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【またもや前半決着】チャンピオンズリーググループG第3節 マンチェスター ・シティ×FCコペンハーゲン|マッチレビュー

あの衝撃のマンチェスター・ダービーから僅か3日後。ユナイテッドでの一戦で燃え上がった熱量がまだまだ冷め止まぬ舞台に、デンマークの名門が乗り込んできた。

しかしシティの勢いは止まらず、ダービー同様に前半で試合の決着をつけてしまった。

それでは早速、簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

難しいタスクを担った4選手

相手はプレミア王者。しかも敵地ということで、コペンハーゲンは守備をベースにしたゲームプランだったことがピッチを見ればすぐに感じ取れた。

コペンハーゲンはシティがボールを持つと、すぐさま自陣に下がって4-3-3ブロックを形成し、中央をしっかり封鎖してボールをサイドへ誘導する振る舞いが伺えた。

前半のコペンハーゲンの守備戦術で難しい仕事を担う選手が4人いた。それは4-3-3の中盤3枚と3トップの各サイドの4選手には非常に複雑かつ運動量が求められる守備タスクが与えられていた。

3トップのど真ん中の選手はボールを持ったCBへプレスに出るシンプルな役割。一方3トップの両サイド(WG)は、中央を締めながらシティのSBへのプレス。又はシティのCBへのプレスも担った。シティのSBは中に外にポジションをとるし、中を締めながら縦へ横へスライドしてプレスに出るので当然体力ゲージの消耗は激しい。

次は中盤3枚。ど真ん中のアンカーはシティのアンカーを消しに行き、ボールサイドへのスライド。一方IHの2選手は中央をしっかり締めながらシティのIHのマークを担いつつ、WGがシティのSBへプレスに間に合わない場合には、サイドへスライドしてプレスに出る役割も担った。

又は大外で張るシティのWGにボールが入ると、SBと二人でダブルチームを組む為に最終ラインまで戻って守備対応するシーンも。こちらも多くのタスクを担い体力ゲージの消費が激しい役割を担っていた。

しかしこのコペンハーゲンの細かなプランもシティによってあっという間に崩されていった。

攻略の糸口になったのはやはりサイドだった。中央に圧縮するならば当然サイドが開くのがサッカーの性質。そこを素早いスライドでカバーしようとコペンハーゲンも試みるも間に合わない。

シティが4-3-3の中央ブロックに対し、サイドから攻撃を試みた策はまとめて3つだ。

①SBが高い位置に上がってボールを受ける
②SBがインサイドに入って、幅をとるWGのパスコースを作る。
③IHとWGがポジションチェンジ。

この3つを駆使してサイドからコペンハーゲンのプレスを崩しにかかった。

コペンハーゲンも準備したプランを試みるも、サイドを起点にしたシティのボールにプレスが届かない状況に。シティのサイド攻撃にプレスに出るのは前述した、難しいタスクを担った4選手だった。

サイドの高さをとるシティのSBへコペンハーゲンのWGが下がれば、シティのCBがフリーとなり運ぶドリブルで侵入される。又はコペンハーゲンのIHがサイドに出てプレスに出れば今度はシティのトップ、IHの選手がフリーになる。

どちらかを選べばどちらかの代償を食らう状況になったコペンハーゲンが選んだ選択はサイドを捨てて中央を締めることだった。

多くのタスクを担っている為か、シティのサイド攻撃に対してコペンハーゲンの決断が遅れるシーンが。僅かな決断の遅れ、判断の誤りがこのレベルになると致命傷になる。

先制点は正にそんなシーンだった。6分.落ちてボールを受けたギュンドアンから、サイドの高い位置に上がった右SBカンセロへ斜めのパスが入ると一気にスピードアップ。ギュンドアンがCBから縦パスを受けてターンした事でコペンハーゲンの中盤.前線は中央へ集められた事で、サイドの高い位置に上がったカンセロへプレスが間に合わない。そしてカンセロは斜めにドリブルしペナ角からクロス。これに合わせたのがハーランド。利き足とは逆の右足ダイレクトでゴールを奪って見せた。

シティに加入して逆足の右足のシュート練習にも励んでいるという効果の表れが出たシーンでもあったね!

その後もサイドを起点に畳み掛ける様にシティが攻め込み、前半終わってみれば3得点を奪い、マンチェスター・ダービー同様に前半で蹴りをつけてしまった。

プラン変更も無効化したシティ

後半に入るとコペンハーゲンは当然の様にプランを変更した。4-3-3から最終ラインに人を増やし5-4-1のブロックを形成するプランに変更した。

3点のリードを許す展開の中、最終ラインの枚数を一枚増やし、より重心を後ろに下げたコペンハーゲンの監督はどんな心境だったのだろう。わたしには苦渋の決断だったんじゃないかと感じた。

5-4-1になり重心をより後ろへ下げたことでシティの攻め込むスペースは確かに削られていった。又サイドの包囲網も分厚くなり、前半シティが見せたサイドからの攻撃は薄れていくように思われたがシティの攻撃は止まらなかった。

ハーフタイムでお役御免となったハーランドに代わりパーマーがIHに入り、アルバレスが1番得意なポジションへ入った。投入されてシティの有望株がプラン変更された5-4-1に亀裂を入れていく。

後方でシティがボールを持つと、IHのパーマーはサイドに斜めに落ちてボールを引き受ける。コペンハーゲンは5バックになったことで中盤が手薄に。サイドにはSHとWBがあり厚みは増したが、今度は中央が手薄になり、そこをしっかり把握して攻め込むシティはやはり流石だった。

コペンハーゲンのSHがシティのSBを捕まえるタイミングで、IHのパーマーがサイドに斜めに落ちることでフリーに。その動きにつられて2CHになったコペンハーゲンの中盤がマークに出れば当然中央のレーンが開く。そこを見逃さずにCBから縦パスがトップのアルバレスに入り、彼が後ろ向きで潰れて、中盤ギュンドアンが前向きになるシーンも意図的に作り出して行く。

シティの左サイドからは、大外から中央に入ったグリーリッシュが、左のハーフスペースでボールを引き出して何度も前を向いてドリブルで侵入してみせた。

コペンハーゲンは最後まで「CBの運ぶドリブル」嫌ってかシティのCBへは常にプレスに出続けた。しかしコペンハーゲンの前線は1トップということで、中盤の誰かが前に出なければシティCBのどちらかがフリーになる構造。

それを担ったのが前半はWGであり、後半はSHだったが、プレスに出れば当然シティの誰かがフリーになる。前半はシティのSBであり、後半は左サイドのグリーリッシュだった。

マンチェスター・ダービーで炸裂しまくっていたシティの「CBの運ぶドリブル」。それを警戒したはずのコペンハーゲンだったが、それを今度は逆手にとられ、中盤をつり出されシティに前進を許してしまったコペンハーゲン。

ほんと嫌なチーム。ペップシティ…

おわり

試合は後半も得点を重ねたシティが5-0と大勝をおさめ、チャンピオンズリーグ.グループリーグ3連勝を飾り1位通過も見えてきた。

この試合、ここまで出場機会の少なかった選手達の活躍も目立ったのはチームとして非常に好材料だろう。アルバレスしかりマフレズしかりしっかりゴールも奪い自分の存在意義を示した。若い選手達にも出場機会が与えられ、色んな意味で充実試合となったはずだ。

さぁ次回はプレミアリーグ第10節サウサンプトン戦。サウサンプトンには昨シーズンリーグ戦では2分と勝てなかった相手。毎回難しい試合になる相手に対しても、今ある勢いそのままに前半で蹴りをつけるくらいの攻撃力を是非見せてほしい!


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