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全持久系スポーツの関係者に向けた『オーバーリーチングなんていらない』

はじめに(記事の内容紹介)


オーバーリーチングはオーバートレーニングになる前段階のことで、具体的には、次の2種類があります。

・機能的オーバーリーチング
 パフォーマンスが一時的に低下するものの、その後数週間以内に超補償(超回復)が起こる
・非機能的オーバーリーチング
 パフォーマンスが一時的に低下した後もしばらくの間、超補償が起きない状態

このうち、機能的オーバーリーチングについては、「機能的」という言葉がポジティブな印象を与えることや、おそらくは実験研究の数が少ない状態で概念が先行して世に出てしまったために、トレーニング効果を獲得するために必要な過程、または悪くない状態と捉えている人もいます。
ただ、実際にはこれは正しくありません。
持久系アスリートや持久系スポーツ愛好家は、機能的オーバーリーチングであっても、ならないに越したことはありません。

本記事では、持久系スポーツのアスリートや愛好家、そして指導者等を想定読者として、『オーバーリーチングなんていらない』ことを、学術論文をもとに徹底的に説明します。


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