見出し画像

【共働き子育て家族】の多拠点居住実験記

突然田中家の住宅事情を吐露する事となりますが、夫婦ともども都心に通勤する前提で2人で暮らし始めた2LDKが、4人家族となり手狭になってきました。

子供たちは男女だし、いずれ部屋も足りなるのは確実…と思いつつ、同じ生活圏で広い家に引っ越すのはとてもコストがかかります。そうなると、ただでさえ多忙な夫婦なのにもっと『稼ぐ』事にフォーカスしないといけない。

さらに、ようやく入れた保育園や慣れ親しんだ学校、友達との関係など、子供の事を考えると移動するのはとても大変です。

この暮らしの先はどうなるのかな・・・と考えるようになった矢先にコロナでの在宅ワーク。もう家はギュウギュウ、子供たちはストレスで地団駄を踏む日々

それを、『下の人に迷惑だから静かにしなさい』と言わざるを得ない暮らしは非常に厳しいものでした。

私達夫婦は長年不動産関連の業界で仕事をしているので、常に『ライフスタイル』や『不動産市場』『世の中の状況』にアンテナを張っています。そんな私達でも悩むのですから、きっと同じような悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。

そこで、いま私達が実験的に試みているのが『多拠点居住』です。

これからのライフスタイルを模索する

『広い家』に引っ越すことで得られるものもありますが、どうせコストが上がるなら多少移動費がかかったとしても場所を変える事で得られる経験があるのではないか?と思い、調査も兼ねて東京都心部に暮らしつつ色々な場所に移動する暮らしを実験することにしました。

現在の拠点は東京、移動先は千葉と山梨。

その拠点の一つ、千葉の『畑の家』をまずは紹介させてください。

こちらは母と私がもともと2拠点居住の為に使っている家で、私も家づくりからサポートしている大切な場所です。

突然、事後報告@母

2004年の夏ごろ、当時50代半ばだった私の母が『畑を始める』と言い出しました。

最初に話を聞いたのは地元の喫茶店。家庭菜園程度かなと思いきや、詳しく話を聞くと

家から車で2時間程度の場所
すでに庭付きの家を買った
すぐに暮らせる状態ではなくこれから開墾
なけなしの老後資金をつかった

とのこと。

それを聞いた当時の私は、とても心配しました。

心配①母はカラダが弱かった

その時の母は身体が弱く、入院や手術も度々ありました。特に心臓に関する病気については『激しい運動』や『長時間の運転』などは要注意という状況。

そんな中、車で2時間ほどの場所に通うって、一体どうやるの?大丈夫なの?? というのが私の第一印象でした。

心配②買った家がお化け屋敷

聞けば、すでに『庭付きの古い家』を買って、庭を畑にするとのこと。

『トイレがないと作業が不便だから』という理由でしたが、見せられた写真が想像の斜め上。

画像1

・・・家が見えないんですけど。

画像2

これが庭!?

こんな何の価値も見いだせないような不動産を、母はすでに買ったとの事。当時不動産業界に入ったばかりの私でも、『資産価値ゼロ』『むしろ負債』という事は明確にわかりました。

心配③これから開墾

この家は長年使われていなかった元別荘。相続されたものの放置された典型的な空き家で、家の中も庭も上記の通りの惨状でした。

当然、エアコンも何もない環境の中、カラダが弱い母が『これから開墾』。

・・・もう心配しかありません。

心配④資金面

当時の母はパート勤務で生活をまかなっていましたが、決して家を買うようなお金がある環境ではありませんでした。貯金もほとんど無いはず。ではどうやって買ったのか?

聞いてみると、【長年積み立てた保険の満期金をつかった】とのこと。『え、それって老後資金だよね?ふつう老後の暮らしの足しにするやつだよね?』

それを思いっきり使っちゃう母。信じられません。貯金って大事じゃない??

考えなしで買ったのかと思いきや、母いわく
『老後食べていくために、食べ物を作れる場所を買った』とのこと。

えー、そうだけど・・・とにかく1回行くわ!!

という感じで始まった『畑の家』との往来ですが、今となっては母は目利きの投資家だったと思います。

畑の家の現時点

画像3

開墾して、今は立派な畑に。

画像4

多拠点居住の実験を始めてから、進化した『畑の家』と、都心の家を今まで以上に往来するようになりました。畑の様子はインスタにのせていますので、よかったら是非ご覧ください。

多拠点居住=複数の『ただいま』が言える場所

これって実家に帰るのとか、遊びに行くのと何が違うのかな…と考えたのですが、明確に決まりは無いものの私達なりの定義は『おじゃまします』ではなく、家族全員が『ただいま』といえる場所であること。

例えば、どちらかの実家だと、1人にとっては『ただいま』だけど他の家族にとっては『おじゃまします』だったりしませんか?

そうではなく、家族全員が『ただいま』といえる場所をいくつか持つという事が、何となくのものさしになっています。

自己所有ではなくても、シェアでも、誰かの家を訪れる形でも、心置きなく『ただいま』が言える場所が増えるって、とても幸せです。

もう一つの拠点『山梨』も、最近加わった田中家の『ただいま』の場所。これらの場所が出来たことで、子供たちにも変化が表れてきました。

【共働き×都市暮らし×家族】は忙しいし、お金だって色々かかりあらゆる面で余裕がない。

でも、家族の暮らしの可能性って、本当はもっとあるんじゃないか。

暮らしも仕事も家族もぜんぶ、継目なく楽しみたい私達夫婦が、子供たちと生きる場所を模索するリアルな記録をこちらに書いていければと思います。

畑の家ができるまでのストーリーの続きはこちらをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?