髙山 史徳/Fuminori Takayama

フリーランス(執筆者、研究者、S&Cコーチ、パーソナルトレーナー) 博士(体育科学)、…

髙山 史徳/Fuminori Takayama

フリーランス(執筆者、研究者、S&Cコーチ、パーソナルトレーナー) 博士(体育科学)、CSCS、行政書士試験合格 マラソン自己記録2時間46分 https://hrv-for-athletes.com/

マガジン

  • 時が経っても価値が残る執筆物

    ランニングの専門家として、noteで執筆した有料記事の中で、時が経っても価値が変わらないと思っているものをピックアップしています。

  • 異なるアプローチ、結局は同じ結末説

    筋トレの世界は、数多くのアプローチが存在しますが、最終的には同じような結果が得られる。 それが「異なるアプローチ、結局は同じ結末説」です。 このシリーズでは、最低限の科学性を保ちながら、時には若干飛躍的な主張も交えつつ、読者がトレーニングを続ける意欲を高めるためのエビデンスを提供します。 目指す世界観は、水戸黄門のような安心感。 筋トレ愛好家や初心者の方々にとって、本シリーズが新たな視点を提供し、トレーニングをより楽しく効果的にする手助けとなれば幸いです。

  • 執筆物のハイライト

    note以外で自らが執筆した論文、電子書籍、レポートなどの紹介・ハイライト記事です。

最近の記事

  • 固定された記事

持久系トレーニングの強度配分を分析するハウトゥーとエッセンス

はじめに 持久系トレーニングの強度配分は、持久系スポーツの愛好家やアスリート、その指導者にとって関心の高いテーマです。 本記事では、 ・研究者としての研究 ・科学者としての考察 ・ストレングス&コンディショニングコーチとしてのサポート ・持久系スポーツの愛好家としての実践 を通して得た私ならではの視点をもとに、書き記したものです。 ポラライズド型が良いのか?ピラミッド型が良いのか?といった表面的な情報ではなく、強度配分のエッセンス(本質)を知りたい方に読んでいただきたい内

¥1,250
    • ランニングに関する有料のオンラインセミナーを何度も開催してみて

      2年前から細々とオンラインセミナーを自主開催してきました。 数えて見ると、これまでに合計21回のオンラインセミナーを開き(雑談形式のものや自主開催以外のものを除く)、500人近い人がお金を払って話を聞きに来てくださっています。 開催したセミナーの一覧 具体的に開催したセミナーは次のとおりです。 1回目(22/9/4) マラソンのパフォーマンス決定要因とそのトレーニング 2回目(22/9/19) ストレングストレーニングの理論と実践知 3回目(22/10/3) 個人差を減ら

      • 厚底シューズによるランニングエコノミーの向上と利益相反~サイエンスとビジネスの影~

        はじめに 2017年に一般販売が開始された厚底カーボンシューズ。 ここ数年のマラソンをはじめとする陸上競技ロード種目のタイム短縮の主役です。 当初はナイキ社の商品が主でしたが、カーボン以外の素材を使用した類似シューズを含め、今では多くのメーカーの多様なシューズが市場に流通しています。 ナイキ社の厚底カーボンシューズの「4%」という名称が、ランニングエコノミーが4%向上するという科学(サイエンス)的なエビデンスから来ていることから示唆されるとおり、こういったシューズは研究界で

        ¥100
        • 5000mを速く走るにはインターバルよりも筋トレが良い?

          ※本記事は筆者がECOフォームオンラインサロンで定期的に連載しているコラムからの転載です(一部変更している場合があります)。

          ¥200
        • 固定された記事

        持久系トレーニングの強度配分を分析するハウトゥーとエッセンス

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        • 時が経っても価値が残る執筆物
          5本
        • 異なるアプローチ、結局は同じ結末説
          12本
        • 執筆物のハイライト
          9本

        記事

          ダブルスレショルドvsシングルスレショルド

          ここ数年、ゾーン2のセッションを1日に2回行う「ダブルスレショルド」トレーニングが、欧州の持久系スポーツ界で流行しています。 今回は、最近発表された研究をもとに、外的負荷を揃えた上で、シングルスレショルドとダブルスレショルドの生理学的負荷、各セッション後の心拍数の回復状況などを比べた論文を見ていきます。 ※内的負荷や外的負荷、トレーニングの強度(ゾーン)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 対象者は14名の持久系アスリート(18-35歳、週5回以上のトレーニング

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          朝倉未来選手に魅せられて:MMAファイターのダメージに関する考察

          昨日、総合格闘技(Mixed Martial Arts: MMA)の団体、RIZINのメガイベント、超RIZIN3にて、朝倉未来選手が平本蓮選手にTKOで敗れました。 総合格闘技を日本国内で再び盛り上げ、かつてのPRIDE時代の熱狂を取り戻した立役者の敗戦は、関係者やファンに大きな衝撃を与えています。 ファンからも指摘される通り、ここ最近の朝倉未来選手は打たれ弱くなり、かつての自分のファイトスタイルを活かせる戦いができなくなってしまったように映ります。 今回は、MMAファイ

