30日間の革命 #革命編 22日目
「行動あるのみ」
坂本のその言葉が示す通り、革命を起こすためにはもう考えている時間はない。現状を整理すると、白の会は解散状態で、革命派は坂本と加賀のみである。そのため、早急に”プチ革命”を起こす必要があった。
「ならまずは小春の言う”プチ革命”ってのを起こさなきゃだと思うんだけど、どうしようね。小さな革命たって、俺らはもう生徒会でもないから、何か学校の制度を変えるのも難しいよな」
加賀は頭を掻きながら天井を見上げた。加賀の言う通り、いくら規模が小さくて良いと言っても今から短時間で何かを変えるのは困難なことだった。
「それについても、もう既に種は蒔いたつもりよ」
頭を悩ませている加賀とは正反対に、坂本は”自信あり”という表情を見せた。
「種!? マジで? どんなの?」
加賀は目を丸くして坂本へ問いかけた。
「うん。結論から言うと、江藤さんよ」
「江藤ちゃん? え? どういうこと?」
加賀の目はどんどん丸くなっていった。
「この前江藤さんと話してから、やっぱりまだ生徒会は動いてこない。ということは、やっぱり江藤さんは馬場君たちに私たちのことを話していないと思う。江藤さんが味方になってくれるかまでは分からないけど、少なくとも敵ではないことは確かよ」
「そ、そっか。確かにあれ以降何にもないし、江藤ちゃんも特に何にも言ってこないもんな。でも、それとプチ革命ってどう関係があるの?」
「私たちが今から0ベースで小さな革命でも起こすことは、セトの言う通り難しいわ。だから、他の人の力を借りるのよ。つまり、今回は江藤さんに『女子バレー部』を変えてもらうの」
「女子バレー部を!?」
「そう。今、この学校にとって女子バレー部は伝統の象徴でもあるわ。キャプテンが強い権力を持っていて、極端な話、この学校を支配している。特に江藤さんは歴代の中でも強い権力を持っていると思うの。そんな女子バレー部がもし変わったら、学校にとっても大きな話題になるでしょ。そして、それに私たちが関わっていたとしたらどうかしら?」
「なるほど。確かにこの学校の女子バレー部が変わったんなら、そりゃ大きな話題になるし、もしそれに俺らが一枚噛んでるって知られたら影響はあるだろうな」
加賀は少し納得した表情で答えた。
「ただ、バレー部を直接変えていくのは江藤さんじゃないわ」
先ほどまで納得した表情だった加賀の表情がまた一変した。
「へ? さっきは江藤ちゃんに変えてもらうって言ったじゃん」
「ちょっと言葉足らずだったわね。正しくは『江藤さんに女子バレー部が変わるきっかけ』を作ってもらうってことかな。もう彼女も部活を「引退する時期でしょ。今からまた彼女が口を出してしまえば、それは本当の意味での革命にはならない。そこは後輩たちに託すしかないわ。でも、そうやって後輩たちが変わっていけば、学校全体で革命の雰囲気は伝わっていくと思う」
「なるほどねぇ。しかし、小春はよくそこまで考えつくよな。俺なんて小春の話についていくのがやっとだよ」
「そんなことないよ。それにこれはあくまで仮設よ。これから行動してかなきゃ空論に終わるわ。だから、また江藤さんと接触しましょう。前は静観しようかと思ってたけど、この局面は動いた方がいいわ。セトも協力してね」
「わかった。行動なら得意だから任せてよ」
そうして二人は再び江藤と接触することになった。
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