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一遍上人をたずねて。

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一遍上人の踊り念仏について、調べたことや思ったこと、考えたことなんかを気ままに綴っています。
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一遍上人をたずねて⑧

一遍上人をたずねて⑧

 遊女は、時代によって扱われ方が全く違う。元々は白拍子など、天皇や貴族に仕えた専属の踊り子であり、夜の夜伽もした。鎌倉期には随分と落ちぶれ、遊郭などで体を売るものや乞食(こつじき)のようなものになって全国を旅をしながら歌や踊りといった芸を売って暮らすものもいた。

 ひょっとして、一遍上人は遊女と合流してともに旅をし、彼女たちを躍らせて、自分は賦算を行なっていたのではないか?という妄想に取り憑かれ

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一遍上人をたずねて⑦

一遍上人をたずねて⑦

 一遍上人が再び出家し、家も家族も捨てて遊行に出るのは32歳である。まず向かったのは信濃の善光寺。

 善光寺は歴史が古く、奈良の東大寺よりも古い。御本尊の一光三尊阿弥陀如来は日本最古の仏像と言われていている。一遍上人が生きた鎌倉時代にはすでに善光寺信仰は広まっており、源頼朝や北条一族が厚く信仰し、多くの人が参拝に訪れる寺院でもあった。

 この善光寺が行っていたのがお札配りである。一遍上人は、遊

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