日本の宇宙飛行士、10年ぶりにアメリカの有人宇宙船で飛び立つ！ ビッグイベントを見逃すな！！！
11月15日（日）午前9時49分（日本時間）（予定）アメリカのケネディー宇宙センターから有人ロケットが打ち上げられます。今回の打ち上げは日本人宇宙飛行士・野口聡一さんがアメリカの宇宙船「Crew Dragon」に初めて搭乗するということで宇宙ファンの間では注目を集めています。この記事では、今回の打ち上げのポイントを4つに絞りご紹介します。
今回のミッションはNASAとSpaceX、JAXAが共同で行います。SpaceX社が開発した民間宇宙船「Crew Dragon」の運用1号機です。打ち上げ後は国際宇宙ステーションへ向かい、約半年間滞在を行います。なお、Crew Dragonは、今年5月に「Demo-2」と呼ばれる有人試験飛行に成功しています。
1. SpaceXとCrew Dragon
SpaceX社は、実業家のイーロン・マスク氏が設立した民間宇宙企業です。イーロン・マスクといえば電気自動車会社「テスラ」も設立したことで有名です。（悲しいことに日本で「イーロン・マスクがさ、、」と行っても半分ぐらいの人が「誰？」ってなります。）
SpaceXは2002年に設立された比較的新しい会社です。SpaceX社の驚くべき点は設立してからかなり短い期間でNASAや国防総省と契約を結んでいること。そして軍の人工衛星などを打ち上げ、成功を重ねることで着実に信頼を固めていきました。
また、月や火星への飛行技術の開発にも取り組んでいます。2023年には日本人の前澤友作さんがSpaceXの新型ロケット「Starship」に搭乗し月へ行く見込みとなっています。（ホームページに前澤さんの顔写真載ってた。。。すげー。）
今回発射される最新宇宙船Crew Dragonやそれを打ち上げるためのロケットFalcon9ロケットは全てSpaceX社が開発を行っています。Crew Dragonは新たな時代の始まりを想起させるスタイリッシュな内装になっています。
ここでCrew Dragonがどのような宇宙船か説明していきます。
Credit: NASA/SpaceX
2011年にスペース・シャトルが引退してから宇宙へ行く手段はロシアのソユーズ宇宙船だけでした。しかし、約10年ぶりにCrew Dragonが登場したことで人間が宇宙へ行く手段が増えました。
ちなみにCrew Dragonを打ち上げるロケット「Falcon9」については以下をご参照ください。
2. 宇宙飛行士 （超目玉！！！！！）
今回のミッションで宇宙へ行くのは次の4人。
・マイケル・ホプキンス飛行士(NASA)
・ビクター・グローバー飛行士(NASA)
・シャノン・ウォーカー飛行士(NASA)
・野口聡一飛行士(JAXA)
何よりも注目して欲しいのが日本人が宇宙へ行くということ！
野口宇宙飛行士は、これまでに2回宇宙へ行き、国際宇宙ステーションでの長期滞在や船外活動を経験しています。今回のフライトは3回目の宇宙飛行となり、日本人として初めて３種類の有人宇宙船（ロシアのソユーズ宇宙船、アメリカのスペースシャトル、Crew Dragon）に搭乗する記録を持つ飛行士となります。なおアメリカ人以外で民間の宇宙船Crew Dragonに乗る宇宙飛行士も野口飛行士が初めてです。
1回目の飛行では2003年に発生したスペースシャトル・コロンビア号空中分解事故後、初めてスペースシャトルに搭乗しました。事故発生から約2年、事故の原因究明のため運用は全て中止に。そのため野口飛行士が宇宙へ行くフライトは2年半ぶりにアメリカが宇宙へ戻るという「Return to Flight」と呼ばれ大きな注目を集めました。
2回目の飛行は日本人で初めてのソユーズ宇宙船（ロシア）フライトエンジニアとして活躍しました。国際宇宙ステーションに約5ヶ月半滞在。長期滞在中には山崎直子宇宙飛行士と合流。日本人宇宙飛行士2人が初めて国際宇宙ステーションに滞在しました。
このように野口飛行士は「初めて」とつくミッションを行なってきました。そのためか、宇宙飛行士仲間からは「切り込み隊長」と呼ばれているのだとか。
3.宇宙服と宇宙食
今回野口飛行士が国際宇宙ステーションで着用する服は民間企業である「Beams（ビームス）」が総合プロデュース！！！
これまでの船内着用宇宙服は機能性が重視されていていました。しかし、今回は機能性だけでなく「おしゃれ」なデザインや色使いも工夫されています。
さらにさらに今回のフライトでは新たに認定された「宇宙日本食」がついに飛び立ちます。これは日本の食品メーカーが提案する食品をJAXAの基準で厳しく審査し認定したものを「宇宙日本食」として認める制度です。日本人なら大部分の人が知っているような食品が宇宙へいきます。
このほかにも多くの宇宙日本食が宇宙へ運ばれます。詳しくはJAXAの野口宇宙飛行士特設サイトをご覧ください。
4. ミッションパッチの意味
NASAでは人工衛星の打ち上げや宇宙飛行士のISS長期滞在などミッションがあると「ミッションパッチ」と呼ばれるミッションを図柄で表した紋章を作ります。非常に凝っており、一目見ただけでどのようなミッションか分かります。
最も注目したいところは「C」の輪郭部分にある歴代有人宇宙ミッションのマークです。今回のミッションは、初めて民間会社が有人宇宙船を打ち上げるという「歴史的転換点」です。これまでの有人ミッションがあってこそ、このミッションがあるということの表れだと考えています。
また、ミッションパッチには普通、アメリカの旗やクルー（宇宙飛行士）の名前が記されます。しかし、今回はこのミッションに関わる全ての人への敬意を込めて記載されませんでした。
ここまで読んでいただいた方ありがとうございました！！！！今回のミッションがいかに注目の集まるミッションだったかお分かりいただけたでしょうか。
ロケットの打ち上げは延期になる可能性があります。最新の情報はNASAやJAXAのツイッター等で各自確認をお願いいたします。
打ち上げの配信もSpaceX, NASA, JAXAのYoutubeチャンネルで行われる見込みです。
それでは皆さん、11月15日、おうちで打ち上げを応援しましょう！
GOOD LUCK!!!
出典
NASA・JAXA・Beams
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