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【基本編】認知行動療法(CBT)とは?



〈目次〉

1.認知行動療法とは?
2.4つの側面に注目
3.「認知」と「行動」にアプローチ
4. 具体的にはどんなことをしていくのか?

1.認知行動療法とは?
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりする心理療法のことである。

もともとはアメリカのAaron T Beckという人が、うつ病に対する精神療法として開発したものであるが、うつ病以外にも、不安症や強迫症など多岐にわたる疾患に治療効果と再発予防効果があると言われている。

また、現在では、精神科の治療としてだけではなく、法律、教育、ビジネス、スポーツなど、あらゆる領域で認知行動療法の考え方が取り入れられている。


2.4つの側面に注目

認知行動療法では、ストレスを感じた具体的な出来事を取り上げて、その出来事が起きた時に「頭の中に浮かぶ考え(認知)」、「感じる気持ち(感情)」、「体の反応(身体)」、「振る舞い(行動)」、という4つの側面に注目する。

例として、“すれ違った友人に目をそらされた”という出来事を経験したAさんの場合を考えてみる。

Aさんの頭の中には「嫌われているのかもしれない…」という悲観的な考えが浮かび(認知)、悲しくて不安な気持ちになった(感情)。心臓がドキドキしたりお腹が痛くなったり…と体にも反応が出て(身体)、人目を避けて足早に家に帰り、布団に潜り込んで寝てしまった(行動)…たとえばこのような形で4つの側面を整理する。

このように、ストレスフルな出来事によって生じる反応を「ストレス反応」と呼ぶ。

ストレス反応の4つの側面は互いに影響を及ぼし合っていて、悪循環を生み出すことが多い。

そのため、上述のように整理して、自分のストレス反応のパターンに気づき、さらなる悪循環に陥らないように調整していくことを目指す。


3.「認知」と「行動」にアプローチ
先ほど整理したストレス反応の4つの側面(「認知」、「感情」、「身体」、「行動」)のうち、自分の意志でコントロールしやすいものはどれだろうか?

一般的には、「認知」と「行動」が自分の意志でコントロールしやすいものと言われている。
その反対に、「感情」や「身体」は自分の意志でコントロールすることは難しいと言われている。

たとえば、あなたがとても悲しい気持ちの時、「今すぐ悲しむのをやめてください!」と言われたらどうだろうか?悲しい気持ちを自分で意識して変えることができるだろうか?

また、お腹が痛い時に「腹痛をとめてください!」と言われたら…? おそらく、どちらも非常に難しいかと思う。

もちろん、「認知」や「行動」も簡単に変えられるというわけではなく、はじめは難しく感じるかと思う。

しかし、「今はこういう風に考えているけど、他の考え方はないかな?」、「そんな気分じゃないけど、とりあえず起き上がって顔を洗ってみよう!」など、意識的に変えようと試みることは可能である。

そこで認知行動療法では、この「認知」や「行動」の幅を広げたり、変えていったりすることで、気分や身体を楽にして、ストレスとうまく付き合っていけるようになることを目指す。

このように、「認知」と「行動」にアプローチする心理療法であるため、“認知行動療法”という名前がついている。


4.具体的にはどんなことをしていくのが?

「認知」と「行動」にアプローチって、具体的にどんなことをしていくのだろうか?

認知行動療法における行動面へのアプローチとしては、生活リズムを整えたり、喜びや達成感がある活動を増やしたりして、物事への回避や先延ばしを減らす「行動活性化」の技法が使われている。

また、認知面へのアプローチとしては、出来事に対する考えを見直したり、考えの幅を広げたりすることで気分を楽にする「認知再構成」という技法が使われている。

参照元:「NCNP病院 国立精神・神経医療センター」Webページ

以上

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