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キタダ授業記録集

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三重の中学校教員です。これまでの授業実践の中で、自分にとって忘れがたいものをまとめていきます。何年後かに再会したとき、卒業生が授業の内容を覚えてくれているときがありますが、うれし…
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#毎日更新

キタダ授業記録集 3

キタダ授業記録集 3

7年前、前々任校で行った授業です。

あるクラスで、ふいに時間ができたので
よっしゃここは朗読だ、と思い
新潮文庫の『中学生に読んでほしい30冊』から二冊をリストアップ。
「怖い系と恋愛系どっちがいい?」と生徒たちに聞くと、
このクラスでは「怖い系」が多数。
夏目漱石の『夢十夜』のことを
「とくに第三夜が怖い…。うなされるぐらい怖い」
などと紹介しつつ、
「でも今日はそれではなくて」と読んだのが、

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キタダ授業記録集 1

キタダ授業記録集 1

中3の国語の授業から~
俳句の授業記録です。

「こんどはクイズ形式です。 (  )内にどんなことばが入ると思う?」 

  〇(   )のボート親子のボート漕ぎかはし 

 公園のボートです。 季語はなんと「ボート」です。 春の季語なんです。

 さてさて、( )内には2音の言葉、 生徒からは「僕のボート」「オレのボート」「わしのボート」って答えがありました。 「さびしー!」(笑) 公園のボート

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キタダ授業記録集 2

キタダ授業記録集 2

「かなしみをかかえる人のための短歌」の授業。

子どもたちがいつもの授業とはすこしちがう目をしてた、気がした。

最初にこんな話をした・・・、

「文学ってなに? って娘に聞かれたお母さんが」
(まず、これはすごい母子の会話だよ)

「娘にこう答えた、
『文学というのは、ふだんは人に言えないことを書くものなのよ』」

人はみな悲しみの器。という一首もある。岡野弘彦さんのだ。

人はみな悲しみの器。

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