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にしな 虎虎

はじめまして

この一文から始めさせていただきます。

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にしなのライブに行ってきた。

皆さんはにしなというアーティストをご存じだろうか。誰もが知っている超有名アーティストではないかもしれない。それでもラジオやCMで無意識のうちに聴いていたという人は多いかもしれない。私と同じ1998年生まれで、今注目の新人アーティストという紹介が適しているのだろう。

2020年から配信シングルをリリースしている。昨年の4月に1stアルバム「odds and ends」でメジャーデビュー。その後、CMやドラマ、映画の主題歌などに抜擢されており着実に一流アーティストへと近づいている。

元々はアコースティックセッションユニット ぷらそにか に在籍していた。有名な卒業生といえばYOASOBIで活躍しているikura(ソロ名義:幾田りら)がいる。そんなぷらそにかを2019年に卒業して、ソロ活動に専念した。

私がにしなに出会ったのは昨年の3月。実家でいつも通りラジオを聴いていた時だ。ちょうどその頃配信リリース予定だった「ヘビースモーク」という楽曲が流れていた。ほとんど一聴き惚れしない私が、一聴き惚れした数少ないアーティストの1人だ。いつもの私なら音楽番組やラジオ、またはライブで何回も聞くことで好きになっていく。いわゆる単純接触効果というものだろう。CMでよく聞く名前の洗剤を買ってしまうというあれだ。分からなかったらググってほしい。そんな効果など関係なく、声が刺さってきた。

新時代、天性の歌声と共に現れた新星、「にしな」。
やさしくも儚く、中毒性のある声。
どこか懐かしく、微睡む様に心地よいメロディーライン。
無邪気にはしゃぎながら、繊細に紡がれる言葉のセンス。
穏やかでありながら、内に潜んだ狂気を感じさせる彼女の音楽は、聴く人々を徹底的に魅了する。
Spotifyがその年に注目する次世代アーティスト応援プログラム「RADAR:Early Noise」に選出。
ゆっくりとマイペースにリスナーを虜にしてきた彼女の声と音楽が、
静かに、そして、より積極的に世の中へと出会いを求めに動き出す。
最重要ニューカマー、「儚さと狂気」を内包する才能が、ここに現る。
https://nishina247.jp/profile/

歌詞やMVの世界観も好きなのだが、公式HPにもあるように唯一無二の声に惹かれた。あるインタビューで、歌詞で意味を通すよりも、聴き心地で言葉を選ぶことがあると言っていた。歌詞よりも歌を聴く私の耳との相性は完璧だった。

去年の6月に初のワンマンライブがあったが、予定が合わず行くことが出来なかった。そんなライブの特別編集版が昨年YouTube Music Weekendの一環として公開された。その歌唱している声も姿も全てが刺さりすぎて姉にすぐ共有した。現在も公開中なのでまだの方は是非見てほしい。

ここまでの熱量でなんとなく伝わっているであろうが、ドハマりし心酔しているといってもいい。そんなにしなのライブが昨夜開催された。ライブ前にバイトがあったのだが、予定時刻よりも1時間遅く終わったため危うく開演時間に間に合わないところだった。バイトをしながら間に合わないかもとイライラしていたが、何事も高低差である。そんなイライラがあったからこそ、にしなのライブの良さが際立った。

あまり憶測で話すべきではないのだろうが、思ったことを綴っていく。あくまで私が思ったことであって、断定していないので一応注意してほしい。

ライブ中のMCが極端に少なかった。ライブの世界観を壊さないためというのもあるのだろうが、そもそも人前に立つのがそこまで得意そうには見えなかった。歌唱中や間奏、MC中に至るまでほとんど観客席を見ない。人と目を合わせるのが苦手なタイプなのだろうか。そんな人間くさい部分にも好感が持てたのだった。

それなりに多くのアーティストを生で見てきたが、やはりにしなは異質に感じた。体でのリズムの取り方やノリ方が不思議だった。誤解を恐れずにいうと、熱量がものすごく小さい。公園の片隅で歌っているような、散歩しながら口ずさんでいるような不思議なものだった。バンドメンバーの近くまで行き、間奏でセンターに戻る際に普通に歩いてる姿には衝撃を受けた。普通ならバックで鳴っているドラムのリズムにノリながら移動する。それなのに、リズムに関係なくてくてくと歩く姿を見て驚かずにはいられなかった。こんな変なところまで見ているのは正直自分くらいだろう。

後ろで手を組むのは多分癖だ。ギターを持たずに歌唱する時、大抵のアーティストがスタンドマイクを握りしめる。にしなは違う。ハンドマイクを持ちながら、後ろで手を組むのだ。その姿が、時々Twitterで見かける「お散歩するといつも年老いてしまう息子まとめ」を彷彿とさせるため、愛おしくてたまらなくなるのだ(伝われ)

ここまで、そんなところまで見るか?というような挙動について語ってしまったが、やはり特筆すべきは歌唱だろう。YouTubeやLINEMusicで散々聴いていたが、やはり生の音というのは違う。ライブで披露した楽曲全てにコメントしていたら何万文字にもなってしまうので、特に印象的な部分をピックアップしよう。

「ダーリン」という楽曲で「ねぇ ダーリン」と繰り返す箇所がある。そこの発声が好き過ぎて鳥肌が止まらなかった。にしなの声は、とても綺麗で透き通っているという類いではない。歌唱力も口から音源というタイプではないだろう。しかし、聴くものの魂を震わせるような声であり歌唱力なのだ。もちろんトレーニングもしているのだろうが、こればっかりは天性のものとしか思えない。


私が1番大好きな楽曲は「U+」である。これを聴けただけで、もう今死んでも構わないとさえ思えてしまうほどの幸福感だった。コーラスとの重層感、宇宙に放り込まれたかの照明、サビにかけての盛り上がり。

最後からアンコールにかけては、音源化されていないがにしなやファンにとって大切な曲が続いた。「ワンルーム」でのポエットリーリーディングとにしなの声の相性の良さに1人興奮していた。証明もものすごく、その場にいた者にしか分からないが、完全に異世界だった。

「青藍遊泳」はYouTubeにもなく配信もされていない楽曲である。しかし、ぷらそにかを離れる際の決意の曲であり大切な曲。聴いていて思わず涙が零れた。

最後は定番化していくのだろう。「アイニコイ」という楽曲だ。湿っぽい別れではない。またライブで会おうと明るく締めくくる。そんな楽曲だ。

アンコールでは2ndアルバムの発売も発表された。発表のゆるさもにしならしくて微笑ましかった。「1999」というタイトルで、Blu-rayの付属した形態は1999枚限定販売というレアなものとなっている。売り切れてしまう前に早速タワレコで予約をした。すでに予約終了している店舗が相次いでおり、郊外にあるタワレコでやっと予約することができた。

熱量の高すぎる布教活動は相手を引かせて、ダメだった経験が何度もある。それでもこの感情を言語化せずにはいられなかった。そして、誰かがにしなを知るきっかけになれば、それだけでもこのnoteを書いた意味になる。

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手の届く範囲にいるあなたが

幸せでいることを願います

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