愛と希望の大晦日
心の苦しみを共にしてくれる者も
分かち合って怒りを冷ましてくれる者も
僕の隣にはいない。
この世に愛があるのか
そんなのわからない
でも僕に愛なんて必要なくて
ただ苦しさを和らげたいだけだ。
人の行動も言動も読めてしまうから
単純な思考さえあればとつい思ってしまう。
言葉に惑わされて、愛と希望を信じたい。
愛は優しさ、希望は未来。
人に与える優しさは所詮皆自分のためであり
予測想像する未来は幻想と欲望の塊である。
そして心や情などはお構いなしに
社会は論理的に嘘を並べ
嘘は人を助けてしまう。
そして真実は人を傷つけてしまう。
嘘だと知っていても、嘘は受け入れられる。
真実だと知っていても、真実は受け入れられない。
愛や希望が嘘ならば
醜い現実と孤独が真実だ。
それでも愛や希望で世界が平和になるのなら
世界を嘘で包み込んで
言葉で美しく優しく未来を描き
現実と孤独をかき消してくれ。
…
深夜のコンビニでビールとおつまみを買い、
自動ドアが開くと冷たい風が身体を撫で、
学生たちが僕を横切っていった。
昼間のミッションの最中に見た大晦日の買い物をする家族やカップル、学生たちをふと思い出す。
守らなければ。
この街を、この場所を、この人たちを。
だから拒絶されても、この仕事は続ける。
そう改めて決心した。
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