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80年代の若者のトレンド(6) - まとめ

前回の記事

からここに来ています。
今回でこのシリーズは終わりたい(笑)のでまとめに入ります。
よく考えると、まだ取り上げていなかった分野がちらほらあるんですよね。
自分が好きなものでも、クルマバイク周辺(レースなども含めて)については書いていません。それからアニメゲームについては興味が無かったから全く分からないんですね。あと CM とか、アダルト関係、小説なども。

まあでも、このシリーズを書いた趣旨は、当時の若者が何を追い求めていたのかどう在りたかったのかということを考えるためだったので、今まで書いた内容から大体分かるんじゃないかと思います。

80年代を意識したきっかけ

80年代の終わり辺りに、別冊宝島かなんかで、80年代を総括した内容の本が出版されたのです。
そこでは、80年代に起きた様々な出来事や現象についての考察がなされていて、読んだ時に初めて僕は、80年代はそれまでの時代にない特筆すべき文化を持った時代だったんだなと知ることができました。

その中では、心霊現象や都市伝説についても書かれていたのが印象的でした。例えば「口裂け女」の話とかね。
なので、奇怪・奇妙な時代だったという印象も同時に持ちました。

若者の嗜好を分類すること

今の時代に比べると、若者の嗜好を把握するのは簡単かもしれないと思いました。流行がとてもハッキリしているし、流行を作った仕掛け人みたいな存在もわりとハッキリしています。
例えばファッションのトレンドは、皆がよく読む雑誌の中でコントロールされていたと思うし、マスメディアが取り上げると一気に流行したりしました。

本来なら個性は人それぞれなはずだけど、個をアピールするというより、流行に乗り、大きなグループに所属することの方が大事だったかもしれません。
たとえば「聖子ちゃんカット」にしていれば男性・女性含めてみんなからのウケが良かったとか。本当は、そんなに好きではなかったとしても、どれかの流行を選択するだけで満足できたのかもしれません。
それだけのとりやすい選択肢がすでにあったということだと思います。

嗜好の3つの方向性

ファッションのところで少し書いたのですが、当時の若者の嗜好(求めるもの)には3つぐらいの大きな方向性があったように思います。

  1. きれい

  2. カジュアル・ポップ

  3. ワイルド・ミステリアス

1. きれい

ファッションで言えばコンサバとか、アイビーみたいなもの。
音楽で言えば、シティ・ポップやAORの透明感。
コンテンツで言えばトレンディ・ドラマや「ハートカクテル」のようなもの。
経済的に豊かな80年代を反映した、象徴的な嗜好ですね。
単に美しいものが好きというよりも、今よりもっとカッコよくなりたい、豊かになりたいという、上昇志向の表れだったんじゃないでしょうか。

2. カジュアル・ポップ

カジュアルな嗜好は70年代からあったと思いますが、70年代はジーンズのような割と泥臭い感じのイメージがありました。
80年代ではもっと洋風化が進んで、明るく自由な感じのカジュアルや、色鮮やかな主張の強い(ポップな)ものが好かれました。
その意味で、アイドルブームやお笑いなどはカジュアル系の嗜好かなと思います。

3. ワイルド・ミステリアス

70年代を継承している感じもあります。
ただ、親など、前の世代の影響が薄れて、新しいワイルド感やミステリアス感がウケたような気もします。

バイオレンスは洋画、邦画、ドラマともにウケました。バイオレンスはブラックな暴力というものではなく、派手なアクションを楽しむような流れがありました。そこが70年代と違うところかと。
洋画におけるシュワルツェネッガーシルベスター・スタローン、ドラマにおける「西部警察」「○○サスペンス劇場」のようなものです。
必殺仕事人」などもミステリアスといっていいかと思われます。

ファッションでは、革ジャンは70年代の継承、ツッパリヤンキーは80年代のオリジナリティがあったと思います。
開高健C・W・ニコルといった文化人(?)がアウトドア系の雑誌で連載されたりしました。

今の若者との共通項

若者といって年齢幅は10歳ぐらいあって全部が同じということはあり得ないのですが、上記の3つの方向性は、今の若者にも同じような嗜好があるんじゃないかなと思います。
ただやはり不況のせいで「きれい」が追求できなかったり、時代的にバイオレンスが規制されたりして(クラブで踊っちゃいけないとか言うの聞いてビックリしました)顕著な特性というのは確認しにくくなっていますね。
カジュアルばかりが増えちゃったなーという印象はあります。

今の80年代やシティ・ポップのブームについて

今のブームを楽しんでいる若者と接する機会は殆ど無いのですが、半分ぐらいは海外でのブームもあるんじゃないかなと思うんですね。
あと、親が80年代を楽しく過ごした様子を見て憧れて、アイテムを買って身に付けたり飾ったり、音楽を聴いたりして楽しんでいる女の子なんかもいるのでしょう。当時で言えば「お嬢様」的なコンサバな女の子なんじゃないかなと想像していますが。

最後のまとめは一気に書きました。
取りこぼしていることも多々あると思うけど、本筋の部分は通せたかなと思っています。当時の若者にも、今の若者にも、参考にしてもらえたりヒントにしてもらえたら嬉しいです。

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