日系メーカーで働く上で覚悟すること

メーカーで働く上で私がもっと早く知りたかったことを書く。
思いついたら適宜更新する。

雰囲気

業界により多少異なるが、一般的に高校のノリに日本人特有の縦割り、村社会を混ぜ合わせた雰囲気。大抵、管理職は自分より目下の挨拶は無視する。一方的に決定事項を伝達するので、海外の支社と非常に仲が悪い。

人材

求められる水準が低下するほど、凶暴な人材が集まる。特に男子が好きそうな業界は、報酬が低く、労働時間は長く、危険な作業を伴い、水準が低い人間が集まるので、社内治安も悪い。

離婚率と独身率が非常に高い。聞くと大抵の場合、男に問題がある。職場の人間を結婚式に呼んでいることが多く、飲み会で本人がトイレに立った時に、話のネタにされる。

仕事

基本的に上司が全て決定し、平社員に決定権はない。就職説明会でよくある「若手の頃から裁量のある仕事」など嘘八百。

言うだけ無駄なので解決案や意見は言わなくてよい。言われたことだけを言われた通りにやるのが、日本企業の仕事。客ではなく、上司を納得させるのが仕事。

上司は基本的に無能なので「俺がこう思ったから、こう動くに違いない。」という考えで動く。いくら指示が現場で矛盾しようがそれを強制してくる。結局、現場で何とか修正して動く形にし持っていくと「ほら、俺の言ったとおりじゃん」となる。

仕事のための仕事、意味のない仕事が多い。2度と人に見られない資料を延々と作るといった、精神を鍛える修行がある。これにより本当に集中すべき仕事に注力できないが、雇用の創出と給料の平均化を実現している。

今の管理職は上司の命令は絶対という教育を受けているので、あまり意見を言うと、「反抗的」と見なされて攻撃されるので注意すること。

覚えさせられる仕事は大抵が会社内の「知っていればできる仕事」であり、会社の外ではなんの役にも立たない。

住居

寮がある場合が多い。寮の中の治安は給料に比例する。大抵の場合、寮は僻地にある。歩いて行ける範囲に自動販売機があれば御の字である。

一度帰宅した後に、携帯電話に電話が掛かってきて出勤するように言われることもある。その時はもう一度身なりを整えて、出勤する。まるで外資のような勤務だが、さすが日系企業、これだけやっても給料は安い。この時の気持ちは何とも言い難い。

心底疲れるので休日に何もする気が起きない。

立地

一言で言うとクソ田舎にある。多くの場合、物理的な見通しが悪く、閉塞感がものすごい。高齢化社会と言われて久しいが、高齢者が道を歩いているかと思いきや、歩いている人すらいない。

基本的に店員の態度は悪い。また田舎の特性上、飲食店に一人で行くと客からも店員からもじろじろと見られる。

教育

終わっている。マニュアルなどの体系化された項目は絶対に無い。何をしているのかすら説明せず、いきなり単独で仕事をやらせ、失敗していれば呆れて怒鳴りつける。何一つ身に付かない。ここだけは外資と一緒。

「替わりはいくらでもいる」という意識がこの2023年になっても定着しているため、教えないとできない人材は辞めて貰って結構という認識。

報酬

残業ありきの給与体系。意味もなく残る人が多い。基本給は低い。結局、評価ではなく役職と残業時間。全く残業しないと驚くような手取りになる。

外資と仕事があまり変わらないのに、単純に手取りが外資の半分だったりする。大抵ここで後悔する。

社内治安

水準の低い職場もある。飲酒運転や暴力沙汰などの刑事事件級の事案が半年に1回程度出る。多くの場合、社内掲示板か食堂前の掲示板に処分が掲示される。

多くの場合、当の本人は顔の皮が厚いので、何事もなかったかのように出勤してくる。本人は申し訳なさそうに当分ふるまうが、実はまったく気にしていない。

休暇

この日は休暇を取ってはいけない、という日が決まっている事が多い。

よくあるのは、「連休に繋げてはいけない」「年末年始に繋げてはいけない」というもの。正直困る。でも誰が言い出したわけでもなく、何故かそう決まっている。実際休暇を取ろうとすると、そこで初めて文句を言われる。

管理職は水曜日に取ったりする。上司による、上司の上司に対する忖度である。大抵の場合、保持できる有給休暇の日数が上限に達している。メーカーに就職したら、海外旅行や遠方への旅行は無理だと思った方がいい。

先に「大抵の場合、僻地にある。」と書いたが、休暇の取れなさと僻地に住んでいることが組み合わさると、僻地から出られないという地獄が発生する。

評価

上司と仲良くできたかどうかが60%、仕事が10%、部署でよく評価できる人数が限られていると言う理由の30%で評価される。

セクハラ・パワハラ

隠ぺいする。問題を解決できない場合は、被害者を排除することで問題解決を図る。加害者が複数いる場合は、被害者1人に恨まれても加害者全員から感謝されるので、職場という村社会からは歓迎される。この場合、被害者の言っていることは妄言という扱いになる。

水準の低い会社になると、試用期間中の新人社員がセクハラを訴えたりする。多くの場合、新人社員が負け、そのまま退職する。

ワークライフバランス

終わっている。転職サイトを見ると、大抵「有給は取りやすいと思います」などと戯言が書いてある。

日本の製品は何故、高品質で大量に生産できるのか。
それは社員の健康と社員が本来持つべき、家族や自分のために使う時間を、安く買い叩いているからである。

出会う学生には、裁量があり、高い給料が貰え、スキルが身につき、転職市場で重宝される、外資で働くことをお勧めしている。

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