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12 春の懇親旅行

朝、みんないつもより早く登校し、バスに乗り込む。さあ、懇親旅行が始まった。果たして無事に終わるだろうか…。

エルジーランドに着き、早速自由行動開始だ。

雅也「おーしじゃあまずルビーボルケーノ乗るぞ!」

この遊園地は、ルビーボルケーノ、サファイアオーシャン、エメラルドジャングル、シトリンデザート、アメジストマンション、ダイヤモンドヘブン、この六つのカラーのエリアで分けられている。

ルビーボルケーノのライドはここの王道のライドだ。大体の人はまずここから乗る。割とまだ朝も早いし、自由行動開始から最短で乗り場まで来たけど、既にかなりの行列だった。

康太「いや〜、すごい並んでるね〜。」
俊「GOGOのショータイムは10時のは無理だから次は14時か…。」

一輝「エメラルドジャングルでショーだから、サファイアオーシャンでライド乗って昼飯食ったらちょうどじゃね?」

待ち時間にいろいろ話した。ちょっと恋愛的な話も出たけど、割と普通に話せるようになってきたな。まだこの世界になって一ヶ月半なのに、もう慣れてきた気がする。

と思っていると、気付いてしまった。みんな二人組は男同士、女同士なんだな。そして手を繋いでる。男女二人で来ている人なんてほとんど見なかった。一度見かけたと思ったけど、男女混合グループで、一時的に二人で別行動していただけだった。

ああ、俺は好きな人と遊園地にも来れないし、手を繋いで歩くことも出来ないのか…。確かに、元の世界で男2人で遊園地来たり、男同士で手を繋いでるやつがいたらって考えると、変な目で見られたり笑われたりするだろうな。

もちろん俺だって変な目で見てたと思う。それが逆になったら自分がそういう目で見られるのは当然だ。分かるけど、でも、辛いな…。

この世界に慣れてきたと思ったばかりなのに、いろいろなところでまた考えさせられてしまう。

サファイアオーシャンに向かう途中、クラスの別のグループとすれ違った。

雅也「…なあ、さっきすれ違った奴、なんか俺ら見てニヤってしてなかったか。」
康太「あ〜僕も思った〜。なんかキモかったね〜。」

俺は分からなかった。すれ違ったやつの顔を見てなかったから。

俊「そう?俺は分からないけど、まあ勘違いだろ。俺ら笑われる要素ないじゃん。」
一輝「そ、そうだよな。」

このときはまだ知らなかった。これから俺の身に起こる出来事を…。

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