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洋楽 > 邦楽 という価値観の正当性

2022年7月26日:note で投稿
2023年3月13日:はてなブログに移動

本日 note に戻した記事です。

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もう随分と昔から繰り返し投げかけられる疑問ですが、ぶっちゃけ大阪弁で言うと

洋楽聴く奴はなんで邦楽を見下すねん? 一緒やろ! 知らんけど

(知らんのかい)

という見解があります。
確かに洋楽・邦楽という音楽ジャンルに優劣があるわけではありません。一緒です。
それでその内容の部分なんですが、例えば・・

ジョン・レノンと五木ひろしとどっちが優れているか

という質問は愚問で、かたやポップス、かたや演歌という、全くジャンルも成り立ちも異なる音楽を比較して優劣はつけられないのです。

邦楽は元々は雅楽など

少なくとも1970年代までは「邦楽」と言えば日本古来の音楽全般(雅楽や能楽、民謡等々)を指していました。

なんとなく1980年代あたりから、洋楽が非常に幅をきかせてレコード店を占拠してきた頃に、それらと日本の歌謡曲やポップスを区別するために「邦楽」という言葉が拡大解釈されたというのが、今の洋楽に対する邦楽のイメージです。

なので繰り返しますが、洋楽と邦楽の音楽ジャンルに優劣はありません。

なんとなく問題の発端は1980年代だなあ・・

日本のポップスは、自分の印象では1980年代頃(後半??)からJPOPと呼ばれるようになったと思います。
それで日本のポップスは、元々あった流行歌(歌謡曲)のうち演歌を除いた部分がオシャレに言い換えられたものだと思われ、1980年代のシティポップ周辺がハッキリと「ポップス」と言えるものになったと認識しています。

その後「日本のポップス」「和製ポップス」と呼ぶのをやめてJPOPと呼んだのではないか?と僕は思うのですね。

日本のポップスのルーツは洋楽ポップス

JPOPのルーツが洋楽かどうかは不明で、歌謡曲や演歌や純粋な邦楽の影響も受けているかもしれません。
しかし「日本のポップス」は、元々は洋楽のポップスを真似て作られた音楽なので、ほぼルーツは洋楽ポップスだと言えるはずです。

シティポップも洋楽ポップスのコピーみたいなものが沢山あったので、それらもルーツは洋楽ポップスなのでしょう。

JPOPはその後に日本独自に進化した音楽なのですが、それでもルーツを遡ると洋楽ポップスに行き着くことが多いのではないでしょうか。

ここであえて「洋楽ポップス」と言ったのは、洋楽にはいろんなジャンルがあるためです。
ジャズもロックもフォークも・・西洋系のものはほぼ全て洋楽です。

一方、クラシックはどうかというと、世界共通なイメージがあって、あえて洋楽とは言わないし、日本人がシンフォニーを作曲したとしても、和製クラシックとは言いませんね。そもそも現代に作ったものがクラシックと呼べるかもよく分かりませんが。

ポップスはオリジナル感が強い

なぜかポップスだけがよく揉めます。

例えば、ジャズは明らかに海外の文化で、しかもアメリカの、黒人の音楽だということになっています。日本でジャズを志す人は、常に本家を尊敬して、音楽作りをしています。

ロックもそういうところがありますね。
ただ、ロックは本家においてもポップスと区別が曖昧だったりして、それがそのまま日本でもポップスだけどロックだったりロックだけどポップスかなと思ったりすることが多いです。

なのでポップス同様、ロックも揉める原因があるかもしれません。

いろんな音楽の中で、最もポピュラー(人気がある)だから誰もが自分の音楽のように親しんでいるのがポップスなのでしょう。
自分たちが歌っている、聴いている歌は、自分たちの音楽なんだ!という、オリジナルな意識がとても強いのだと思います。

音楽の成り立ちを考えるとやはり洋楽(ポップス・ロック)が上にある

日本の流行歌は、今は演歌か、ポップスか、になると思うし、ポップスはロックも含んでいる場合もあって、どうしても成り立ち上、ポップスは洋楽の方が先に存在しているし、ほとんどのエッセンスが洋楽にあるのです。

だから、心情的なオリジナリティの問題ではなくて、客観的に洋楽の方が「先生」であることは間違いないでしょう。

アメリカの音楽業界(ショービジネス)

僕はよく知らない世界ですが、それでも昔から、アメリカのショービジネスはレベルが高くて、日本人が行ってもなかなか成功しないということがありました。今もそうだと思います。

ちょうど、メジャーリーグが日本の野球より凄いと思われていることと似ています。実際そうですよね。

どの世界も、昔に比べると日本のレベルはかなり上がりました。
ただ、今の日本の音楽(ポップス・ロック)がアメリカと肩を並べるかというと、かなり差があるようにも感じます。

アメリカで人気先行の「アイドル」みたいな存在があまり無いとこともあり、音楽のレベルが長い年月の間、高水準でキープされているのではないかと思います。
逆に日本のポップス・ロックのレベルが、日本に特化した分、洋楽と比較すると下がっているのではないかと思われるのです。

日本では、どうしてもファンによってアイドル的に歌い手ばかりが評価される面があって、そのバックバンド、コーラス、プロデュース、など全体への評価になりにくい風土があります。
だからそういうものや、観客側の音楽を聴く姿勢に至るまで全部ひっくるめて、まだまだ、アメリカなどの洋楽に学ぶべき部分は沢山あると思います。

洋楽 > 邦楽 という価値観

そんなことで、洋楽の方が、それを真似してきた歴史を持つ日本のポップスよりは上に位置すると考えることは、自然なことです。
中国人が、文化・技術を教えてもらった日本人を「先生」と呼ぶのと一緒で、日本のポップスは洋楽を「先生」と呼ぶ関係にあることは確かなんですね。
だから音楽の成り立ちを踏まえると、異議を挟めない問題なんです。

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