コットンテールを観た話。
リリーフランキーさん主演
「コットンテール」映画館で観てきました。
良かった。
泣かせる演出はないのに、
登場人物に想いを馳せすぎて、
後半は涙が止まらなかった。
感想をブワーと書いていきます。
あらすじ
冒頭で心を掴まれる。
リリーフランキーさん。
すごい俳優さんだと存じ上げていたし、
出ている作品もいくつか観たこともあるけれど、
改めてシンプルに「すごい」と思わされた。
何がすごいかというと、「目」
目の演技がとにかく素晴らしかった。
これまでの人生。
いろいろなことがあったのだろう、と
冒頭のリリーさんの「目」で感じ取ったし、
どんなことがあったのだろうと気になって、知りたくなって、映画の世界観に入り込めた。
つまり映画が始まってすぐに、
「目」で観客の心を掴んだのではないかと思う。
すごい。
現在と過去を行ったり来たりするように
描かれていくのだけれど、
リリーさんが別人のように思えるほど。
自分の「目」は、人にどのように映っているのだろうかととても気になった。
目は人を表すなあと。時に人生すらも。
「おいで父さん」
物語のラスト、息子 慧(トシ)を演じる錦戸亮さんの印象的なセリフ。
この声のトーンと、表情、そして「目」が素晴らしかった。
心の距離が縮まらない、分かり合えない父への
葛藤や苛立ち、やるせなさ…
ネガティブな想いに雁字搦めだった自分と決別したようだった。
「仲直りしよう」「ごめんね」など、
わかりやすい言葉がなくても、
人は繋がり合うことができる。
表情や行動で、兼三郎や慧が教えてくれた。
ゆっくりゆっくり時間をかけて
絡まり合った糸がほどけていく。
それも、心地よいほどけ方ではなく、とてもリアルで。
「あ〜」「それじゃあまた…」とハラハラさせられる。
特に、兼三郎が孫を連れて勝手に出かけてしまう(しかも外国で!!!)ところなんかは、私も「もうやめてくれ〜!!」と心の中で呆れ返っていました。笑
「おいで父さん」までの時間がもう…とてつもなく長く感じた。(もちろんいい意味で。)
でもこの映画なんと95分。
全くそう感じさせない満足感もあったなあ。
断片的に知れる二人の姿
ところどころで知ることができる、
兼三郎と明子(木村多江)の様子。
二人だけの時間、二人だけの思い出…
一緒に観ている私たちの心も、
その二人の時間に、思い出に心がほどかれた。
心から、愛していたのだなあ。
兼三郎は。明子を。
兼三郎も、慧も、
不器用に生きてきたのだなあと、
そう感じて愛おしくなった。
映画だから、「裏側」的なことを知ることができるけれど、現実ではそうはいかない。
だからこそ、改めて想像したり思いやったりすることが大切だと学んだ。
目に見えるものだけが「その人」ではないのだと。
「不器用」
という言葉で片付けてはいけないこともある。
しかし、
「コットンテール」という物語の中では、
言葉にすることはとても大切だけれど、
不器用が故にしてこなかった兼三郎だからこそ、
感動する言葉や行動がありました。
妻であり母の明子は、
二人の様子を幸せそうに見守っていただろうな。
助けてくれた親子
途中でドンロドンロな兼三郎(笑)を
助けてくれた親子が最高によかった。
特に、娘と兼三郎が、クッキーと一緒に紅茶を飲むシーンが最高に好きだった。
あったかかったし、まっすぐな親子だったな。
他人の方が安心して話せる話があるだろうし、
他人だからこそ、聞ける話があるんだろうな。
お父さんが、兼三郎の心の殻に気づき、
真っ直ぐかつ柔らかく言葉を届けていく様子も良かった。
まとめると、心があたたかくなる物語。
家族を大切にしたくなる。会いたくなる。
愛は言葉や行動で伝えていきたい。
イギリスの景色、壮大で綺麗だったな〜〜
いつか、行ってみたい。
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