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そのミカンを最も高く売る方法!!

今回は、実家のミカンを高く売る方法について実体験を交えながら投稿しようと思う。
私の職歴
青果卸売市場(新卒)
→青果仲卸市場
→スーパーの青果部門
青果物流通に関する職歴を持つ低学歴のyasuは、、、実家のミカンの収穫作業を見ていて、どうにもイライラして我慢ならない事がある。
それは、ミカンの収穫の着色の基準、簡単に言えば、どれくらい着色していれば収穫していいのか?の基準に対する父の指示である。
オレンジの着色基準は、カラーチャートの0〜13まであるが、、簡単に言うと、オレンジ色でめっちゃキレイなミカンがカラーチャートで13、青くて酸っぱそうなミカンは0と言う値になる。
私が見るかぎり実家のカラーチャートの値は、2〜13の間で樹の状態で収穫する基準を変えている。
こんな収穫基準で他産地より良いミカンを消費者に届ける事は絶対に不可能である。
ミカンの着色と食味はリンクしている。
直接取引をしている店舗にて、他の生産者と比べて着色が明らかに劣っている。
一応、青果物の流通業を生業にして来た自分が、その様な仕事をしている事が恥ずかしい。
そして恥ずかしい仕事をしていると自覚しているのにも関わらず、全力でその指示を辞めさせるアクションを起こせない自分に強い無力感を感じている。
確かに、完全着色つまりは、カラーチャートの値が13のミカンだけを収穫するためには、完全着色したミカンを探しながら収穫するため、めちゃくちゃ手間がかかるし、著しく収穫コストが上昇する事が予測できる。
しかし、スーパーの店舗にて、他の生産者は完全着色、もしくはそれに近い物を出荷している。
その光景を観ると、その生産者は、どの様に収穫しているのか?どのようにコスト管理をしているのか学びたい、、、
私の経験では、最終的にミカンを食べてもらう方に最高の状態のミカンを提供する事こそが、そのミカンを最も高く売る方法であり、遠回りだが、唯一の道である。と思っている。
だって、お金を払うのは、最終的にミカンを食べるお客様なのだから。
バイヤーやセリ人、JAの担当者はあくまでも最終消費者の代弁者である取引先だけを見て仕事をしていては、いつまでたっても安いミカンしか作れない。
また、最終的な消費者であるお客様にも知識的、金銭的な様々な格差が存在する。
だから、ターゲットを絞る必要もある。
1キロ、100円でしかミカンを買えないお客様に1キロ1000円のミカンは買えない。
ただ、1キロ1000円でミカンを買えるお客様は、ミカンについての様々な知識を持っている可能性が非常に高いのである。
そのお客様には嘘は通じない。
私よりもミカンの品質を知っていて、ちゃんと選んで買っている。
実家のミカンを高く売るには、その人達に買って頂きファンになってもらう必要がある。
つまり当たり前だが他の生産者よりも良いミカンを作る必要がある。
その第一歩としてできる事が、ミカンの着色基準を高めることが必要だと思っている。
また、これは私の直感であるが、ミカンの品種の大枠の分類として、極早生、早生、普通の3種類あるが、極早生、早生の品種は長期保存に向かない、また、完熟で収穫した際のミカンは、鮮度が落ちると食味が低下するように感じている。
つまり、どんなに品質の高いミカンであっても長距離の輸送や流通過程で鮮度が落ち品質が低下してしまう。
という事は、地元で生産して、鮮度が落ちない状態で提供できれば品質的な優位性を担保できる可能性がある。
私は、スーパーの青果売り場を偵察するのが好きで、ちょこちょこ見ているが、長距離で時間をかけて店頭に高い値段で陳列されているミカンを見ているが、、、もしかするとその需要を奪えるのではないか?とちょっと想像している。
ミカン栽培に限らず、最高の栽培技術とは、適地適作をする事が最高の技術であると私は考えている。
その土地の土壌は、赤土の土壌であるか?日当たりはどうか?海岸に近いか?晴天日数はどうか?
など生産者の努力ではどうしてもコントロールできない部分を見極めて、その土地に合う品目を選ぶ技術であるが、ちょっとくらい、不利な土地で栽培していたとしても生産者がコントロールできる部分も多分にある。
私自身にも言える事であるが、言い訳はもうウンザリである。
いい商品を作って、喜んで買ってもらえるように努力したいな、、
そのために私ができる事は、この現状に逃げずに向き合うことから、全てが始まるのではないか?て思う今日この頃でした。


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