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【散文詩小説】時代遅れの寵児シリーズ

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観察眼も文章力も感性もないのですが、とにかく書いてみようと、散文詩と小説の掛け合わせのような作品をひたすらに書いてます。重ねるごとに上手くなって行けたらいいなと思います♪
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#自分と向き合う

【散文詩小説】時代遅れの寵児②過信

【散文詩小説】時代遅れの寵児②過信

「あなたが一番輝いていたのはいつですか?」

もし、そう聞かれたら、
俺は「いつ」
と、答えるだろうか?

7歳上の姉と、
3歳上の兄に続いて、
工場で働く職人の
末っ子として生まれた。

風呂なしアパートの
狭い部屋で家族五人暮らし。

親子で銭湯に通ひ、
兄弟三人、並んで眠る。

一人の時間なんてない。

姉の会話の中で、
兄のペースに併せて暮らす。

いつも身の丈にあってない。

気がつけば

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【散文詩小説】時代遅れの寵児①理由

【散文詩小説】時代遅れの寵児①理由

もう半世紀を越えた。

立ち止まりを余儀なくされて、6年が過ぎた。

ひと昔前なら、あと10年頑張れば悠々自適な日々が待っているのだろうけど、そんな時代遅れな生き方が通用する時代じゃない。

何故なのか?
何故、踏み外したのか?

かつて「蔑んだ側」に、
今、俺は立ち止まっている。

かつて「そっち側」と読んでいた場所に、俺はいる。

何故、俺は立ち止まってしまったのか?

いや、知っている。

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