見出し画像

【パン屋のおまけが、洋菓子に進化した日】

「レシピ見ても、全然作れないんですけど(笑)」


「イルローザさんこれ一体、どうやって作ったんですかー??」



「えーとですね、配合調整と気合いです(笑)」


これは、とある企業さんから
菓子製造の依頼を受ける際の会話です。

こうすると作れますよとレシピを渡しても、
先方が再現困難で、イルローザすげえじゃん
ってめちゃくちゃ褒められるお菓子。



それが、当社三大巨頭の
ラスクパリジャン・バニラです。




「片手間ではない、洋菓子店の本気のラスク」


当初からずっと掲げていますが、


このレシピをこのクオリティで
作るのはすごいですと
企業さんに認めていただく機会が非常に多いです。


発売して14年、変わらず当社の主力商品ですが、



こだわりはあっても、
言葉でうまく表現するのが
苦手なものづくり集団が、

「片手間ではない、洋菓子屋の本気」
この言葉の真意を証明します。


そもそも、ラスクって
どんな経緯で
誕生したのでしょうか。

パン屋さんで残ったバゲットの
ロス対策として、保存期間を伸ばせる!


先人の知恵で生まれたらしいです。


賢いですよね。


確かに、よくパン屋さんの
レジ横とか隅っこで見かけます。


ただ、イルローザのラスクは、
その発想とは真逆です。



「もし、洋菓子屋が本気でラスクを作ったら」

当初、徳島県で販売してる所がなく、
これは地域一番店の使命だ!と
先陣を切りました。

ロス対策ではなく、

ラスクをした時、最もおいしい





専用バケットを本気で開発。



バケットは、四国のものを使えると良いねと、
香川県産小麦「さぬきの夢」が採用されました。



しかし、この小麦でパンの味を整えるのが、
当時すごく難しいけど、


出来上がりはものすごく
サクサクして良い品種でした。

けれども、大変なのは変わりないので、


”継続して同じクオリティで作る”


当たり前の事すら、ハードルがありました。


生地のこね方・寝かせる時間・焼き方


どの工程からも出来上がりに
影響が及び、毎日が研究と改良の繰り返しで

ただ作ればいいなんて
安易なものではありませんでした。



”手を抜きたくても、抜きようがない”

レシピ通りでも、再現不可能な理由はここです。



目指した最高到達点は、
「口に入れた時のサクッとした食感の軽さ」

なんですが、このような問題も発生します。


「だ~か~ら!!フランスパンの白い生地の部分は、空洞ができるのがセオリーです!それをラスクにするから、穴が空くのは当然ですって!」


「ダメだ!!!穴が大きいのは正規品と認めん!!!!!」

パティシエと先代社長のやりとりですが、ほぼ喧嘩です(笑)


穴が大きく見た目が悪いのは、B品。
正規品から除外されます。


穴が大きいとダメ。
かと言って、気泡が全くないと、
生地が詰まっておいしくないからそれもダメ。


「ちょうど良い穴を目指せ」


実際には、ビタミンCや安定剤などの
添加物を加えると、
これらの問題は一発解決ですが・・・



完全無添加でクリアしろ!
という発注は、相当苦労します(笑)


当社では、1回で約1万枚製造できるのですが、
そのうち200~300枚がB品です。


B品は、当時と比べると、相当減りました。


しからながら、全体の2~3%がはじかれるというのは、
生産効率が決して良いとは言えません。



他店なら、大丈夫だろうというものでも、
当社では厳しい基準で1枚1枚職人がチェックし、
お菓子・ギフトとしての見た目を大切にしています。




また、このB品は、クオリティ・味はなんら変わりなく、
「フランスパンから命をかけて作る証明」
としてお得用ラスクとして販売し、根強い人気です。



このように、あらゆるハードルを越えて、
おいしさと無添加に振り切った職人の努力に、

さらにひと手間、素材をこだわると
クオリティが跳ね上がります。




幻のバターと呼ばれる、
カルピスから取れる希少なバターを




わざわざ、水分と不純物を取り除いて得られる
”澄ましバター”にして、ラスク全体に薄~く塗り込みます。


すると、香りが特別ミルキーかつ
スッキリした味わいの
なんとも不思議なラスクが出来上がります。



~~~~~~~~


商品を食べてみても、
このような職人達の苦労は見えませんし、
公言する事でもないかもしれません。


実際、当社もここまで詳しく
職人達の研究を綴った発信は
過去見返しても、一度もしていません。


しかしながら、開発者・製造課長・担当の職人


誰に聞いても、ラスクは大変だ、研究だ
と著しく成長してきた日々を話すんです。



この長年向き合い続けた、歩みこそ
ラスクのこだわりそのものだと
話を聞き、確信しました。




それらの成長を証明するかのように、2023年。



新しくラスク専用の小麦粉に出会い、
また技術も良くなって、


北海道産小麦に絞って、
前を超える味わいになりました。


  • フランスパンとしてのクオリティ
    圧倒的食感の軽さ

  • 咀嚼しても、口に残らないキメ細かさ

  • ふわっと広がるバニラに、
    ミルキーなバターとグラニュー糖。



洋菓子屋が突き詰めた、答えが
このラスクに、憑依しています。




何度でも、食べてしまう

進化した


正真正銘、イルローザ史上最高
ラスクパリジャン・バニラ。



そんな意味を込めて、
今回個包装・ギフト箱のパッケージ変更が行われました。




「いやいや!レシピを見ても作れないですよ!笑」

「どうやって作ってるんですか~!?」


と企業さんにめちゃくちゃ褒めてもらえるラスク。




「片手間ではない、洋菓子店の本気のラスク」
この表現以外、見当たりません。




パン屋のロス対策で生まれたラスクとは、
土俵も、覚悟も違う、

最もおいしいラスク専用のフランスパン。


この逆説的発想で、職人が生み出す努力の結晶。


進化したラスクパリジャン・バニラを是非
いつもよりゆっくり噛んで、咀嚼してみてください。


食感の軽さとは裏腹に、全身が喜ぶ
旨みがじわじわ伝わってきます。













この記事が参加している募集

至福のスイーツ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?