのマンガ単行本はなかなか実現するのがむずかしいですけれども「とんぼの本」枠で出すことで「芸術新潮」連載時と同様に全ページカラーで収録することができました。

※判型が違うので「とんぼの本」用にあらためて元原稿データをレイアウトし直しました。」

http://torimikisblogarchives.blogspot.com/2021/05/blog-post_23.html
「2021年5月23日日曜日
ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』最終回が載った「芸術新潮」6月号が発売されました。フィレンツェのブランカッチ礼拝堂で語る老いたボッティチェリと弟子のフィリピーノの前に現れる一人の男。

その男とボッティチェリは、連載当初には同じヴェロッキオ工房の新弟子と兄弟子でした。老境に入りその立場もずいぶん変化した二人がかわす言葉とは......?

『リ・アルティジャーニ』第1回が載ったのは2016年1月号。フィレンツェのもっともよく見る風景から始まった本作は、同じフィレンツェの夕景で終わります。

『リ・アルティジャーニ』は『プリニウス』同様、ヤマザキマリさんとの連名の合作になっていますが、後者と違い、こちらのストーリーやセリフには、とりはほとんどかかわっていません。完全にヤマザキさんの作品で、僕は絵のお手伝いをしていただけなので、本当は合作のクレジットはおこがましい。チーフアシくらいの立場です。

古代ローマ同様、ルネサンスに関しても自分は通り一遍の知識しか持っていなかったので、描きながら少しずつ勉強していきました。

ヤマザキさんは元々両方の素養があるからいいですけど、僕にとっては二本とも新分野。実作業以上に、そのバックグラウンドの把握や資料調べに時間を取られました。知れば知るほど面白いので苦痛ではないのですが、大変なのは大変。

しかしなんで29話で終わりなんだ。30話だときりがいいのに......などと思ってしまうところが、そういう細かいことを気にしない大作家と凡人の違いです。

ヤマザキさん、足かけ7年お疲れ様でした。よい仕事になりました。もう一本もそろそろラストスパート態勢ですが、頑張りましょう。」

福岡市総合図書館予約11人。

『芸術新潮』2016年1月号~2021年6月号掲載、
ヤマザキマリ(1967.4.20- )
とり・みき(1958.2.23- )
「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝」29篇。

表紙・標題紙は描き下ろし。
裏表紙は第2話フィレンツェ(第1話の別アングル)。

目次
15世紀半ば頃のイタリア[地図]
登場人物相関図

Ⅰ フィレンツェ篇
1 売れっ子画家ボッティチェリ
2 若き天才レオナルド
3 工房への弟子入り
4 破戒僧フィリッポ・リッピ
5 良き絵師の条件
6 師匠の修業時代1 
7 師匠の修業時代2 
8 里帰りでの出会い
9 奇人画家ウッチェロ
10 繁栄するフィレンツェ
11 彫刻家ドナテッロの追想
12 ジョットの「青」

Ⅱ ナポリ篇
13 メッシーナから来た少年
14 コラントニオ師匠のもとで
15 アントネッロの意欲
16 北の画家クリストゥス
17 油彩に目覚める

Ⅲ ヴェネツィア篇
18 低迷するヴェネツィア絵画
19 ベッリーニの苦悩
20 南北の才能が出会う時
21 油彩という魔術
22 それぞれの理想
23 若き未来の巨匠たち
24 レオナルドの来訪
25 ある聖母像の衝撃
26 革新者アントネッロ

エピローグ
27 レオナルドの懊悩
28 フィリッピーノが見たもの
29 画家たちの時は流れて

特別対談 ヤマザキマリ×池上英洋
画家たちが“職人(アルティジャーニ)”だった時代
本書に登場する画家たち
関連年表 リ・アルティジャーニの時代

「背景作画担当とり・みき」p.128[奥付]

「私がストーリー作りからコマ割り、人物などの作画を完成させてから、最後に「ここに、こういう風景を描いてください」と、とり・みきさんに伝えて、仕上げていただくという手順でした。

丹念に調べて描いてくださった。絵が上手というだけの人ではダメなんです。とりさんのように、私のこだわりを理解した上で、マニアックなくらい細かいところまで追及して描いてくれる人でないと。」
p.122 ヤマザキマリ×池上英洋「画家たちが "職人(アルティジャーニ)" だった時代」

連載が終了しても、なかなか単行本が刊行されないので、2022年4-6月に、『芸術新潮』バックナンバーを、数冊づつ借りて読み通したら、ようやく、一回り小さなサイズの「とんぼの本」で出版されました。

