見出し画像

ヤマザキマリ『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論(集英社新書)』集英社 2015年12月刊 232ページ


https://www.amazon.co.jp/dp/408720815X

「ルネサンスを生み出した愛しき「変人」たち。
大ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリを、ただ古代ローマと風呂が好きなだけの漫画家だと思ったら大間違い。実は一七歳で単身イタリアに渡り国立美術学校で美術史と油絵を学んだ筋金入りの美術専門家なのだ。

そんな彼女が初の美術論のテーマに選んだのは、偏愛する「ルネサンス」。しかしそこは漫画家。あの大巨匠も彼女にかかれば「好色坊主」「筋肉フェチ」「人嫌い」と抱腹絶倒のキャラクターに大変身。正統派の美術論ながら、「変人」をキーワードにルネサンスを楽しく解読する、ヤマザキ流芸術家列伝!

ヤマザキマリ
漫画家。一九六七年東京都生まれ。一九八四年よりイタリア国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で美術史と油絵を学ぶ。一九九七年漫画家デビュー。二〇〇八年連載開始の『テルマエ・ロマエ』が空前の大ヒットとなり、二〇一〇年のマンガ大賞、手塚治虫文化賞短編賞を受賞。同作品は映画化もされた。漫画作品では他に『プリニウス』(とり・みきと共著)、『スティーブ・ジョブズ』など。『男性論 ECCE HOMO』『国境のない生き方』など評論、エッセイの著書も多数。」

目次
はじめに
第1章 フィリッポ・リッピとボッティチェリ
ルネサンスを爛熟に導いた二人
フィリッポ・リッピ
サンドロ・ボッティチェリ

第2章 愛しのラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド
秀抜した「変人」としてのルネサンス三大巨匠論
ラファエロ・サンティ
ミケランジェロ・ブオナローティ
レオナルド・ダ・ヴィンチ
「盛期ルネサンス」とは何か

第3章 型破りで魅力的な各地の「変人」画家たち
シチリア、ヴェネツィア、北方の絵画
アントネロ・ダ・メッシーナ
アンドレア・マンテーニャ
パオロ・ウッチェロ
ヴィットーレ・カルパッチョ
アルブレヒト・デューラー
ホルバインとグリューネヴァルト
ピーテル・ブリューゲル

第4章 王様から小説家までルネサンスの礎となった「変人」
わが敬愛するルネサンス人たち
フェデリーコ2世(フリードリヒ2世)
ダンテとペトラルカ
アンドレーア・パッラーディオ
ジョルジョ・ヴァザーリ

第5章 あらためて、「ルネサンス」とは?
多様性と寛容さが世界を救う

以下の書影は ↓ から。 他にも、たっぷり、ご覧になれます。

https://viewer-trial.bookwalker.jp/trial-page/03/view?cid=f5f78944-6782-4732-9e9e-a3b034ae7da4&from=2&adpcnt=7qM_t

福岡市総合図書館蔵書 2022年6月24日読了

オールカラーマンガ、
ヤマザキマリ、とり・みき
「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝」
『芸術新潮』2016年1月号~2021年6月号掲載全29回
を読み終わったので、今月末(2022年6月30日)発売予定な単行本で再読する前の「お勉強」として、17歳でイタリア国立フィレンツェ・アカデミア美術学院入学、美術史と油絵を学んだ1967年4月20日生まれなヤマザキマリさんの『偏愛ルネサンス美術論』を読んでみました。

3月に
原田マハ・ヤマザキマリ『妄想美術館(SB新書)』SBクリエイティブ 2022.1
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/7252322418175668
を読んだ時にはまだ全然知らなかった画家とその作品を、マンガ連載を読みながら、ひたすら検索してパソコン画面で眺めてきましたから、『妄想美術館』を読み直したら、三ケ月前よりずっと楽しめるだろうなぁ。

原田マハ・ヤマザキマリ『妄想美術館(SB新書)』SBクリエイティブ 2022年1月刊。2022年2月5日第3刷。208ページ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4815611602 「ルネサンス、印象派、現代アート...

Posted by Tetsujiro Yamamoto on Thursday, March 24, 2022

「15世紀のフィレンツェで活躍したフィリッポ・リッピ(1406-1469)という画家がいます。私はこの人こそが、ルネサンス絵画の幕開けを飾るにふさわしい人だと考えているのです。」
p.27「第1章 フィリッポ・リッピとボッティチェリ 恋する「お坊さん」がすべてを変えた」

「リ・アルティジャーニ」は、リッピの弟子・ボッティチェリで始まり、終わります。


「私はルネサンスの始まりを象徴する画家として一人を選ぶなら、フィリッポ・リッピを選びたいと思うのです。[が、]
ルネサンス絵画はジョット(1266-1337)から始まる、というのが西欧美術史の定説です。」
p.32「ジョットの「眉間のシワ」

学生の頃(1973-77)読んだ、
花田清輝「歌―ジョット・ゴッホ・ゴーガン」1941.9
『復興期の精神』1946
「「絵にてはチマブーエ[Cimabue 1240年頃 - 1302年頃 ジョットの師?]、類を保たんと思えるに、今やジョットの呼び声高く、彼の名はかすかになりぬ」と、同時代人ダンテによって歌われた、あのジョットである。」『復興期の精神』講談社文庫 1974.6 p.60

「ゴッホを性急に駆りたてたもののなかに、かれのルネッサンスへの憧憬のあったことを見落としてはなるまい。かれは弟に次のように書いている。
「ジョットやチマブーエが、ホルバインやヴァン・アイクと同じように、私の心のなかに生きつづけている。そこでは、すべてのものが規則正しく建築学上の土台の上にあり、各個人がひとつの石の建物であり、すべてのものが、相互的に保たれ、記念碑的社会的体系を形づくっている。だが、我々は、完全に無抑制と無秩序のなかに生活している。」」p.75

で、ジョットの名前を憶えてはいましたけど、

「リ・アルティジャーニ 12 スクロヴェーニ礼拝堂の追想
老ドナテッロが述懐する "ジョットの「青」" の鮮烈な記憶――。」
『芸術新潮』2018年1月号 p.10-13
https://note.com/fe1955/n/n3cdd4fe1e801

を読んでググるまで、ジョットの作品を観ていませんでした。

https://note.com/fe1955/n/na2f5c783d59b
ヤマザキマリ(1967.4.20- )
『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』
新潮社 2022.6

読書メーター ヤマザキマリの本棚(登録冊数73冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091917 

冊数が多いのは、雑誌連載作品
「リ・アルティジャーニ
 ルネサンス画家職人伝」全29回
『芸術新潮』と
「プリニウス」
『新潮』の掲載号も各一冊とカウントしているからです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?