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東山魁夷記念 日経日本画大賞 上野の森美術館

『東山魁夷記念 第9回 日経日本画大賞』を見に、上野の森美術館に行って参りました。ニュースで大賞の作品を見て、あまりにも意外だったので少し前から気になっておりました。
(写真撮影不可だと勘違いしてまして、OKだったようです)

 会期が短いので初日に訪問

大賞がこちらの作品。
村山春奈さんの《コンクリート城 ランドマップ「地球(ほし)クズ集め」「コンクリートの民」》

チラシより

左側のタテ長サイズの方が「地球(ほし)クズ集め」250×160。

右側の横長サイズが「コンクリートの民」250×516。
両方並ぶとめちゃデカイ作品です。

最初にみた時に思ったのは藤牧義夫の《隅田川両岸画巻》に雰囲気似てるなー、でした。
俯瞰視点からコンクリート工場を描いてるのですが、画面のどの場所に視点を合わせても違和感かないんですよね。

あと、本来鮮やかではないはずの工場をカラフルにして楽しい場所に仕上げており、更に描きこみが凄く細かい。屋根の線一本一本、ミキサー車一台一台まで。小さい子供が見たら喜ぶだろうし、大人が見ても見どころたくさんで飽きない。作者の中村さんが楽しんで描いたであろう事が伝わってきます。

本人のインタビューでも「こだわったのは、どこを見ても楽しいところ」と話されてました。
絵を見て楽しくなれるのとてもいいです。

その他の作品も入賞作品はどれも大作ばかり。

特に良かったのは、入江明日香さんの《黒雲妖炎龍図》。

こちらも迫力のある龍と、その龍を操っているような少女(少年?)が迫力ありながらも美しく描かれてます。しかも色んなモチーフが描きこまれていて、読み取るの大変。作品の解説が聞きたい。
屏風の右側は激しい描きこみに対して左側の大胆な余白が伝統的な日本画を喚起します。達筆の署名も素晴らしい。大賞ではないものの、次元が違う印象。
※以下は昨年の展覧会のレビュー

つい先日には築地本願寺でプロジェクションマッピングもされたようで既に人気の有る方なのでしょうね。

ということで現代の若手作家さんたちのパワーに触れて元気もらいました。

で、トーハクの近代日本画が展示替えしていたので、そこだけ見て帰路につきました。

曾山雪彦の《試鵠(しこく)》が、とんでもなくかっこよかったです。旧鹿児島藩弓術指南・東郷重持がモデル。

《試鵠(しこく)》曾山雪彦|明治23年 1890
安定感のあるたちひざで、指南らしく余裕を感じる。
背後の桜と幕の組み合わせも素晴らしい

小林古径も出てました。
うーん、鮮やかで爽やか。古径っぽい。

《芥子》小林古径|大正10年 1921


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