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新日本海フェリーで札幌1人旅2021(後編)

北海道、小樽の朝。

狭いキャビン室を引き払い、大浴場で朝風呂。

朝食は、ビッフェだあ!

白米に、イクラをなみなみと乗せて・・・おっと、いかんいかん。

ホテルビッフェ朝食で食べすぎたら、後に差し支えがあるからね。

オカズは控えめに。野菜を多め。
食後には、コーヒー飲んで、ゆっくりする。

せっかく早起きしたんやから、予定より早めに札幌に行こう。

荷物を持って、札幌行きの高速バスに乗りこむ。
およそ1時間の旅だ。

バス車窓から、過ぎゆく小樽の街や、石狩湾を眺めてると、北海道に来たんやなー、と実感できる。

10時ごろ、札幌駅前に到着。

荷物を駅前のコインロッカーに放り込み、地下鉄を乗り継ぎ、円山公園駅へ。

今回の札幌旅行の目的は、じいちゃんばあちゃんのお墓参り。
山奥の寺に行くバスは、さっき出たばかりのようだ。
次は、1時間後やなあ。

やむを得ん、タクシーでサッと行くか。

薬王寺ってとこまで、お願いします。
「ん?寺?やくおう?どこにあんの、それ」
と、頼りないタクシー運転手に、スマホを見せてここです、ここ、と指し示す。

「はあーいー」
と、わかったんかわかっとらんのか、よくわからん返事を返してくる運転手。

乗車してしばらく、懐かしの円山公園を窓から見てたら、運転手が、
「お客さん、そのお寺は行ったことあんの?」
と、ボソッと聞いてきた。
ええまあ。4、5回は来てますけど。

「ふうん、あ、そーおー」
と、測りかねる返事がまた返ってきた。
大丈夫かな?

「ここ、右いくの?左?」
と、山の中の分かれ道で、運転手が聞いてきた。

前もこの道の選択で間違って、えらいとこ行ってまいそうになったような。

さっき見たバス停名が『宮の森シャンツェ前』だったようなので、左で!

「あいーよー」
と、タクシーは左の道を行く。

スマホを見てると、なにやら様子が変だ。目指すお寺から、どんどん遠ざかっていっとるような・・・デジャヴが!?

ちょ、運転手さーーん!ストーップ!
そして、Uターン!
さっきの分岐に戻って!道、間違えた!

「あいーよー」
と、タクシーは逆戻り。

次は道なりに真っ直ぐに!
とにかく、ずーーっと真っ直ぐ!脇道があっても気にすんな!バス停が目印だ!

ギャーギャーゆうてたら、ようやく山中のお寺『薬王寺』に到着した。

よかった、ホントによかった。
そのままあっち行ってたら、スキージャンプ場に到達するとこでした。

冷や汗をかきながら、『薬王寺』に入って行く。

こんちわーー。

勝手知ったるなんたら、と、正面玄関からズカズカと寺に上がり込む。

どもー、羊好大尉、お墓参りに来ましたー。
あ、お構いなく、全て心得ておりますので、勝手にやりますので。

お墓は、箱入り仏壇なので、ハコを開けて、ふた取って、水入れを洗い場で水洗い。

さっき、札幌駅前で買ってきた、新しい線香とロウソクを入れ替え、何本かに火をつける。

チーン!とりんを鳴らして手を合わせる。

目を閉じて、現状報告とご挨拶。
死者と、無言で会話をするひととき。

・・・ム!いかん、帰りのバスの時刻だ!(1時間に1本)
では、ヒマやったらまた来ます!

よし、かーえろ、かえろ!
と、ケロケロ言いながら慌ただしく仏壇を格納し、ゴミをまとめて捨てて、後片付け。

バイならーー!と、疾風のように去ろうとしたら、寺のお母さんにガッシ!と引き止められた。

あう!あの、バスがですね、来ちゃうから!

「どっから来たの?京都から?ありゃまあ、遠くからわざわざ!感心かんしん。いいから、お茶飲んだらいいべやー」

ご厚意はありがたいのですが、帰りのバスがですね。

「ほれ、参拝台帳に、姓名官職を記載するべ。これ、当寺院の掟なんだべさ」

前来た時は、そんなん無かったけどね!?
わかった、わかりました、書けば良いんでしょ、書けば!

羊好タク大尉、と乱雑に書き殴り、お茶もヤケドしそうになりながら一気飲み。靴をつっかけ、走る!!

バスはーーー!?

モチロン、とっくに行っちゃった。
次は、1時間後・・・。

嗚呼、しかも、ポツポツ雨降ってきた。

山の中では、タクシーもこん。
歩いて帰るにも、クマが出没するというし。

どうしたもんか、と頭を抱えてたら、ピカッ💡と閃いた。

先日、『DiDi』ってタクシー配車アプリで、初乗り無料8月までやってんでー、と上司が教えてくれたのを、思い出したっ!

