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「メタ認知の全体像」


メタ認知の重要性

私は、「継続的な学習や思考による行動変容を伴った自己変革力」を成長力と言って、最も大事なことだと断言しています。
しかしながら、メタ認知なしには成長力は獲得できません。そして、そのメタ認知がなかなか難しいことのようです。心理学的には、認知的不協和、すごく簡単に言うと心の中の違和感てことになるのですが、「自己を正当化したい心理」「間違いを認めたくない心理」「弱さを認めたくない心理」「弱者のままでいたい心理」が邪魔をするからだとは思いますが、今回、メタ認知の全体像を明らかにしてみよう思います。

そして、ギバー同士で関係を深めて価値を分かち合い、常に学習し成長しているからこそのご機嫌ぐらしにはメタ認知が必須と言っても過言ではありません。

しかし、いくらメタ認知が必須と説いても、よく言われる、単に自分を客観的に見るという言葉だけで語れるものではないと理解されることが少なく、また、実際にはなかなか難しいものだと思います。決して先天的なものではありませんが、記憶重視・手法重視の日本の学校教育では事実上無視されている思考力発達を意識した訓練が必要だからです。

メタ認知の獲得プロセス例

そこで、少しでも多くの人にメタ認知を獲得してもらうべく、獲得プロセスを分解して、数回にわたって記事にして紹介してみました。

自分を背中を見る。

これは自分自身の認識・思考・感情・行動を自分の背中から透かしてみてみようというものです。

自分を振り返る。

これは、みてみた結果を振り返って、自分に向き合ってみようというものです。かなり自分に厳しく問うてみてください。どうでもいいメンツやプライド、自己正当化の怖さを知っていただければと思います。

自分について考えてみる。

これは、振り返ったみた結果について、考えてみるということです。多くの場合、びっくりするほど愚かな自分にガッカリするでしょう。

自分の体について考えてみる。

そして、メタ認知は心のことだけではなく、身体のことも対象です。何をおいても健康な体あってのことであることは、ある程度の年齢を重ねた方にとっては異論はないと思います。しかし一方でわかっているけど生活習慣を変えない、わずかな異変に気付いていも何も対処しないという人が多いことも事実でしょう。

自分の弱さを知り自立する。

そして、自分自身の心身について深く考えていくと、人間が故の以下3つの壁(壁と言うより天井の方が適切な表現かも知れません)が立ちはだかっていることに辿り着くと思います。そしてその壁を越えて(天井を取り除いて)、真の心理的自立(自己の解放)を実現してください。

  • 卑しさの壁

  • 不安不満恐怖欲望の壁

  • 縦と横の弱みの壁(大人への壁)

自己認識の壁を越える。

あとは、成長力を獲得して、ご機嫌暮らしを確固たるものにしてくださいと結びたいところですが、そのポイントが更なる壁(外周の壁)である、自己認識の壁を認識し、壁を越えることです。

自分を客観視してセルフコントロールするメタ認知は、人が人としてあるために当たり前の事ですが、同時に客観視自体が客観でないという自己認識の壁の存在をしっかり理解する必要があります。

私たちは学校教育や家庭内での躾や会社での業務や研修などで、ある程度強制的に集団共通で知識を与えられますが、歩留まりは限定的で、印象に残った事や覚えておきたいことしか残りませんし、基本的には自分の周りの事象事物の極々一部のみを認識しているに過ぎず、知識として蓄積されるのはさらに極々一部のみです。しかも認識したい事だけを認識しますから、極めて偏っていると自覚した方がいいわけです。

メタ認知の体系

メタ認知の基本要素+1

メタ認知は、「自己認識」「自己監視」「自己調整」という三つの基本要素で構成されます。

  1. 「自己認識」
    自己の認識をできるだけ正確に理解する。

  2. 「自己監視」
    自己の思考や感情、行動を監視する。

  3. 「自己調整」
    自己認識に対する自己監視結果との乖離を最小化し、自己認識の正確性を高めるとともに、ありたい姿に対して相応しくない認識や思考ならびに感情や行動を修正する。

そして、メタ認知の段階を上げていく上で重要なのが、「社会的メタ認知」、つまり他者の理解と自己と他者との相互作用への認識です。

自己認識(Recognition)

  1. 目標と戦略(Goals and Strategies)
    自分自身が設定した目標と、達成するための戦略についての理解。
    (含む:長期的なビジョンから日常の小さなタスクまで)

  2. 志向(Orientation)
    価値観やモチベーション、そしてそれらがどのように自信の行動選択や目標設定への影響についての理解。

  3. 思考特性(Cognitive Characteristics)
    情報を処理する方法や、問題解決、批判的思考に関連する自身の特性についての理解。

  4. 判断特性(Judgement Characteristics)
    情報に基づいた意思決定プロセスや、その際のバイアスや誤認識の傾向にについての理解。

  5. 行動特性(Behavioral Characteristics)
    目標に向かって行動を起こす際のパターン(傾向)や習慣についての理解。

  6. 感情的認識(Emotional Awareness)
    自身の感情とそれが思考や行動に与える影響の認識と理解。

  7. 環境認識(Environmental Awareness)
    周囲の環境や文化、社会的な事柄への理解、およびそれらが、自己の認識や行動にどのように作用しているかについての理解。

  8. 資源認識(Resource Awareness)
    自身が利用可能な物理的、心理的、社会的な資源の認識と、それらを如何に有効活用できるのかについての理解。

自己監視(Monitoring)

  1. 各種認識とのギャップの識別(Identification of discrepancies between self-cognition and actual)
    自己の目標、能力、行動と、実際の成果や反応との間の差異を識別すること。

  2. 感情の監視(Monitoring Emotion)
    自己の感情状態とそれが環境やタスク実行に与える影響。

  3. 環境および資源の利用状況の監視(Monitoring usage of environment and the resource)
    環境の変化や資源の利用状況にを注視すること。

  4. 社会的相互作用の監視(Observing Social Interactions.)
    他者との関係や相互作用における自己の役割や影響、他者が提供する価値の受け取り方の観察。

自己調整(Adjustment)

  1. 戦略の評価と調整(Evaluation and Adjustment of Strategies)
    目標達成のための戦略の有効性を評価し、必要に応じて調整すること。

  2. 自己認識の調整(Adjustment of Self-Recognition)
    自己評価や自己理解へのギャップを現実に適合させるべく調整すること。

  3. 感情の管理と調整(Managing and Adjusting Emotions)
    感情が目標達成の妨げにならないように管理し、適切に調整すること。

  4. 環境および資源の最適化(Adjusting Use of Environment and Resources.)
    環境や利用可能な資源を最大限に活用するために調整すること。

  5. 社会的相互作用の調整(Adjusting Socicial Interactions)
    他者との関係や相互作用を円滑にし、他者や自信の目標達成に寄与するよう必要に応じて自身の役割を調整すること。

社会的メタ認知(Social Metacognition)

  1. 他者の思考や信念の理解と類型化(ペルソナ化)(Understanding others' thoughts and beliefs)
    他者の視点、思考、信念を理解すること。さらにそれらを類型化(ペルソナ化)し、他者理解の網羅性を高めること。

  2. 社会的相互作用における自己の役割の認識(Recognition of one's role in social interactions)
    自己が周囲との関わりを含めて社会においてどのように作用しているかを理解すること。

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