見出し画像

瀬戸内島猫フェリー1人旅2021

大小さまざまなフェリーが大好きだ。

太平洋、日本海、瀬戸内海の港や島々を結んでいる、かっこいいフェリーたち。

フェリーに乗りたいときは、瀬戸内海の島に渡ってみたりする。
値段も安いし、時間もかからない。
お手軽フェリーの旅もまた、良き。


9月某日、早朝。
台風一過、天気晴朗な日曜日。

台風が過ぎ去った瀬戸内海は、碧く輝き、美しい。

うどんの精霊が、私にささやく。
こっちにいらっしゃい!
美味しいうどんがありますよ!

そんな感じでうどんの精霊に導かれたので、うどん県へ旅にでることにした。

高松港から近くの島へ、高速フェリーで渡ってみようかな。

島中に地域猫がいるという、香川県『男木島』へ行くことにした。

新幹線に乗って、岡山へ。

ウォークマンで、音楽聴いてボケーっとしてたら、あっという間に岡山駅到着。

お!?向こうのホームには、『ハローキティ』コラボ新幹線が入線してますなー。
今日は、ネコと縁起いいらしい。
幸先ヨシ!きっと、良い日だ!

ホーム立ち食いうどん『ふるいち』で、ぶっかけうどんをいただきます。
新幹線で岡山駅にきたら、いつも食いたくなっちゃう。

ワサビと、大根おろしがさっぱりして、食欲を増進させる。
ごちそうさまでしたー!

岡山駅からは、高松行きの快速マリンライナーに乗りかえる。

瀬戸大橋を渡っていると、車窓全面に、雄大な瀬戸内海の光景が広がる。
台風一過で、絶好の天気だ。
空も瀬戸内海も、青く輝いている。

絶景かなーーー!

いよいよ四国も見えてきて、テンションあがる。
目をキラキラさせて、車窓にへばりつく。

日常から解き放たれ、魂はうどん県にあり。
うどんの精霊が、私の頭の上をクルクル回っている。

楽しすぎて、ハヒハヒ過呼吸気味になって、高松駅に到着。

お昼にゃまだ少し早い11時だが、うどんでランチといきましょう。
12時には、男木島行きのフェリーに乗らなきゃいけないからね。

あまり遠出もできないので、駅前『めりけんや』にて、肉ぶっかけうどん小の冷。

揚げたてコロッケも食べて、バランスの良い食事を心がける。

とぅるとぅるっと。美味しい!
ごっつぁんでした!

高松港から、『男木島・女木島フェリー』に乗る。
40分のフェリー旅。

まず、手前の女木島に寄港し、男木島へ。

予想通り、フェリーから見える瀬戸内海は、きらめく青、碧、アオ。

快晴の空の下、フェリーは行く。

フェリーは、目的地の男木島に到着。
私以外にも、観光客がわらわら下船していく。

帰りの高松港行きのフェリーは、約2時間半分後の15時。

それまで、キラキラ輝く瀬戸内海に浮かぶ島で、あちこちにいるネコちゃんたちの写真を撮りながら、のんびり島内散歩するのだ。
サイコーのシチュエーションでしょ?

乗船待合室と発券所を兼ねた、アートなカタチの観光案内所がある。

男木島は、現代アートを島内のあちこちに現物展示している、芸術の島。

高松、岡山沖の各島は、『瀬戸内国際芸術祭』という催しを通じて、島内で各種アートの屋外展示をしている。

だが、芸術とか宗教偶像とかに、イマイチ感じるところが薄い羊好大尉。

現代アートときけば、クシャミが出るくらいの反応しかしない。(アレルギー反応?)

それより、島の猫ちゃんはどこー?

スマホ片手に、島内お散歩、開始!

案内所によると、島の中腹の高みに祀る『豊玉姫神社』への道筋、路地のそこかしこに島猫がいるそうだ。

島内の狭い急傾斜の登り道を、マイペースでゆっくり歩いてると、階段の日陰で昼寝してる三毛猫がいた。

観光客慣れしてるせいか、スマホを向けてもビクともせず、のびーっと寝ている。
お姿、撮影させてもらいますよ。

それにしても、島の道の、傾斜ぐわ、キッツイで!

汗をかきかき、ヒーヒー言いながら、島の小道や坂を歩く。

猫ちゃんの撮影せんとあかんので、片手にスマホ持ちつつ、えっちらおっちら、歩く。

今日は動きやすい格好で下ジャージ履いてきたから、スマホをズボンポケットに入れられない。

片手でスマホ持ちながら歩くの、結構バランス悪いなあ。

日陰で休憩中の猫。
やはり、こちらがスマホかざしても、動ぜず。

しばらく、見つめ合う、ネコと私。
すいません、お騒がせしてまーす。

スヤスヤお休みちゅうの茶ねこ。
どうか良い夢を。

どのネコも、ひたすら昼寝しとるなー。
ゆるくて、可愛すぎる。(ホッコリ)

豊玉姫神社下の、階段まで登り着く。

ネコを探して、軒先とか地面ばっか見てたが、顔を上げて見渡せば、瀬戸内海の景色が輝いている。

うわあ、どこを見ても美しいなあ。

片目のベテラン独眼猫が、鳥居を守っていた。
任務、ご苦労さまです!