didiアプリで配車をお願いしてみたら、5分足らずでタクシーがやってきた。
助かったあ。

タクシーで、円山公園駅まで戻り、地下鉄を乗り換え、澄川駅へ。

札幌に来たら必ず寄るラーメン屋の名店『純連』本店へ。
今回は、味噌ラーメンをいただきましょう。

小腹もすいてて、味噌のスープが、体に染みるなあ。
ちぢれ麺も味噌に絡んでうまうま。

ナイスなラーメンランチなのでした。

ラーメン食って、さてどうしよか。

店を出て天を仰ぐと、どんより雲が流れている。

予定では、『藻岩山ロープウェイ』にのって、藻岩山展望台に登ろうとしてたが、もう山の中はいいや。

地下鉄に乗りながら、札幌駅前のお気軽に行ける名所を検索。

お。これや!雪印パーラー本店に行こう。
前から美味しい、行った方が良い、と言われてたが、行けてなかったのだよね。

札幌駅から歩いてすぐ。
雪印パーラーに到着。
店頭のディスプレイの前で、腕組みして悩む。

なあに?このデカいパフェ?
メガホンくらいあるやん。
こんなもん、1人で全部食えるわけない。

私としては、小さめの丸いアイスと、アメリカンコーヒー☕️飲めたら良いのに。
こんな巨大なパフェは、無理むり。

ディスプレイを眺めて探しても、どれもこれもデカパフェばかり。
子供用のミニサイズとか、ないのかね?

不安になりながら、とりあえず入店してみる。

「お1人様で?はあい、お好きなお席にどうぞお」

と、かわいらしい女子店員に言われたので、隅っこの方にコソッと座る。

昼も過ぎてるので、店内は結構ガランとしている。

向こうの席では、女子2人連れがおしゃべりしながら、巨大なパフェを、それぞれがモリモリ食べてる。
スゲー・・・。

メニューを渡されて、じっくり改めて見てみたら、やはり9割はデカサイズパフェ。

・・・お、でもコーヒーと丸アイス🍨セットもある!
このセットくださーい、と言いかけ、グッと思いとどまる。

向こうに座った年配の男性が、メニューも見ず、迷う事なくデカアイスパフェを注文。
さらにトッピング、アイスコーヒーを注文したのが聞こえてきたからだ。

あのデカパフェに、トッピングまで!?しかも、アイスコーヒーですって!?
冷たすぎて、心臓止まりそう。

でも、北海道にきて、たかがパフェ屋で冷たい寒いなど、言語道断。
あの方は、閣下はそれを体現されておられる。

羊好大尉も、道民の端くれ。
閣下に続きます!!
すみません!『スノーロイヤルパフェ』をひとつ、下さい!

でも、コーヒーはホットで・・・。

運ばれてきた『スノーロイヤルパフェ』は、予想通りデカかった。
食うても食うても、全然無くならん。

所詮は、京都育ちのみやこびとである羊好大尉には、雪印パーラーのパフェは、高すぎる剣峰なのか・・・。

向こうの席の女子たちは、相変わらずケラケラ笑いながら、デカパフェをひょいひょい食べ、みるみる減ってる。

私も頑張ろう。ホットコーヒー頼んで良かった。アイスコーヒーやったらヤバかった。

なんとかデカいパフェ、完食!
とても美味しいパフェでした。(ホントだよ)

腹ごなしに、札幌市内をぶらぶらする。

お、北大植物園がある。入ってみよ。

入園料を払って、植物園に入場。
行き届いた手入れをされた芝生が広がり、ライラック並木が続く。

小道をゆっくり歩くと、林が続き、大都市・札幌市内とは思えない。

昼過ぎだとて、人っ子ひとりいない園内を、ゆっくりと散策。静かだ。

ライラック並木から、北ローンと呼ばれるエリアへ。
じっくり探したら、エゾリスとかもいそう。

反対側のエリアは、温室とかあって、いろんな植物が展示してるらしい。

サクサク、と足音をたてながら、木影をふみ、歩いてく。

小1時間も園内を歩き回ってただろうか。

植物園も、明後日からコロナ閉園するらしい。

閉園になる前に入れて良かった!
とてもステキな場所でした。

駅前に戻り、『ホテルルートイン札幌駅前北口』にチェックイン。
大浴場に入ったあと、少し仮眠もして、ゆっくりする。

夜ご飯は、回転寿司『四季彩亭』に行ってみましょう。(はなまるは臨時休業)

サンマの炙り、エンガワワサビの軍艦巻きなどを美味しくいただく。

残念ながら、コロナ営業の影響で、ノンアルコールビールとソフトドリンクしかなかった。

翌日。

フェリーにはじまり、飛行機で帰る旅。

11時ごろ、新千歳空港に到着。

空港内でお土産を物色した後は、空港ランチ。

今日はスープカレーにしましょう!

『スープカレーlavi』で、野菜とやわらかチキンのスープカレーを注文。

骨付チキン、やらかい!スプーンでツンツン触るだけで、ボロボロ肉がほどけていく。

野菜、チキン、と交互に食べる。
スープカレーって独特な食べ物やなー。

昼前で、そんなに腹も減ってないので、こんくらいのアッサリ具合でちょうどいいや。
うまーーい!

食後のアイスコーヒーが、スパイス汗をひかせる。
冷たくて、おいしい!

ランチの後は、新千歳空港内をぶらぶらし、お昼過ぎのフライトで、夕方関空に着陸。
フェリーと違ってあっという間だ。

関西に、帰ってきちゃったな。
気温、あっつ!
さっきまで涼しかった札幌が、ウソみたいだ。

札幌土産でぱんぱんになったカバンを持って、帰宅しましょう。

楽しかった。
また新日本海フェリーで旅してみたい。


【おしまい】

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