毎回4ページに描かれている、私の知らない画家の、作品の一部分を、ググってパソコン画面で観てみることを繰り返した三ケ月を思い出しながら再読しました。

Giotto di Bondone (1267-1337.1.8)
Palla Strozzi (1372-1462.5.8)
Masolino da Panicale (1383-1440)
Donatello (1386-1466.12.13)
Cosimo de' Medici (1389.9.27-1464.8.1)
Paolo Uccello (1397-1475.12.10)
本書「ウッチェロ」 連載「ウチェッロ」
Masaccio (1401.12.21-1428)
Fra Filippo Lippi (1406-1469.10.8)
Piero della Francesca (1412-1492.10.12)
Barthelemy d'Eyck (1420?-1470)
Petrus Christus (1420?-1475?)
Niccolo Antonio Colantonio (1420?-1460?)
Antonello da Messina (1430-1479)
Giovanni Bellini (1430?-1516)
Andrea Mantegna (1431-1506.9.13)
Andrea del Verrocchio (1435? -1488.6.30)
Sandro Botticelli (1445 [1444?] -1510.5.17)
Luca Pacioli(1445-1517)
Leonardo da Vinci (1452.4.15-1519.5.2)
Filippino Lippi (1457-1504.4)
Giorgione (1477?-1510)
Tiziano Vecellio (1488?-1576.8.27)

以下、全29回・各篇読了時のメモ

ヤマザキマリ(1967.4.20- )
とり・みき(1958.2.23- )
「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝
1 ボッティチェリ」
https://note.com/fe1955/n/ne06f1171f6af

2 レオナルド・ダ・ヴィンチ」
https://note.com/fe1955/n/naf2bc232f028

3 ボッティチェリ、リッピ工房に弟子入り 1」
https://note.com/fe1955/n/n9b965f3bc857

4 ボッティチェリ、リッピ工房に弟子入り 2」
https://note.com/fe1955/n/nccf2dd3d6861

5 ボッティチェリ、リッピ工房に弟子入り 3」
https://note.com/fe1955/n/n885fa0405c46

6 マエストロ・リッピの修行時代 1」
https://note.com/fe1955/n/ne1c020833cb0

7 マエストロ・リッピの修行時代 2」
https://note.com/fe1955/n/ndee1a5d90053

8 フィレンツェへの里帰り 1」
https://note.com/fe1955/n/n46e9bc853c0b

9 フィレンツェへの里帰り 2」
https://note.com/fe1955/n/n4aed9121ca79

10 フィレンツェへの里帰り 3」
https://note.com/fe1955/n/n9a4b434d38cc

11 フィレンツェへの里帰り 4」
https://note.com/fe1955/n/nb5b3fc56718e

12 スクロヴェーニ礼拝堂の追想」
https://note.com/fe1955/n/n3cdd4fe1e801

13 ナポリ、1450年 舞台は南へ!」
https://note.com/fe1955/n/nd8f7c038994f

14 アントネッロ・ダ・メッシーナの修行時代」
https://note.com/fe1955/n/nfb0e8238a1ee

15 北方絵画に魅せられて……」
https://note.com/fe1955/n/n78119a43aa63

16 北からの来客」
https://note.com/fe1955/n/n024b45de9012

17 アントネッロ、油彩に目覚める」
https://note.com/fe1955/n/nbd84473004fd

18 ベッリーニの秘かなる決意」
https://note.com/fe1955/n/ne0e6e04a9227

19 ベッリーニは苦悩する」
https://note.com/fe1955/n/na9a07b7a05d0

20 南と北の才能が出会う時」
https://note.com/fe1955/n/n2d01746e43c1

21 アントネッロ、ベッリーニに油彩技法を伝授する」
https://note.com/fe1955/n/n417acb2a4b6f

22 それぞれの理想」
https://note.com/fe1955/n/n323243a35fb9

23 百花繚乱のヴェネツィア」
https://note.com/fe1955/n/n7cf2f55a9171

24 ヴェネツィア派の隆盛」
https://note.com/fe1955/n/n0215431eea4b

25 "あの絵" との出会い」
https://note.com/fe1955/n/n43ec1178d12a

26 油彩の革新者アントネッロ」
https://note.com/fe1955/n/n892a151f6a1d

27 レオナルドの懊悩」
https://note.com/fe1955/n/n909d1f872f13

28 フィリピーノが見たもの」
https://note.com/fe1955/n/nda31f18d6ad6

29 最終回 時は流れて」
https://note.com/fe1955/n/n97026cf0bc0f

ヤマザキマリ『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論(集英社新書)』
集英社 2015.12
https://note.com/fe1955/n/n34b263073b1e
https://www.amazon.co.jp/dp/408720815X


原田マハ(1962.7.14- )
ヤマザキマリ(1967.4.20- )
『妄想美術館(SB新書)』
SBクリエイティブ 2022.1
https://note.com/fe1955/n/n3ecf24ecd9dd
https://www.amazon.co.jp/dp/4815611602

読書メーター ヤマザキマリの本棚(登録冊数71冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091917


とり・みきの本棚(登録冊数46冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11711791

池上英洋の本棚(登録冊数5冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11435737

マンガの本棚(登録冊数1678冊 作家名五十音順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091192


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