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インサイドセールスで”楽しく”アポ6倍にした方法

背景


現在、ourlyというインナーコミュニケーションSaaSの執行役員として営業に関わる全般をマネジメントさせていただいております。

ourlyではインサイドセールスとフィールドセールスを兼任しながら実施をしていますが、世の中的にインサイドセールスが注目されているとはいえ、「テレアポ」をすることには少し嫌な感情があってもおかしくありません。
事実、メンバーは少し嫌だったと思います。なぜ「テレアポ」に嫌な印象がつきまとうか考えてみると…

  • 断られたり、迷惑がられることが多い

  • 電話で話すスキルは自分のキャリアや成長に繋がらない印象を持ちやすい

  • ひたすら同じ単純作業の繰り返し

といった要素があるからだと思っています。
ourlyでも資料ダウンロードがあった先に電話してアポ獲得をするという形で実施をしておりましたが、メンバーはインサイドセールス業務に少し消極的な雰囲気を出していました。(本当は違ったかもしれませんが…笑)

私が当時はコンサルとして入らせてもらった際に、いくつか変えたことによってアポ数が6倍に伸びたり、毎月過去最高アポ数を更新したり、何よりメンバーが楽しそうにインサイドセールスの仕事をするようになったりと効果がありましたので、まとめることにしました。

この記事を読んでほしい人


  • インサイドセールス、フィールドセールスに従事している人

  • インサイドセールス、フィールドセールスのマネージャー

  • これから営業系の仕事をする人や興味がある人

  • セールス系のインターンをしている人、これからする人

この記事で得られること


  • インサイドセールスを改善した方法

  • 営業も含めたトークスクリプト等の作成方法

  • 営業組織のマネジメント手法

  • フィードバックプロセスの組み込み方

  • マネジメントの方法

本記事で得られること、少し大げさに書かせていただきましたが広範囲に適用できる内容になっているかと思いますので、上記に少しでも興味がある方にはお役に立てる内容になっていると思います。

インサイドセールスの改善着手時


ourly株式会社ではオウンドメディアをサービスローンチ前から仕込んでおりまして、そのメディアが当時で月間3万PVほどありました。

その3万PVのメディアの資料ダウンロードで顧客情報が取得でき、そこに対して電話をかけてアポイントを取得するのがインサイドセールスの役割でした。
(そもそも、オウンドメディアで資料ダウンロードが毎日複数あるなんて、ずっと紹介のみで営業をしていた僕からするとなんとも羨ましい限りなんですが…笑)

とはいえ、やはり電話をかけることって断わられる確率、迷惑がられる確率が高いので、メンバーもなかなかやりたいと思えなかったのだと思います。更にはある程度のガイドはありながらも、トークスクリプトも試行錯誤しながらそれぞれが我流でやっているという状態だったので、消極的になってもしょうがないかな…という状態でした。

取り組んだ3つのこと


オウンドメディアで資料ダウンロードが毎日あるのに、そこに電話するのが消極的でアポイント獲得率が低いなんて、こんなにもったいないことはありません。
そこでアポイント獲得率を最大化することとメンバーが楽しくインサイドセールスに取り組めるようにするために実施したことが下記の3つです。

① 適切な武器(トークスクリプト)の提供
② 目標と現在地の見える化によるゲーム性の導入
③ あらゆるプロセスにフィードバックサイクルを組み込む

① 適切な武器(トークスクリプト)の提供

適切な武器が与えられてないのに、クエストに放り込まれても勝てないからゲームとして楽しくないですよね!という感じで
営業って誰も体系的に教えてくれないし、みんなが営業の才能があるわけではないので、論理的に納得できる、しかもアポ獲得の確率があがる武器(スクリプト)があると使いたくなるかな?と想定していました。

もともと私が営業でめちゃくちゃ苦労して、才能ある営業の先輩を見続けて言語化してきたタイプだったので、その”営業の原理原則”に当てはめてインサイドセールスのトークスクリプトを作成しました。

※ 営業の詳しいことは下記の記事でも書いています


本質的にはフィールドセールスもインサイドセールスも行動変容(態度変容)を起こすという意味では同じことで、フェーズの違いだけだと思っています。

■ フィールドセールス
資料提示やヒアリング、ディスカッション、時にはデモなどを通じて顧客に価値を感じてもらい、”購入する”という行動変容(態度変容)を起こすサポートをすること

■ インサイドセールス
相手の資料ダウンロードの背景をヒアリングしながら、価値あるサービスの紹介を受けられると感じてもらい、”アポイントを入れる”という行動変容(態度変容)を起こすサポートをすること

なので、本質的なプロセスの設計、トークスクリプトのつくり方は抽象化すると原理原則は同じだと考えています。

そんなわけで、トークスクリプトを一言一句書き起こして、それを武器としてメンバーに提供しました。作成に関してはnotionを活用して、いつでも編集できるようにすること、注釈を入れるなど閲覧性が高いことをもとに作成をしました。
また、単純にスクリプトがあるだけではなく”目的/目標 = どんな状態をつくれたらゴールなのか” なども読んだだけで理解できるように工夫をしました。
(一部出せる範囲で実際の資料を公開させていただきます)

