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カンノー辞典はノーカンで!

 さて、前回、生みの苦しみについてはかなりスルーしたので、ちょっとその辺りをば。
 ティーンズラブとは、水戸黄門でいうところのおぎんの入浴シーンに当たる(どころの騒ぎじゃなく過激な?)、官能シーンというものが必須らしいので、その執筆に熱を入れねばならないようなのですが……。

「生まれてこの方、書いたことねえ……」

 いや、別に

「や、やめてください。え、エロいことなんて、まったくこれっぽっちもミジンコほども考えたことないっす」

 なんてわけじゃなく、なんだろうなあ、同人活動とかしてる人だったら、多少なりとも二次創作などで挑んだことがあるのかもしれないんですが(同人誌は肌色の面積が広くてナンボという偏見120パーの元カレによる迷言の刷り込み)、とにかく当時私は全く無縁でした。
 っていうか、同人活動然り、趣味でもちょろっと書いてみようとも思わない程、小説書くのがそんなに好きではなかったのも原因なのかもしれませんが。
 しかしながら、同人活動が趣味の範疇かは個人の目的で差があると思うので、単なる趣味と一緒くたにするのは間違いである、ということは記しておきます。
 
 話は戻って……まあ、官能シーンなんてものを書いたことがないので、そうなると当然、あの独特で特殊な語彙力がない。
 とりあえず、迷った挙句官能辞典なるものを購入しましたよ! 
 引っ越しのどさくさで捨てちゃったんで、具体的に何が書いてあったかはうろ覚えですが.……。
 これまた、「笑わせに来てんのか⁉」という不思議ワードが並ぶ代物で、特に旦那とふたり、爆笑の渦に叩き落されたのは『男棒』という単語で、そんな言い回しがあるのか知らず、しかも使ってるのも見たことなくって‼ 

 まあ、アレにはなにかしらの『棒』が付くことがスタンダードらしい、ってことを考えると……
『なにがし棒』→『うまい棒』→『ボボボーボ・ボーボボ』などという進化を辿る妄想に辿り着き、エロスとは全く無縁のギャグワールドに叩き落されるというね……。

 官能シーン書くための辞書じゃねえのかよ⁉ やる気損なわせてどうすんだよ⁉

 まあ、この辞書がどういうコンセプトかは知らんが、笑わせようというのなら仕方ない。
 ならば、実用書より学ぼうと、テキトーに選んだ(この感覚がよくない)官能小説らしきものを手に取ってみると、

 なんか……一子相伝の奥義を掛けて戦う連中に食らったときに出るザコの断末魔っぽい嬌声が炸裂してるし!

 なにエロ小説に『リアルタイムあべしシステム』実装させてんだよ⁉ 血生臭さ1000%じゃねえか!!あーーったたたたたたたたた、とか打てばいい? ねえ? も~、勘弁して~!

 真面目に私にエロスを焚きつける気はあるのか、世の中は? 

 もはや、世の中に逆ギレする勢いで(作者の方々、私の感覚が特殊ですみません)、もう、特に資料を漁ることを諦めてどうにかこうにか……書いたものがさ、エロいかあ? っつ~ハナシで。
 
 当時、書き手が少なかったのか何なのか、担当編集の方に「素晴らしい官能シーンにどきどきしました」とか絶対に1ミクロンほども思ってないような褒め言葉を頂いたんだけど、そんな苦行とばかりにひねり出したようなものを無理に慇懃絶賛されても居心地悪いとしか思えず(心の底から)、のちにその方が鬱病に罹患したらしいことを考えると、かなり気を遣う人だったんだろうなと思いました。
 嘘は精神に支障をきたすんですよ、みなさん。
 
 しかしながら……当時は文字数を埋めることだけに必死で、あまりありがたみが分かりませんでしたが、担当様にはタイトル&紹介文を考えて頂いたり、校正していただいたりしたことは非常に助かったな、と、今思えば……。
 個人でやってると、その辺りがね……ということで。 
Kindleにて出版しております、拙作
女体化魔法使いは弟子に手籠めにされています⁉』シリーズ等、
気にかけていただければ幸いです(無理やり繋げた!)。

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