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「スタジオIZ」 with FASTNER. (前編)


FASTNER.の設置に行くと、待ってましたと言わんばかりのウェルカムな姿勢で迎えてくれたスタジオIZのやっさん。
スタジオIZは 京都の阪急西京極駅から徒歩2分の線路沿いにある音楽スタジオ。ここで何が生まれているのか、音楽だけではなさそうな雰囲気が漂う中でFASTNER.メンバーがスタジオIZの過去と今を聞いてみた。

京都で音楽スタジオ…?

―音楽スタジオがまだあまりなかった時代に設立されたとのことですが、なぜ、京都、特に西京極という地に設立されたのですか。

 いや正直な話、僕もよく分かってないんですよ。オーナー自体が3回くらい変わっていて、現オーナーがやりだして今7年なんですよね。スタジオとして出来上がったのが34年くらい前です。当初はフォークミュージックの隆盛とともに出てきた「憂歌団」というアーティストのプライベートスタジオだったらしいです。その後先代のオーナーが貸しスタジオとして運営しだしたのが始まりとなっています。

現在、オーナーはハチ北暮らし。

―そしたら最初はバーやカフェとかをやるつもりはなく音楽だけだったんですね。

 そうですね。今のオーナーの「ムッティ」がはじめた当初はそうだったみたいですね。で、そのムッティは今なぜかハチ北にいてます(笑)そもそも僕がここに来だしたのが2年半ぐらい前でちょうどその時フリーで音楽を作ってて時間が割とあったんです。そこで「ちょっと手伝ってくれへん。」みたいな軽い感じで誘われて、「ええよ。」と。元々ムッティとは同い年で共通の知人がいて、存在自体は10年以上前から知っていたけど、結局あまりちゃんと会うことがなくってようやくここで出会えたかたちですね。
 そんな関係からはじまり、流れのまま2年半が経ち、今年8月にオーナーが兵庫県のスキー場、ハチ北高原で自由な生活がしたいって言って移住したんです。で、ここはお前に任せるって。ムッティはハチ北で様々な仕事をしながら家や水路を直したり、フェスを作ったり、自身のバンド活動をインスタやツイッターなどで発信しています。「お前そっちでやるんやったら、俺はこっちで頑張るわ。」みたいな感じで、良く言うと「切磋琢磨」、悪く言うと「適当」に頑張ってます。まあお互い楽しくやってるんじゃないかな(笑)

コーヒー、絵描き、内装etc

―コミュニティスペースでは食べ物を出しているんですか。

 フードも出してます。音楽スタジオですがイメージとしてはスタジオIZっていう大きい母体があって、その中でそれぞれが個人事業主として活動しているかたちですね。前に小屋みたいなのあったでしょ。そこを運営する「きっさん」も「メシアと人人」というバンドをやりながらフード出したりコーヒー出したりっていう形です。コーヒープラザ赤道っていう名前でやってます。
 スペースごとに名前があって、2Fには「210」でニートって読むイベント兼ラウンジスペースがあったり、「ラス」っていう絵描き兼デザイナーでミュージシャンでもあるんですけど、その方の作品販売スペースとして「ラスのお店スペース、イバシ+ヨ」もあります。
 もう一つ、「ヤマニキ工房」っていう主に机とか1Fの内装とかをやってくれてる山西さん通称「ニキ」って人は、
「ちょっとここに棚ほしいな。でも自分で作るのは大変だし、頼むってなったら大がかりだし」みたいな困り事にアドバイスをくれたり解決してくれます。

―代わりにDIYするみたいな感じなんですね。
 
 そうですね、なんなら一緒にやりましょうみたいな。そういうコンセプトの工房をIZの中でこの春オープンに向けて準備しています。それぞれがスタジオIZを母体として緩い連帯でやってますね。

音楽をキーにつながる輪

―ただ、皆さんそれぞれが音楽にまつわる方ではあるんですよね。

 それぞれがミュージシャンで音楽を作っていますね。音楽をひとつのキーワードとして繋がっているみたいな。でも全然ジャンルはバラバラですよ。

―音楽を中心にして、どんどん広がるように繋がっているんですね。

 音楽ってそれぞれの界隈があるんですよ。なんとなく顔は見知っている人同士が出会って少しずつコミュニティを広げているっていうか、勝手に広がってます。バーも元々はミュージシャンのお客さんが多かったんですよね。それが、西京極商店街ってほほえみ通りとも言うんですけど、今はそこでお店をされてる方も来ていただいて、仲良くさせてもらってますね。そういう人もDJやってたりして。やっぱり音楽っていうのがキーですね。

何でもあり。完成しないスタジオ

―運営される皆さんは音楽で繋がっているとのことですが、お客さんにも共通点はありますか。

 どうですかね。スタジオ利用の人は音楽だと思うんですけど、そうではない利用の人も増えてきてますので一概には言えないですね。ただ自由にDIYやバーベキューしたり、スクリーンを置いて映画やサッカーを見たりと色々やっていることをどこか面白がってもらえている人がきているのかなと思います。他にもイベントとして映画部による映画会っていうのがあったり、HOTCHPOTCH MART(ホッチポッチマート)というアートマーケットもあります。その中には元々イベントにきたことがきっかけでIZと出会い、ジェルキャンドルを作りはじめて今はキャンドルキューブという名前で出店している人もいます。
 だから結局ここが何なのかっていうと、なんなのかは分からないです。あくまで何かやりたい人が集まって、ここを使ってもし何かやれることがあるなら使ったらいいよっていう、そういうスタンスです。ホッチポッチマートはその一つで大きな市に出店するには至らない人とかまだ勇気がでない人に向けて、最初のクリアできるハードル、始めるきっかけになればと動いています。

―ハンドメイドをしていて、ちょうどこういう場を探していたんです。

 やりたかったら是非言ってください。2Fのこの場所はラスさんがデザインしてて、内装も基本的には全部ラスさんのセンスですね。まだまだ完成してないんで何もかも来る度に変わってるんです。完成せえへんスタジオっていうのがスタジオIZかもしれないですね。建物こそ30何年変わらないですけど、多分ずっと変わり続けてると思う。来る人も変わっていくし、やってる人間も色々と変わってるし(笑)


後編へ続く≫

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