【メッシの旅路は終わらない】カタールW杯 グループC 第2節 アルゼンチン×メキシコ|マッチレビュー
メッシの旅路は終わってしまうのか?
カタールW杯グループC第2節。アルゼンチンは第1節でサウジアラビアに敗戦したことで、この試合で負けるとグループリーグ敗退が決定する。
それはすなわちメッシの最後のW杯も終わる意味にもなる。
アルゼンチンの強国としてのプライドため。そしてメッシのW杯の旅路を終わらせないためにも勝たなければいけない試合となった。
こんなアルゼンチンの厳しい状況を汲み取るようにメキシコが試合を進めていった。
さぁ果たしてメッシの旅路はどうなったのか?試合を振り返っていきましょう!
メキシコの5-3-2ブロック
メキシコはこの試合5バックをベースにした5-3-2の陣形でアルゼンチンを迎えた。
アルゼンチンとは違い初戦で勝点1をゲットしているメキシコは、最終節の戦いも踏まえて、今自分達が置かれている状況を把握しながらゲームを進めていった。
こんな思惑があったかもしれない。
メキシコがミドルゾーンに5-3-2のブロックを形式し、中央と最終ラインに厚みを確保して、アルゼンチンにゴールを破らせない事を第一優先にしたゲーム運びを見せた。
メキシコの5バックのWBはしっかりアルゼンチンの幅をとる選手を監視。
アルゼンチンの広がるSBにはメキシコはWBの縦のスライド。もしくは中盤3人が横のスライドで対応し、アルゼンチンのボールに対して常に圧力がかかる状態を作り出していった。
このメキシコのブロックに対してアルゼンチンは序盤手を焼いていたが、徐々に前進する糸口を見つけていった。
(序盤!メッシが中盤まで下がってボールに触れるシーンも…アルゼンチンとしてはメッシにより前でプレーさせたいよね!)
より明確に整備された後半
前半の30分ごろからアルゼンチンは後方の立ち位置を整備して、メキシコのファーストプレスを緩和させていった。
アルゼンチンは中盤2枚の1人ロドリゲスを2CBの間に落として3バックを形成した。これによりメキシコの2トップに数的優位を作り、プレスが届かない状況を作り出した。
中盤のデ・パウルが斜めに落ちて、オタメンディが真ん中で、リサンドロ・マルティネスが左の3バックになる形も。
(左利きのリサンドロ・マルティネスの3バック左は常に固定。)
しかし後方で優位性が作れてもその先がない!前にパスが入ってもスピードアップしない!結局最後は5バックにスピードダウンさせられて、攻撃をやり直さなければいけない!
そんな問題が変わらずアルゼンチンにのしかかって前半が終わった。しかぢ後半はより明確に、メキシコを攻略する配置が整備されたアルゼンチン。
中盤を落とした3バック化は変わらずに、より整備されたのは前線の配置とビルドアップの出口だった。
右WGのディマリアは前半逆サイドまでボールに関わったりと自由度高めだったが、後半は右の幅にいることに専念。
左の幅は左SBのアクーニャが立ち、2人は中央を固めるメキシコに対してサイドからお得意のドリブルでしかけていく。
また彼らが幅をとる意味は他にもあった。それはメキシコの5バックのピン留めだ。
アルゼンチンの選手ががしっかり大外に立つことでメキシコのDFラインは前に出れずに中盤にスペースが生まれることに。
そこがアルゼンチンのこの試合のビルドアップの出口となった。
そこのエリアはメキシコの5-3-2ブロックの、中盤3枚の脇であり、ハーフスペースだった。
左のハーフスペースに入ったのは左サイドのアリスターが立ち、3バックの左のリサンドロ・マルティネスはボールを持ち運ぶことも。。右のハーフスペースは右SBのモンティエルが立った。
ピン留めされた5バックの前のスペースであり、中盤3人の脇のスペースをアルゼンチンは攻略の糸口とした。
と言う具合に少しづつメキシコの硬いブロックに亀裂を入れていった。
やっぱりこの男
アルゼンチンが配置を整備し、ビルドアップの出口を見つけたことで彼らはメキシコ陣内でより前向きでプレーする様になった。
その為少しづつメキシコのラインが下がっていった。そしてアルゼンチンを救うゴールが生まれる。もちろん得点した男はメッシだ。
ハーフスペースにボールを入れ込んで前向きに。幅をとるディ・マリアへパス。ゆっくり仕掛ける。この時オーバーラップしたSBのアクションも地味に効いてたね。
メキシコのラインが僅かだが下がる。そこを見逃さずにバイタルで待つメッシへパスが入り、左足を一振り。守護神オチョアが守るゴールに吸い込まれて、アルゼンチンが均衡を破った。
流石、千両役者メッシ。
したたかなゲーム運び
そして先制点を奪った後の対応もアルゼンチンは非常に早かった。
ディ・マリアに変えてDFのロメロを入れて後方3バックに。
ベース4バックから可変して3バックでビルドアップを試みていたアルゼンチンは、ベースを3バックにしビルドアップの陣形は変わらず。
ボール非保持の陣形はCBロメロをど真ん中にした5バックを形成し、メキシコの守備陣形と同様に5-3-2の配置でより守備力上げていった。
ボールを保持すればゆっくり。先制されてより前に重心を変えたメキシコを逆手にカウンターをうつ。1点を取ってからのアルゼンチンは非常にしたたかだった。
そして87分。左からのCK。時間帯を考えてかメッシがショートコーナーをする。僅かだがメキシコの集中は切れたと思った途端、メッシが走り込んだ中盤エンソ・フェルナンデスへパス。
ペナ角でボールを受けたエンソ・フェルナンデスはカットインから見事なシュートをゴールに叩き込みアルゼンチンがトドメの2点目をゲット。
試合はこのままタイムアップ。負ければ敗退の大プレッシャーのかかる状況下で勝利したアルゼンチン。最終節に突破の希望を残す、したたかなゲーム運びを見せてくれたアルゼンチン。
『メッシの旅路はまだ終わらない』
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