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日本現代美術私感・高橋龍太郎コレクション 東京都現代美術館

『日本現代美術私感・高橋龍太郎コレクション』を見に 東京都現代美術館に行って参りました。

週末の夕方に時間ができたので1630頃に着いて閉館の1800までにざっと見終わるだろうと見越していたのですが、全然無理でした…。

1階を見終わった段階で1730。地下は駆け足。見逃した作品もあるやもしれず…。とはいえ、自分が好きな作品はしっかり見れたかも。

 入口横の壁面

草間彌生から始まって村上隆、奈良美智、会田誠、山口晃から、後半は若手の作家の作品まで、作品規模も小さな作品から、とんでもなくデカい作品まで、個人でこれほど多種多様かつ膨大なコレクション築けるものなんですね。

良かった作品をつらつらと…

《Crash セイラ・マス》 西尾康之

《Crash セイラ・マス》西尾康之│2005

 作品のデカさ伝わるでしょうか?
会場に入った瞬間に圧倒されて、その大きさに思わず笑みが。想像を超えるものを見ると人は感嘆のあまり歓喜の感情が生まれるのでしょうか?笑っちゃうくらいデカい。

そもそもセイラ・マスって皆さんご存知でしょうか?「機動戦士ガンダム」いわゆるファーストガンダムに登場する沈着冷静な連邦軍のメンバー。

そのセイラが持つイメージとは、ある種真逆の作品。とはいえ、とにかく凄い迫力。

正面
鏡から見た腹部
正面アップ
セイラと言われないと分からない表情ですね…

「機動戦士ガンダム」の男性を鼓舞する登場人物をモチーフとした本作には、ヒロイズムに対する批判とともに戦闘に駆り出される者の強迫的な心理状態が投影されている。

キャプションより

いっぽうで同じ部屋に小さな作品も。

《小さな森の映画館》 ヤノベケンジ

《小さな森の映画館》ヤノベケンジ│2004

手作りの小さな小屋の中で腹話術してる映画(?)が上映されてます。
GINZA SIXではデカい猫《BIG CAT BANG》が展示されているヤノベケンジ氏ですが、小さい作品でも独特の可愛らしさ。

そして今回一番良かったのは奈良さんの作品。

《Green Mountain》 奈良美智

《Green Mountain》奈良美智│2003

淡いグリーンで、作品が浮き上がってくるような立体感。森林浴してるような感覚に。奈良さんの作品ではあまり見かけない色使いな感じがします。
もう少し広いスペースで、ベンチに腰掛けてゆっくり見たかったかも。

隣に展示されていた、こちらの作品も似た感覚を持ちました。

《Untitled》 奈良美智

《Untitled》奈良美智|1999

ちょっとキツめの奈良作品より、落ち着く系の作品が高橋さんの好みだったのでしょうか。自分もこっち系が好きです。

《Renovated Galle Table Lamp》 竹村京

地震で壊れたエミール・ガレのランプを布と刺繍で修復した作品。

『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?』@国立西洋美術館では傷ついたモネの《睡蓮》を刺繍したタペストリーを重ね合わせて修復して見せていた竹村京。

『ここは未来の〜』開催時の写真。
写真ではうまく重なってませんが実際はバッチリ重なって修復されてました。

『ここは未来の〜』でも感じたのですが、凄くケアしているというか、抱擁感を感じる作品でした。陶器やガラスと布や刺繍(=糸)の組み合わせがとても新鮮。

《Untitled》 今井俊介

会場の最後のスペースには今井俊介の作品。
昨年、東京オペラシティギャラリーで開催されていた『今井俊介 スカートと風景』でも感じたのですが、パアッと周囲が明るくなる作品。

大学のキャンパスでスカートがはためく美しさから着想を得ているようですが、改めてそのイメージで見ると眩しさを感じます。

『今井俊介 スカートと風景』
@東京オペラシティアートギャラリーより
おっきい布がはためいてました。

ということでもう少し余裕を持って見に行けば良かったと、後ろ髪引かれながら帰りました。
じっくり見るならたぶん3時間は必要かもです。
11月まで開催してるのでどこかで平日に行ってみますかね。


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