上記のように、適切な武器(トークスクリプト)を提供することでまずはテレアポというクエストに出かけられる状態をつくりました。


② 目標と現在地の見える化によるゲーム性の導入

クエストに出れるようになったら、やはり適切な難易度の目標設定と目標に対する現在地の見える化、そこにちょっとした”競走”というゲーム性があると全然インサイドセールスに対する捉え方が変わってくるのではないかと考えました。
ポイントをまとめますと…

・少し高めの目標設定(適切な難易度)
・全体の目標はこちらでトップダウンで決定しつつも、個人目標は各自設定
・目標に対する進捗が視覚的に一瞬で理解できるグラフの導入

というような形になります。
これらをスプレッドシートでチーム全体、個人毎に数値を毎日記録して事実・データをもとに改善のサイクルが回せる土台をつくりました。

また、視覚的にチームの目標進捗がオンタイムなのか、ビハインドなのかを理解できるようにグラフも作成して、常に見える位置に配置するようにしました。

このようなプロセスを導入することで

・チーム全体の目標に対する進捗が視覚的に一瞬で理解できる
・架電数で目標達成するメンバーもいれば、高いアポ獲得率で勝負するメンバーもいて、それぞれの個性で競走ができる
・事実、データをもとにそれぞれの強みが分かり、ノウハウ共有が進む

実際にこのプロセスを導入してからはトークスクリプトに関するアイデアや目標達成を意識したチャットが増加しました。

インサイドセールスの“テレアポ”ってどうしても嫌なイメージが付きまといますから、周囲のメンバーもいちいち反応したり、盛り上げるコメントが出てきたことも成果の要素かなと考えています。

③ あらゆるプロセスにフィードバックサイクルを組み込む

武器を提供して、見える化によるゲーム性が作られたらメンバーの行動量は担保できます。
あと付与するべきは日次、週次、月次など定期的にフィードバックして改善のサイクルが回り続ける仕組みをプロセスに組み込みます。
フィードバックサイクルを組み込んだのは

① 日次のテレアポに対してのフィードバックサイクル
② 月間のインサイドセールス活動の振り返りのフィードバックサイクル
③ 振り返りアジェンダ自体のフィードバックサイクル

上記の3つです。

① 日次のテレアポに対してのフィードバックサイクル

毎日の架電の中で”うまくいったこと” "うまくいかなかったこと"を言語化すること、共有するプロセスを組み込みました。

このような形で毎日データと言語化を繰り返すことで確実にメンバーのアポ獲得能力は向上していきます。
また、ノウハウや得られたことを共有することで、他のメンバーの能力も向上させることができます。

② 月間のインサイドセールス活動の振り返りのフィードバックサイクル
③ 振り返りアジェンダ自体のフィードバックサイクル

毎月月初になると先月のインサイドセールスの振り返りのMTGを設定しました。実物はお見せできませんが、アジェンダのみ公開させていただきます。

・先月のインサイドセールス活動の実績データ
・実績データから何が言えるか?
・先月の活動で機能したこと(チーム/個人)
・先月の活動でより機能させられたこと(チーム/個人)
・今月以降のKPTは何か?(Keep/Problem/Try)
・本振り返りMTG自体のフィードバック(良かった点/改善アイデア)

ポイントはいくつかあるのですが、特に私個人的に大事だと思っているのが、
「実績データから何が言えるか?」の部分で同じデータを見ても問題や課題を発見できるか、仮説を導けるかはビジネスの問題解決において超重要事項です。なので、毎月、この問いに向き合うことでメンバーの実績や数字を見る能力を養う意図があります。

また、「本振り返りMTG自体のフィードバック(良かった点/改善アイデア)」が超大事で、フィードバックサイクル自体のクオリティを向上させることをプロセスとして組み込むと、あとは自動的に毎月フィードバックサイクルが強化される仕組みになります。
最初のアジェンダとファシリテーションは私が実施しましたが、翌月以降は若手メンバーだけで振り返りMTGを実施してレポートしてくれる構造になりました。

まとめ


① 武器
② 見える化
③ フィードバックサイクル

この3点セットは営業はもちろんのこと、様々な業務プロセスに適用が可能だと考えておりまして、実際に成果として残せたことも大きな学びになりました。
引き続きインサイドセールス、フィールドセールスのプロセスを改善してチーム全員で成果を出し続けられる構造をつくっていきたいと思います。

度々チャットの画像で登場する「吉房」というメンバーは当時インターン生で現在は新卒1年目として活躍をしています。
ourlyでは共に事業成長を加速させるインターン生を募集しておりますので、是非気軽にご応募ください。


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