【詩】雪
雪が雨よりも楽しそうに見えるのはなぜだろうか
雨は失恋に泣く悲しい女性の背中を想起するのに
雪は大騒ぎではしゃぐ子どもの笑顔を想起するのは
なぜだろうか
これは僕の気のせいだろうか
雪が雨よりも美しく見えるのはなぜだろうか
雨は欲望が落っこちてきているように見え
雪は好奇心が浮いているように見えるのは
なぜだろうか
これは僕の気のせいだろうか
雪が雨よりも弱そうに見えるのはなぜだろうか
雨は僕の気持ちなど考えもせずに自己主張するのに
雪は迷いを抱えながら不安そうな顔をしているのは
なぜだろうか
これは僕の気のせいだろうか
雪が雨よりも親しく思えるのはなぜだろうか
雨が過ぎ去ったとき我々は晴れ晴れとするのに
雪がいなくなったときどことなく寂しさを覚えるのは
なぜだろうか
これは僕の気のせいだろうか
天気予報のとき、雨は傘マークで
雪は雪だるまマークだからだろうか
雨は汚れを洗い流して
雪は結晶を作るからだろうか
雨は真っすぐ落ちてくるのに
雪はゆらゆら揺れているからだろうか
雨は訪問販売するだけだけれど、
雪は少し泊めてくださいと言うからだろうか
やっぱり僕の気のせいだろうか
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