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          夏をサボった者が冬マラソンを制す

          「夏を制した者が冬を制す」 「夏を制した者が受験を制す」 これらのフレーズは、スポーツ界や受験界でよく耳にする言葉です。 夏の間にしっかりと準備をしておくことが、冬に良い結果をもたらすという意味で使われます。 しかし、研究者たるもの、通説や俗説に対して思考停止せず、常に疑問を持ち、ときには反逆したいものです。 その一例として、私は冬マラソンでハイパフォーマンスを発揮するためには、夏をサボることも大切だと考えています。 下記の図は、私自身の昨シーズンの5月~1月末の月間走行

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          ツール・ド・フランス期間中の睡眠時の心拍数(HR)、心拍変動(HRV)

          以前の記事に続き、今回もツール・ド・フランス(毎年7月に約3週間をかけて行われる世界最大規模の自転車競技大会)に出場した持久系アスリートに関する論文を見ていきます。 今回の研究では、ツール・ド・フランスに出場した8名(1つのチームから構成)に対して、WHOOP4.0という睡眠データや睡眠時の心拍数、心拍変動(Heart Rate Variability: HRV)などが計測できるウェアラブルデバイスを着用させています。 なお、論文では、女性サイクリストが出場できるツール・ド

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          知る幸せと知る不幸:正しい知識を持っていても、正しく使えるとは限らない

          何事も知ることがプラスに働くとは限りません。知る幸せと知る不幸があると思っています。 過去には、ウェアラブルデバイスで計測できるデータを題材に、そういった旨を述べたコラムも書きました。 最近、スポーツ栄養学の分野から、Low Energy Availability(エネルギー不足)と栄養知識との関連に着目し、知識を持つことの弊害を示唆した論文が出ているので、見ていきたいと思います。 Burger, S., Bray, A., & Kim, B. (2024). The r

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          スポーツ界での「エビデンス」の存在:格闘技界の水抜きを事例に

          最近、総合格闘技やプロボクシングの界隈で、計量時の体重超過関連のトラブルが多発している。 具体的なデータ(年間の発生回数や比率など)を見たわけではないので、確かなことは言えないが、そういったニュースを目にする機会が増えたように感じる。 例えば、国内で最も大きな総合格闘技団体のRIZINでは、今年開催された4大会のうち2大会で計量失敗が起きている。 また、それ以外の国内主要団体(DEEP、修斗、パンクラス)でも、今年に入ってから計量失敗が相次いで発生している。 今年に入って開催

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          全持久系スポーツの関係者に向けた『オーバーリーチングなんていらない』

          はじめに(記事の内容紹介) オーバーリーチングはオーバートレーニングになる前段階のことで、具体的には、次の2種類があります。 ・機能的オーバーリーチング  パフォーマンスが一時的に低下するものの、その後数週間以内に超補償(超回復)が起こる ・非機能的オーバーリーチング  パフォーマンスが一時的に低下した後もしばらくの間、超補償が起きない状態 このうち、機能的オーバーリーチングについては、「機能的」という言葉がポジティブな印象を与えることや、おそらくは実験研究の数が少ない状

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          ¥900

          『異なるアプローチ、結局は同じ結末説』⑫スクワットとベンチプレスを交互にやって良いのか?

          筋トレの世界は、数多くのアプローチが存在しますが、最終的には同じような結果が得られる。 それが「異なるアプローチ、結局は同じ結末説」です。 このシリーズでは、最低限の科学性を保ちながら、時には若干飛躍的な主張も交えつつ、読者がトレーニングを続ける意欲を高めるためのエビデンスを提供します。 筋トレ愛好家や初心者の方々にとって、本シリーズが新たな視点を提供し、トレーニングをより楽しく効果的にする手助けとなれば幸いです。 過去のシリーズ 12回目となる今回読み解く論文はこちら

          『異なるアプローチ、結局は同じ結末説』⑫スクワットとベンチプレスを交互にやって良いのか?

          怪我なく走り続けるために自分に甘くなろう

          走る目的は人それぞれ。 それでも、全ランナーが避けたいと思っているのが怪我です。 ランニング関連の怪我は学術的には、Running-Related Injury(RRI)と呼ばれています。 最近発表された研究では、ランナーが怪我を避けるための意外な視点を教えてくれています。 この研究では、一般ランナー143名を分析対象として、RRIに関係する要因を多角的に調査しています。 具体的な調査方法として、はじめにオンラインアンケートを通して、基本的な特性(性別、年齢、身長、体重)、

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          マラソン大会に参加することの短期的なリスクと中期的なベネフィット

          ※本記事は筆者がECOフォームオンラインサロンで定期的に連載しているコラムからの転載です(一部変更している場合があります)。

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          ツール・ド・フランス出場者の心拍変動(HRV)

          世間的には、私は自律神経系から見た体調を表す心拍変動(HRV: Heart Rate Variability)を用いたアスリートのコンディショニングに関する専門家として認識されています。 実際、過去にはこのテーマに関するセミナーを開催したり、依頼を受けて雑誌や書籍に寄稿したり、さらには電子書籍を執筆したこともあります。 特に電子書籍については、当時までに発表された学術論文を徹底的に読み込んだ上で包括的に記述した内容な上、後半には影響力のある方との対談記事を掲載したこともあり、

          ツール・ド・フランス出場者の心拍変動(HRV)

          新型コロナウイルスの流行から考えるランニング障害を避けるコツ

          ※本記事は筆者がECOフォームオンラインサロンで定期的に連載しているコラムからの転載です(一部変更している場合があります)。

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