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【読書日記】 「看る力 アガワ流介護入門」を読む

気になっていた本をようやく手に取り、一気読みしました。著者の阿川佐和子さんの著書「聞く力」が大変面白かったことと、最近高齢の母と接する時間が増え、「介護」という言葉に反応したことから手に取りました。




第1刷:2018年6月20日
発行元:株式会社 文藝春秋
著者:阿川佐和子 大塚宣夫
内容:介護経験豊富なアガワと高齢者医療の第一人者である大塚医師の二人が語る親&伴侶の正しい介護法、理想的な老後の生活術ー。



アガワ流介護で明るくなれた


阿川さんと大塚先生の対談で介護の話が進むのですが、そのテンポが非常に心地よい本でした。阿川さんの人となりがよくわかるエピソードが多く、大変なことでもサラリとあっけらかんとお話しされていました。

最近、高齢の母と過ごす時間が多くなり、自分なりに「介護一筋は避けよう」「母も私もプライバシーを大事にしよう」などと考えてやってきました。

アガワ流介護は、そのような私の背中を押してくれるものでもありました。
阿川さんが「仕事が忙しくて」と言いながらゴルフに行くこともあるというエピソードは、そこまででなくても、「そうよね。息抜きしたらいいんだよね。楽しいこと考えたらいいんよね」と思わせてくれました。

大塚先生も「六十点主義でいい」「百点めざしちゃうと、間違いなく息切れします」と。

そうなんだ。
高齢の母を見てあげないといけないと思うのではなく、
母と過ごすこと自体を楽しむというスタンスで関わろう

とアガワ流介護から教わり、気分が明るくなりました。


感覚の阿川さん、理由づけの大塚先生・・・・納得!


阿川さんは人前の明るさと行動力で、うまい具合にお父様やお母様と関わっておられます。一言で言うと、良い意味で「感覚的に関わっておられる」。
そんな阿川さんのエピソードを、大塚先生が専門的な見解で、しかも優しい言葉で理由づけをされ、説明をされ、次につながる提案をされています。
感覚の阿川さんと理由づけの大塚先生のバランスがとてもよく、読んでいて非常に納得しましたし、笑いました。

心に残ったこと3つ


  • 「後ろめたさをもつ」→対人関係を良くする

  • 「孤独死で何が悪い」→「あるべき論」に抗う

  • 「不良老人になろう」→我慢するのをやめる

この本は、阿川さんが私を代弁してくれているようなところがいくつもありました。そのため、大塚先生の話が私の心にとてもよく響きました。

一点集中ではなく、気持ちをあちこちに向ける、
母と私の関係は60点でよしとしよう、
これからもちょこちょこ楽しい時間を母とともにしていこう

こんなことを思いました。
元気をくれる、とても良い本に出会えてよかったです。


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