33 差別的な待遇
一輝「クラスにバレた。」
健太郎「マジ?」
岳「ヤバいじゃん。」
京平「まだ道彰の件も収まってないのに…。」
健太郎「俺ら、段々ヤバい方に傾いて来てるよな…。」
岳「てか何でバレた?」
一輝「まだハッキリしてないんだ。カミングアウトしたやつがバラしたんじゃないかと思ってるけど…。」
相談したからといって、どうなるわけでもなかった。でもそれは最初から分かってた。ただ、本音を話せる仲間がいることがそれだけで救いだった。
ーーーーー
一輝「俊っ!」
次の日、俊が学校に来た。事情を聞こうとしたけど、なぜか俊の周りにはクラスのやつがいた。そいつらに押しのけられて、全く話も出来なかった。俊を守ってるみたいに。
一輝「ちょ、ちょっと俊と話させてくれ!」
亮佑「黙れ、この変態が!」
また蹴られた。ダメだ。何も出来ない。やっぱり俊がバラしたのか…?
それにしても、あいつらはなんなんだ。今まで全然喋ってもなかったのになんで同じグループみたいに行動してんだ。
同級生A「あいつ、男のくせに女が好きなんだろ。」
同級生B「マジでテレビの外にもいたなんてな。」
同級生A「キモいよな。不良品じゃん。生物的欠落。」
同級生B「てかなんで女が好きなの?その感情に意味ある?男と女で性別が違うんだから好きになったって子供出来るわけじゃないじゃん。」
いや、お前らだってたまたま同性が好きなだけだろ。別に子供がどうとか考えて同性を好きになったわけでもないくせに、こういうときだけそんな理屈出して来んなよ。
そんな言葉が喉まで来ていた。言ってやろうかと本気で思ったけど、やっぱり言えなかった。
同級生C「男と女でって、どうするんだろ。なんか怖い。」
同級生D「もし男と女で子供が出来たとしたら、2つの性の中間みたいな子供が出来るのかな。そこから周りと違うことでいろんな葛藤とか生まれて…。ああ、創作がはかどる…。」
同級生C「いや、普通にキモくない?エイリアンじゃん。」
同級生E「お前もノンケなんじゃねーの〜?」
同級生F「やめろよ。俺はちゃんと男好きだから。」
言われたい放題だ。俺には何も言う権利は無くなった。学校に行かなければこんな目には遭わないけど、父さんがいるから不登校も出来ない。まだ父さんにはバレてないから、そこだけはなんとか…。
すると、次健太郎たちと会ったときに、衝撃的なことを言われた。
健太郎「俺らもノンケだってクラスにバレた。」
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