「宇宙開発を伝えること」に決めたあの日を思い出して涙した インドの火星ミッションを描いた「ミッション・マンガル」
インドの火星探査機の開発について描いた映画「ミッション・マンガル」を観た。宇宙開発について分かりやすく伝えたい、そういう仕事をしたいと決意した日のことを思い出し涙が止まらない。
○夢を思い出し、原点に戻ることの大切さ(以下ネタバレを含む)
映画中に「2回目の誕生日会」をするというシーンが登場する。なかなか乗り気ではなかったミッションのメンバーが自らが科学者になろうと思った日のことを回想する場面だ。
このシーンを見た時、僕は涙が止まらなかった。
それは
自分自身が「宇宙開発について多くの人に発信する仕事をしたい」と考えたきっかけを思い出したから。
ちょっと語らせてほしい。
今から2年前。受験学年である高校3年生を控えた春の出来事だ。僕はある映画を見た。アポロ11号で月面着陸をしたニールアームストロング船長の伝記映画「ファースト・マン」である。
元々宇宙には興味があった。でもその時は勉強に追われていた上にアイドルが本気で好きだった(今でも変わらないが笑)。将来はアイドルグループでもプロデュースしようとか、わけのわからぬ妄想をして楽しんでいた。
しかし、「ファースト・マン」を見てから人生が大きく変わった。映画中、アポロ11号の発射台を見ながら「アポロ計画、中止を!」と書かれたプラカードを持った人が抗議活動をしているというシーンを見た。この場面は強烈に頭に残っている。
確かに巨額の血税を使って人類が月にいくということなど一部の人にとって理解しがたいことだろう。何を思うかは個人の自由。でも、そのシーンを見た時に何故か思った。
「宇宙開発って何故必要か」ということを知らない人が自分も含めて多いのではないだろうか?もし、宇宙開発が世の中の生活に役立っているということを知ったら、巨額の税金を使ってやることに理解を示してくれるのでは?
これが
今の「何故人間は宇宙へ行くのか?」ということを宇宙開発のニュースや歴史とともに「わかりやすく(具体的には中学生でもわかるように)」伝える
ということの原点になっている。
「ミッション・マンガル」に話を戻すと、何か困難にぶち当たったり限界を感じた時、自分がその職業を目指すようになった「きっかけ」を思い出し、それを忘れずに生きていくことが大切だと感じた。
実は初めてインド映画を見て、どこかこれまで触れてこなかったような独特の「文化」や「雰囲気」を感じた。インド映画の沼は、深そうだ。
<もっと知りたい方のために>
○アジア初の火星探査ミッションとは?
・あまり知られていませんが、インドは宇宙開発においてアメリカやロシア、日本と肩を並べる技術力を持っています。
・この映画で題材にされたのは、2014年に打ち上げられた火星探査ミッション「マーズ・オービター・ミッション」です。このミッションは、インド宇宙研究機関(ISRO)が行った計画です(ISROとはアメリカのNASAや日本のJAXAみたいな機関)。火星の周りを探査機が周り、搭載された5つの機器で、地表の観測や「反射率マップ」の作成(注1)などを行っています。本来の計画では300日の予定でしたが、約6年たった現在も活動を続けているのです。
・アジアで1番目に火星軌道に投入された探査機となりました。実は、日本も火星探査機「のぞみ」で軌道投入を目指していたのですが、失敗。加えて中国も火星探査機をロシアのロケットに搭載して打ち上げましたが、こちらも失敗。火星探査の難しさを思い知らされる中、インドの成功は大きく取り上げられました。
火星探査について知りたい方↓(1.火星探査をお読みください)
実際に探査機が撮影した火星の写真(綺麗な画質でご覧ください、公式HPへ移ります)↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?