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対話から生まれる”私がやりたいこと”を形にしていく伴走者でありたい―。できること会議 2年目の現在地

企画づくりを体系的に学んで実践する4ヶ月間の学生向けプログラム「I-MAGE」の特別企画「企画で、描いた未来は創れる」

この連載は、企画を通して、描いている未来を実現しようと活動している学生にお話を伺います。描いている未来を目指し始めたきっかけや、目指す未来に近づいたと感じた自身が手掛ける企画について深ぼっていきます。

第2回目は、学生団体 できること会議の共同代表を務める鈴木沙和さんと西山明紀子さんです。おふたりは、今年4月より共同代表として活動されています。そんなできること会議が描いている未来。それは、

「思いをカタチにする人を増やし、世界の明日を変える」

おふたりは、なぜできること会議に関わろうと決めたのか。また、実際に実施している企画のお話を伺っていきます。

今回は、I-MAGE16 OBで、現在は企画づくりやコミュニティ運営などを行っている島袋がインタビュアーとして、できること会議を紐解いていきます。

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西山 明紀子さん(写真左)
1998年東京生まれ。2020年のコロナ禍にできること会議のイベントに参加し、7月より参画。思いを行動に移す人の支援を行う「できることプロジェクト」の考案に携わり、2021年4月より共同代表に就任。

鈴木沙和さん(写真右)
1999年東京生まれ。2020年春コロナ禍で留学から帰国後できること会議のイベントに参加し、7月からメンバーとして参画。主にInstagramの投稿デザインを担当し、2021年4月から共同代表に就任。

何かしたいけど、行動に移せていない学生を繋ぐ

島袋)できること会議が活動を始めたきっかけについて教えてください。

西山)できること会議は、2020年4月に立ち上がった団体です。きっかけは、コロナウイルスの感染拡大でした。
もともと、できること会議の初代共同代表になる二人が、何か課外活動をしたいと話をしていたんです。しかし、移動の自由が制限され活動が難しくなったんですよね。どうしようかと悩んでいる中で「何かしたいけど、できない」というもどかしさは、多くの学生が抱いているということに気づきました。そこで、同じ想いを持つ学生同士を集めて、オンラインで話し合う場をつくることにしたんです。そうすることで、できることが見つかり、行動に移すことができるのではないかと考えたんです。

想いに共感し、参加者から運営メンバーへ

島袋)昨年4月に立ち上がったというできること会議ですが、お二人はどのような経緯でこの団体知ったんですか。

西山)私は、もともと大学で社会問題を研究するゼミに所属しています。ゼミのメンバーは主体的で、すごく有意義な議論をすることができるんです。しかし、世の中はそういった人ばかりではありません。社会問題について知らない人や、ニュースでそういった話題に触れるだけで、あまり関心がない受動的な人もいます。そういった多様な視点から意見を聞きたいなと思っていました。そんなときに、大学の先輩からできること会議主催のイベントを紹介されて知りました。

島袋)社会問題に対して関心の高い人だけで議論を深めるのでなく、その問題を世間がどう捉えているのかを俯瞰的に見る視点も重要ですね。最初に参加したイベントは、どういったテーマを扱っていたんですか。

西山)私が参加した回は、Black Lives Matterという、アメリカで始まった人種差別抗議運動について意見交換する回でした。日本各地に住んでいる学生やアメリカ在住の当事者の意見を聞くことができたので、とても刺激的でしたね。

島袋)アメリカ在住の意見をリアルタイムで聞けるというのは、オンラインで活動する団体ならではの魅力のひとつといえますね。そこから、どうして運営に関わろうと思ったのですか。

西山)できること会議が創ろうとしている場にとても魅力を感じたからです。私自身、多様な人と意見交換できる場に参加することが初めての経験でした。同時に、とても魅力を感じたんです。コロナ禍で何かしたいけどできていなかった自分にとって、こうした価値を創る側に回ることは、自分の可能性を広げる選択になると感じました。

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島袋)鈴木さんはどのような経緯でこの団体を知ったのでしょうか。

鈴木)私はもともとフランス留学をしていました。しかし、2020年3月にコロナの影響で、早めに帰国せざるを得なくなってしまったんです。そのため、留学予定だった残り3ヶ月間のやることが無くなり、思い悩んでいました。そんなとき、当時共同代表をしていた私の友人にできること会議のイベントを紹介してもらい、はじめて知りました。

