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ヤマザキマリ、とり・みき「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝 29 最終回 時は流れて」『芸術新潮』2021年6月号


『芸術新潮』2021年6月号 新潮社 2021年5月25日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B094J4RR3W
https://www.shinchosha.co.jp/geishin/backnumber/20210525/

http://torimikisblogarchives.blogspot.com/2021/05/blog-post_23.html
「2021年5月23日日曜日
ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』最終回が載った「芸術新潮」6月号が発売されました。フィレンツェのブランカッチ礼拝堂で語る老いたボッティチェリと弟子のフィリピーノの前に現れる一人の男。

その男とボッティチェリは、連載当初には同じヴェロッキオ工房の新弟子と兄弟子でした。老境に入りその立場もずいぶん変化した二人がかわす言葉とは......?

『リ・アルティジャーニ』第1回が載ったのは2016年1月号。フィレンツェのもっともよく見る風景から始まった本作は、同じフィレンツェの夕景で終わります。


『リ・アルティジャーニ』は『プリニウス』同様、ヤマザキマリさんとの連名の合作になっていますが、後者と違い、こちらのストーリーやセリフには、とりはほとんどかかわっていません。

完全にヤマザキさんの作品で、僕は絵のお手伝いをしていただけなので、本当は合作のクレジットはおこがましい。チーフアシくらいの立場です。

古代ローマ同様、ルネサンスに関しても自分は通り一遍の知識しか持っていなかったので、描きながら少しずつ勉強していきました。ヤマザキさんは元々両方の素養があるからいいですけど、僕にとっては二本とも新分野。実作業以上に、そのバックグラウンドの把握や資料調べに時間を取られました。知れば知るほど面白いので苦痛ではないのですが、大変なのは大変。

しかしなんで29話で終わりなんだ。30話だときりがいいのに......
などと思ってしまうところが、そういう細かいことを気にしない大作家と凡人の違いです。

ヤマザキさん、足かけ7年お疲れ様でした。よい仕事になりました。もう一本もそろそろラストスパート態勢ですが、頑張りましょう。」

ヤマザキマリ(1967.4.20- )
とり・みき(1958.2.23- )
「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝
29 最終回 時は流れて…
老境のボッティチェリはフィレンツェで、ある人物に再会する」p.10-13
2022年6月20日読了

Paolo Uccello (1397-1475.12.10)
Masaccio (1401.12.21-1428)
Fra Filippo Lippi (1406-1469.10.8)
Sandro Botticelli (1445 [1444?] -1510.5.17)
Leonardo da Vinci (1452.4.15-1519.5.2)
Filippino Lippi (1457-1504.4)

2016年7月号 第4話
https://note.com/fe1955/n/nccf2dd3d6861
で6歳ぐらいの男の子として3コマ描かれていた、フィリピーノ・リッピは、ボッティチェリよりも十五年早く没していますけど、最終回の三人の会話は何年に設定されているのかなぁ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/マサッチオ
「フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ大聖堂ブランカッチ礼拝堂の絵画制作は1425年ごろから始められたが、絵画完成前に二人[マザッチョとマゾリーノ]ともこの仕事を放棄してしまっている。二人が放棄した理由は伝わっておらず、最終的にこれらのフレスコ画は1480年代になってからフィリピーノ・リッピが完成させた。」

https://ameblo.jp/rikumado/entry-10080296552.html
「ブランカッチ礼拝堂の『聖ペテロの生涯』の壁画はルネッサンスの幕開けを告げる作品と言われており、マザッチョの死後、未完の部分はフィリピーノ・リッピにより約50年の歳月をかけ15世紀末に完成した。」

「何十年も途中だったのを よく描きあげたな フィリピーノ…

父が影響を受けた作品ですからね
仕上げることができて光栄でした…

かってここで かわった老人と出会ったことがあって…
その人は 自分はマザッチョの友人だと言っていた
https://note.com/fe1955/n/n4aed9121ca79
その時は まさかそれがパオロ・ウチェッロだなんて知る由もなかったが…
売れそうにもない奇妙な絵を描いていたよ 熱心にね…
わたしにはマザッチョやウチェッロのように規格外になる男気はなかった
今さら そんなことを思ってもどうしようもないがな…
流行に身をゆだねることで安心がしたかったのだ

あ マエストロ・レオナルド…

工房へ行ったら ここだと教えられたよ

…久しぶりのフィレンツェはどうかね

今なら 逃げ出したい気持ちにはならないよ
私も久々に この絵が見たくなってね…https://note.com/fe1955/n/ndee1a5d90053

奢りの気持ちを洗い流したくなったのだ

レオナルド そなたの奢りがとがめられることはなかろう

私が信ずるのは人の評価ではない 自分自身だ
我々は 経済を支配し権力を持つ者達によって特別扱いされてきたが よく考えてみれば 我々は時代に欲されたに過ぎない
時代が変われば また新たな表現者達が選ばれる
我々の肉体は朽ち 作品は残ってゆく
つまり我々は時代を象った職人だった
それだけのことなのだよ ボッティチェリ…
Fine」

『芸術新潮』2016年1月号からの連載全29回を読み終わってしまったので、
今月末6月30日発売予定
ヤマザキマリ『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』新潮社 128ページ 2200円
https://www.amazon.co.jp/dp/4106023016
https://www.shinchosha.co.jp/book/602301/
で読み直すのが楽しみです。


『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)』
2022年8月21日読了
https://note.com/fe1955/n/na2f5c783d59b

読書メーター ヤマザキマリの本棚(登録冊数73冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091917

とり・みきの本棚(登録冊数47冊 刊行年月順)
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マンガの本棚(登録冊数1705冊 作家名五十音順)
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芸術新潮の本棚(登録冊数40冊)
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