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「大丈夫」が込められたひとこと

別棟に住む義母のところに顔を出しに行くと、これから7回目のコロナワクチンを打つために、出かける準備をしているところでした。

私は、昨年の10月、4回目の接種が最後だったので、もう6回も接種が済んでいることに少し驚き、思わず義母に、

「もう7回目なの?!」

と口走ってしまいました。

「いかんいかん。」と思い、義母の体調も気になり、副作用について聞いてみると、

「前回も何ともなかったし、もう大丈夫でしょ。」

と笑顔で答えていました。

義母は職場で、85歳のAさんと80歳のBさんと仕事をしています。偶然にもAさんと接種日が同じで、数日前にワクチンについて話をしていると、Aさんは、

「副作用が出たらどうしよう。次の日も仕事だし・・・。」

と不安げに話したそうです。それに対して義母は、

「もし体調が悪かったら休めば良いよ。」

と伝えたそうです。

ちなみにBさんは、

「私は副作用は出たことがない。」

と得意げに話していたそうです。



義母がAさんに伝えたことばが、素敵だな、と思った瞬間でした。

不安がっている人に、「心配しすぎ。」とか「私は大丈夫だった。」と言っても不安の解消にはなりません。

きっとAさんも、年齢そのものが不安要素になるでしょう。副作用が出ることも、そのせいで仕事を休むことになり、周りの皆さんに迷惑をかけることも不安なのかもしれません。日頃、義母の話を聞いていると、Aさんは責任感の強い方だと感じられます。責任感が強い方だからこそ、自分でなんとかしなければ、と思っていらっしゃるのかもしれません。

義母が伝えたことばは、さまざまな意味を含んだ「大丈夫。」が相手に伝わる、と思ったのです。

「起こったことを一緒に考えようね。人に頼っても良いよ。」

というメッセージも含まれていて、温かさと優しさ、そして心強さが伝わってきました。

「病は気から」ということばがありますが、ワクチンに対する不安やストレスにより、身体に及ぼす影響もあると思います。義母がAさんに伝えたことばにより、Aさんのワクチン接種後の体調になんらかの良い変化を及ぼすかもしれません。

私は、義母とAさんが会話した場にはいませんでしたが、Aさんの少し安心した表情が思い浮かびました。義母との会話の中で、私も、相手の方が安心することができ、余分な力が抜けるようなことばをかけいきたい、と思った瞬間でした。


ヘッダーはTOMOさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございます。


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