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45 助っ人参上

一輝「俊…!?」

亮佑「チッ。なんだよお前ら。」

顔を上げて見ると、俊の他に康太と雅也、それとクラスのやつが2人いた。

一輝「おまえら…なんで…。」

俊は息を切らせながら話した。

俊「ごめん、一輝。俺…一輝がノンケだって知ってショックで…ずっと避けてた。すまなかった!」

俊…!

亮佑「どうやってここが分かった。」

俊「雫と一緒に見てたんだよ。お前らが一輝を連れてくところを。それで、この女に見つかる前にたまたま別行動してたんだ。」

俊「雫には見張りを頼んでおいて、その間に俺はみんなを呼んだんだ。康太と雅也と、そのとき近くにいた人も何人か。」

夢花「だから雫の行動がおかしかったのね…。」

ー過去回想ー

俊「なあみんな!一輝がピンチなんだ!手を貸してくれ!」
康太「どうしたの〜?」
雅也「はあ?なんで俺らが一輝なんか助けてやらなくちゃいけねえんだよ。」

俊「一輝、輩のグループに絡まれて連れてかれたんだ。このままじゃ一輝ボコボコにされちゃう!」
康太「ホントに〜?何で〜。」

俊「ホントだよ、さっきこの目で見たから!理由は分からないけど…。」

雅也「でもあいつノンケだしな…。第一お前だって一輝のこと避けてたじゃねえか。何だよ急に。」

俊「た、確かにそうだけど…でもやっぱり今まで一緒に連れ添った仲間じゃん!さすがに殺されかけてるのほっとけないでしょ!?」
康太「さすがにそうだね〜…。」

雅也「…ならお前だけ助けにいけばいいだろ。何で俺らまで。」
俊「俺だけじゃ何も出来ないよ。雅也は強いし、人数いた方が強いだろ。頼む!俺の一生のお願いだよ!雅也!みんな!」

康太「確かにそれが本当なら助けてあげたいね〜。」

味方同級生A「まあ俺は一輝が可哀想だと思ってたから協力してもいいけど…。」
味方同級生B「一輝は正直嫌いだけど、合法的に暴れられるなら行ってやってもいいぜ。」
同級生L「俺はパス。勝手にやっとけよ。」
同級生M「俺も。仲良くもないやつのために面倒ごとに関わるわけねえだろ。」

俊「うん、いいよ。大丈夫、ありがとう。…雅也は…どう…来てくれない…?」

雅也「俺にメリットがねえだろ。」

康太「…一輝は輩に絡まれてるんでしょ〜。じゃあ行けば雅也の大好きなヤンキー系がいっぱいいるんじゃないの〜?戦いから恋に発展したりして〜。」

雅也「う、ヤンキー系か…。」

俊「そ、そうだよ。ナイス康太!頼む、一輝のためじゃなくていい!雅也自身のためでいいから、一緒に来てくれないか!?頼む!雅也!」

雅也「…あ〜もう、分かったよ。でも、俺自身のためな。一輝のために助けるんじゃないからな。」

俊「うんっ、ありがとう!じゃあ5人で行こう!早くしないと!」

ーーーーー

一輝「俊…ありがとう…。」

亮佑「裏切りやがったな俊。」

俊「…ごめん。でもやっぱり一輝は大事な友達だし…。それに亮佑にいじめられるのが怖かったんだよ。」

亮佑「しょうもねえこと言ってんな。大事な友達?だからなんだ!こいつはノンケなんだぞ!なんでお前も多数派のくせにノンケを守るんだよ!あ?一輝のことが好きなのか!?そうでもなけりゃこんなことしねえよな!?」

またこいつは同じことを何度も…。有希さんみたいに、好きじゃなくても守る人はいくらでもいんだよ。

俊「…そうだよ。」

え?

俊「俺は一輝のことが大好きなんだよ…!」

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