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№10 意外な旋律が自分を励ましてくる時

僕は静寂さが好きだ。
夜が更けて、車通りも減って家の周りにも音がなくなり、部屋に一人いれば空気はほとんど何も伝達しない。そんな時。
後は、誰も在宅していない家に帰宅した時の、玄関を開けたときの静けさ以上のしんとした感じ。
その静けさの中でさらに自分も静かに過ごすことに心地よさを感じる。

静けさで何となく休まる感じもするけれど、自分の気持ちを慰めたり、考えを変えたり、怒りを発散したり、持て余すいろいろな自分をどうにかしたい局面で、やはり、音楽や美術、その他の芸術の存在をありがたく思う。

ときどき自分自身を揺さぶって、固まろうとしている何かを振りおとさないといけないのかもしれない。
苦しみを握りしめているとその強い握力でダイヤが生まれるとなれば、その美しさゆえに耐えることに価値を見出してしまう。
その手を開いて手拍子を取るような気持ちになれば、町に流れる季節の歌が、突然僕を励ましてくるときもある。






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