脇道には、日陰に沿って、体を横たえる美猫。

まだまだ、暑いですもんねえ。

この階段上の『豊玉姫神社』にお参りしよかな。
いろんな猫の撮影で、神社参拝のことを忘れかけてた。

狭くて急な階段の参道を、慎重に登っていく。

階段を上っていくと、石段に佇む、守護神のような猫とご対面。

ど、どうも。
羊好大尉です。おじゃまします。

「ニャア」
と、返事をしていただいた。

あ、あざっす!横を失礼しますーー。

階段をのぼりきり、『豊玉姫神社』本殿へ到着。

本殿とはいえ、ごく小さなお社で、石段とかも歪んでたり、グラグラしている。

本殿前で、お賽銭を投げようと、リュックから財布を取り出そうとした瞬間。

石段の上でぐらっ、とバランス崩した。

アッ!?と思って、左足を伸ばして支えようとしたら、足にピキッ!!と激痛が走る。


ッーーー!!
ふくらはぎが、ぎゅん、ってなった!
痛っててて。

痛みで、左足に体重かけられない。
しばらく休んでから、ゆっくり歩いてみたが、痛みは激しくなっている。
島内の坂を上り下りするのは無理そうだ。

とはいえ、フェリー乗り場までは、なんとか歩いてたどり着かなくては。

ネコ撮影どころではなくなり、港方面にびっこ引きながら、ゆっくりと降りて行くことにした。

島内には、各所にカフェとか休憩所があるらしいが、コロナのせいか、ほぼ休店中。

休めるとこは、港前のアートな観光案内所兼フェリー待合室しかない。

いででで。
後1時間は島内をウロウロして、もっとネコ撮影して回りたかったのに。
情けないかぎりだ。

痛む足を引きずりながら、少し止まっては休み、また足を引きずって進み。

痛む足をかばいつつ、強い日差しの下、ようやく港前の、アートな観光案内所にたどり着いた。痛いー、しんどいー!

痛みと疲労で、脂汗をかきながら、ようやくベンチに腰掛ける。

助かった・・・。
左足のふくらはぎにかけて、痛みがひどい。肉離れか、足をつったのか。

案内所のベンチに座って、足の痛みを我慢しながら、身体を休める。

室内はクーラーも効いてるので、ゆっくり休める。

帰りのフェリーが来るまで、ここで座ってよ。

30分経過。

フェリーは来ない。
やることもない。左足は、あいかわらずとても痛い。

ジュースを飲もうにも、自販機ははるか遠い。

さっきまで、瀬戸内島ネコ大好き野郎には、最高のシチュエーションだったのに・・・。

あんなに楽しかったのが、足をケガしてたら、とたんに苦痛な時間に早変わりとは。時間の経つのが、遅い・・・。

・・・船は、フェリーはまだかーー。

14時30分。

あと、30分で高松港行きのフェリーが入港するので、わらわらと観光客が集まって来てる。

みな、島でたっぷり遊んで満足して、楽しそうだ。
私も、2時間前までは、とても楽しかったんだけどなー。左足は、ますます痛い。

15時前。

ようやっと、高松港行きのフェリーが着岸。

フェリー乗り場まで、びっこひきひき歩いて行くが、左足の痛みはさっきよりもひどくなってる。

足を引きずりながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ階段を登って、ようやっと乗船だ。

痛みと疲労でグッタリとなって、船内席によっかかる。
目を開けてるのも、ツラい。

高松港まで40分かかる。
少しでも休んで、気力と体力を回復しておこう・・・。

半分気絶してるうちに、中間地点、女木島を離岸。
高松港は、まだですかあ?
テンションはみるみる下がってるぜ。

高松港に到着。

多少は体力・気力も回復し、びっこ引きながら、ヨロヨロと下船する。

この後、予約してる『ホテルドーミーイン高松』に泊まって、ホテルの大浴場で風呂入って・・・という、いつもの楽しいうどん県ナイトが待ってるが。

どないしよ?こんな足が痛くてどうにかなるのか?

このご時世、足の状況次第で夜に発熱しだしたら、コロナ対策してるホテルに、ご迷惑もかかるだろう。

もう、今日はこのまま、おとなしく家に帰ろう。

泣く泣くホテルをキャンセルし、電車に乗って、帰宅。

湿布をふくらはぎにペタペタ貼り、ベッドに横たわってたら、痛みと疲労とで、即気絶する。

瀬戸内海の景色が、フェリーの航跡が、島の美しい風景が、ネコちゃんたちの愛らしい姿が、走馬燈のように脳裏を駆け巡る。

こ、こんなはずじゃあ、なかったのになあ・・・。
(ちなみにただの肉離れでした)

【おしまい】

この記事が参加している募集

振り返りnote

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?