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夏をサボった者が冬マラソンを制す

「夏を制した者が冬を制す」
「夏を制した者が受験を制す」

これらのフレーズは、スポーツ界や受験界でよく耳にする言葉です。
夏の間にしっかりと準備をしておくことが、冬に良い結果をもたらすという意味で使われます。
しかし、研究者たるもの、通説や俗説に対して思考停止せず、常に疑問を持ち、ときには反逆したいものです。

その一例として、私は冬マラソンでハイパフォーマンスを発揮するためには、夏をサボることも大切だと考えています。
下記の図は、私自身の昨シーズンの5月~1月末の月間走行距離の変化です。

月間走行距離


昨シーズン、私は2月上旬に開催された別府大分毎日マラソンで自己ベストを大幅に更新することができました(2時間56分→2時間46分)。
この結果を見ると、7月と8月の月間走行距離が200km未満であり、他の月に比べて明確に少ないことが分かります。
ちなみに、だからといって強度重視のトレーニングをしていたわけではなく、基本的にはゆっくりと短時間のジョギングをしている感じです。
また、強度を落とした上で長時間走ることもしません。
その理由は、暑い中走るのが好きではないことと、ゆっくり走っても暑い中では疲れてしまい、仕事や他の活動に支障が生じてしまうからです。
このように、夏サボっても、12月頃からの2カ月間頑張ればハイパフォーマンスを発揮できます。
いわば、「冬を制した者が冬を制する」というわけです。

注意点として、あくまでも「夏をサボった者が冬を制す」であり、「夏をサボった者が秋を制す」とは思っていません。
11月頃に開催される秋マラソンでハイパフォーマンスを発揮するには、夏の間もそれなりにトレーニングを積むことが重要でしょう。

もちろん、走ることが好きな人や、年間を通して高いパフォーマンスを維持したい人は、冬マラソンのために夏を制すことを試みても良いと思います。
しかし、長期間にわたって頑張り続けると怪我などのトラブルが起きやすく、結果的に一番大切な時期のトレーニング負荷が確保できないことがあります。
そうしたリスクを避けるためにも、「夏をサボった者が冬を制す」というアプローチは、一定の効果を持つと信じています。

今年は、昨年以上に夏をサボっていますが、仮に冬マラソンで自己記録を更新しにいく場合でも、何も不安がないと思える今日この頃です。

執筆家としての活動費に使わせていただきます。