島袋)ご友人が団体の立ち上げに関わっていたんですね。実際に参加してみて、いかがでしたか。

鈴木)今まで、同世代の学生の意見を聞く機会があまりなかったので新鮮でした。また、私が抱えていたモヤモヤした気持ちを聞いてもらったり、それに対する意見やアイデアをもらったりしたことで、スッキリとした気分になったんです。このイベントを通じて、こういった自分の想いや考えを共有することはすごく大切だと思いました。

島袋)友人や大学の友達に対して話しづらいことでも、こういった初対面の場だからこそ話せることもありますよね。そして鈴木さんは、その後イベントの1参加者としてではなく、企画運営する側に回る選択をします。そう選択したのは、なぜでしょうか。

鈴木)もともと、社会問題に対する日本の取組みや若者の政治に対する無関心さに対して問題意識を強く持っていました。なぜ、こうした課題が解決されないのかと考えたときに、意見はあっても言える環境がないからではないかと感じました。
言える環境を作ることで対話から新たなアイデアが生まれていくと思うんです。私は、そのアイデアを引き出す存在になりたいと思い、運営メンバーとしての参加を決めました。

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思いをカタチにする同世代の伴走者でありたい

島袋)現在は共同代表として、団体を引っ張っていく存在のおふたりですが、代表になってから、できること会議が描く「思いをカタチにする人を増やし、世界の明日を変える」に近づいたなと感じた企画はありますか。

西山)参加者同士で対話をするという枠組みの「できること会議」から、さらに1歩踏み出すプロジェクトとして始動した「できることプロジェクト」ですね。この企画は、話し合うだけではなく、実際に行動に起こすという部分に重きをおいた1ヶ月間のプログラムとなっています。

島袋)参加者同士の対話から生まれたやりたいことを支援する、という取り組みをされているんですね。

西山)できること会議というイベントを開催するごとに対話が生まれている実感はありました。しかし、そこから実際の行動に結びつけることは非常に難しいなと感じていたんです。そこで、何か行動に起こすことを前提としたプログラムを組めないかということで始まりました。

できることプロジェクトは、社会問題に対しての問題意識はあるものの、何ができるのか分からない方に参加いただいています。運営側と「どういった課題を解決したいのか」「課題解決のためにできることは何か」といった対話を繰り返しながら、最終的にはプロジェクトの自走をしてもらうことがゴールです。なので、「思いをカタチにするにする人を増やす」という点からも、最も描いている未来に近づいている企画だと感じています。

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島袋)その場の会話でアイデアが出ても、そこから実際に踏み出せない人もいると思います。そんな中で、やりたいことの自走を支援してもらえる機会を提供していると、参加者側も「やりたいことを形にするんだ」という前提で参加してくれる人も増えてきそうですね。
これまで何度か開催されているかなと思うのですが、実際にやりたいことを形にした方は、生まれましたか。

西山)これまで2回開催し、4つのプロジェクトが立ち上がりました。いずれも、ジェンダーや環境などに対して、なんとなく興味があるという方がほとんどでした。そこから対話を続けていく中で大きなビジョンが生まれ、活動を始めている団体もいます。
中には、私たちと肩を並べるほど成長した団体もあるんです。私たちが思いをカタチにする伴走したことで団体が成長し、さらに「私もやりたい」とその団体の仲間として加わっていくという連鎖が起きているなと感じます。

やりたいことがみつかるきっかけを届ける

島袋)できること会議として、今後実現したいことや力を入れていきたいことはありますか。

鈴木)これまでは高校生や大学生をターゲットにした活動を行ってきました。そこから発展し、この夏は小学校高学年から中学生をターゲットにした夏休み企画を進めています。小学生向けの企画では、SDGsをテーマにした学びを提供し、そこから学んだことを新聞に残し、自由研究として発表する企画を実施予定です。アプローチする年代を広げていくことで、より多くの若者に対し、自分のやりたいことや考えていきたいテーマが見つかるきっかけを届けていきたいですね。

2代目代表として活動を続けていくお二人。より多くの人のやりたいことが形となり、実現していく未来が楽しみです!今後の発展を応援しています!

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取材・執筆・撮影:島袋 響(I-MAGE16 OB)
校正:福原 健汰 (I-MAGE17 OB)
Special Thanks:中村 友瞳(I-MAGE15 OB)

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