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Und was denkst du? きみはどう思う?の違和感の正体【外国語】

Was denkst du?
What do you think?
あなたはどう思う?

こう聞かれることにいつも違和感を覚えていました。

他にもWas glaubst du? Wie denkst du? Meinung? Was ist deine Meinung? のような聞かれ方をしました。

ドイツ語で「君はどう思う?」と聞かれると、どうして私に聞くの?と疑問に思いました。詳しく知らない私に意見を求めてどうするのか、とも思いました。

自分の意見に価値がないと思って、相手の圧を感じて怖気づき、弱弱しく意見を言っていました。

なぜ欧米人のように堂々と意見が言えないのかと自己嫌悪に陥ったこともありました。

外国人と話していて、同じような経験をされた方は多いのではないでしょうか?ドイツにいた時、日本人の友達が似たような悩みを持っていました。

日本人はあまり自分の意見を言わないから」「文化の違いだから」で片づけてしまいがちな問題の一つだと思います。

しかし、本当に日本人は自分の意見を言わないのか?

そんなことはありませんよね。

日本人も日常的に自分の意見を言っているはずです。例えば、映画の感想、昨日見たニュースについて、何曜日何時間目のあの授業が好き、嫌い、など。誰かに聞かれずとも自分の意見を言っているでしょう。

そうです。誰かに聞かれることなく自分の意見を言っているのです。

日本語を使っているときにダイレクトにどう思うかを聞かれることは少ないです。だから、外国人にあなたはどう思う?と聞かれると戸惑ってしまうのです。

これが欧米のコミュニケーションの方法であると割り切れるまでには時間がかかりました。

では、もう少し深堀してみましょう。

いったいなぜドイツ語や英語は相手に直接聞く必要があるのか?なぜ日本語はその必要がないのか。

原因は言語の構造にあると考えています。

日本語は文法上、主語が省けます。ですから、わざわざ主語を言う必要がない時は省くのが自然です。特に主語が人称代名詞になる時は、ほとんどの場合は省くでしょう。反対に、人称代名詞を使う時は、特別な意味を込めていることが多いでしょう。日本語で「あ な た はどう思う?」と聞かれるときは、発言者があなたに対して意見を強要している時でしょう。
しかし、欧米言語は命令形以外は必ず主語を言う必要があります。人称代名詞を使ったところで特別な意味は持たず、文を構成する必須要素であるだけです。

日本語は人称代名詞の「あなた・きみ」を省いて「どう思う?」と言えるところをドイツ語は「du」、英語は「you」を使って「Was denkst du?」「What do you think?」と言う以外方法はありません。
日本語を母国語とする私は感覚的に「Was denkst DU?」「What do YOU think?」と捉えてしまっていたのです。自分に焦点が向けられていることを必要以上に感じていたのです。

さらに深堀しようと思います。

日本人は察する能力が高いです。ステレオタイプだと思われるかもしれませんが、事実だと思います。空気を読まなければいけない意味での察する能力ではありません。会話の文脈を察する能力という方が適切でしょう。文章中に主語が含まれていないので主語を自分で考える力が身につきます。極端な言い方ですが、日本語を使うだけで察する能力は身につくのです。
全体に察する能力が高いので、誰がどのタイミングで話すかを仕切らなくても会話のキャッチボールができるようになります。自分から意見を言えば、何かしらのフィードバックがもらえます。ですから、わざわざ質問をすることもないのです。

このあたり、日本人はコミュニケーション能力が高いと思っている理由です。

欧米の人は必ず質問しないと会話が成立しないと言っているわけではありません。議論が好きなので、ゆるい会話が熱い議論に発展することもしばしばあります。
しかし、ドイツ語を使っているときは相手に直接聞く方が自然です。自分が意見を言ったから相手も意見を言ってくるだろうというのは通用しません。相手に意見を求めなければ会話は続かないでしょう。ドイツ語のWas denkst du?に深い意味はありません。最も簡単な言い方がWas denkst du?であるため、どう思う?これどう?くらいの軽いノリで使っていることが多いでしょう。

まとめ

私が長年違和感を覚えていたWas denkst du? あなたはどう思う?という聞き方について書いてみました。言語そのものについて考えて、自分なりの結論を出してみました。
今回のように、言語によって言葉のニュアンスが変わることは他にもあると思います。

言葉の捉え方は人それぞれです。正解はありませんが、その文化の中の共通認識はあると思います。それを知ることが文化を知ることなのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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プロフィール
・ふぁそらて(18)
・理系大学生
・生まれも育ちもドイツ、大学から日本へ
・海外で生まれ育ったからこそ気づいたこと、考えたことを文章にしたい

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