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30日間の革命 #革命編 70日目

 仙波が図書室を出ていったあと、神原もそれに続くように図書室を出ていった。そんな様子を見ていた加賀は、大きなため息をついた。 

 「……セトはどう思った?」

 坂本は、そんな加賀の様子を気にしながらも問いかける。

 「……そうだね。俺があんだけ小春に棚橋さんを『疑え』って言ってたのに、まさか神原が生徒会とつながってたとはね……。本当に俺ってバカだよ。最近やることなすこと、全部空回りしているような気がする……」

 加賀はそう言いながら机に伏せた。

 「まだ神原君が生徒会とつながっているって100%の確証を得たわけじゃないから、あくまで『疑い』よ。もし本当にそうだったとしても、神原君にも理由があるはず。どうするかを決めるのも、確証を得て、そして神原君本人の口からちゃんと説明を聞いてからになりそうね。それに、セトは何にも空回りなんてしてないよ」

 坂本は加賀へ優しく話しかけた。

 「いや、十分空回りしてるよ。また一人で突っ走ってた気がする。小春にだって結構きつくあたっちゃったし。本当にごめん。それと、神原については俺がちゃんと責任を持って確かめる。もし生徒会とつながってたとしたら、理由を確かめてから本人にどうしたいか聞くよ」

 加賀は坂本に対して頭を下げながら話した。そして。

 「でも、よく神原が生徒会とつながってるんじゃないかって気づいたね。小春が気づいてなかったら、本当にみんなで会議をやっているところに仙波さんが来ていたよ。現場を押さえられたら、それこそ結構厄介なことになってたかもしれないしね」

 と話を続けた。

 「正直確証はなかったんだ。でも、白の会が解散した後、私とセトだけで行動していたとき、やけに生徒会に動きを読まれていたなって思ったの。それは行動を監視されているからだけじゃなくて、私たちに詳しい人がどこかで情報を掴んでるからだって考えたら、後は消去法よ。最初は手崎さんかなって思ったりしたんだけど、色々話を聞いたら違うことが分かった。だから、後は森下君か神原君になるんだけど、森下君とは棚橋さんを紹介してもらうときにも少し話をして、違うことがわかった。だから、後は神原君しかいないのかなって」

 坂本は、神原を疑うことになった経緯を加賀へ話した。

 「……そっか。だから俺が神原に声をかけるって言った時、ちょっと渋ってたんだ」

 「うん。でも、確証がなかったから、神原君には悪いけど、この機会に確かめさせてもらおうと思ったの。決定的な場面は抑えられなかったけど、あの二人の様子を見たら、十分な判断材料にはなったわ。」

 「……そうだな。これからどうする? とりあえず神原については俺に任せてほしいんだけど」

 「ええ。神原君についてはセトに任せるわ。ただ、それを待っているだけの時間はないから、それと同時進行で、今度は本当にみんなを集めた会議を行う。そこで白の会を復活させるわ。そして、この学校に革命を起こす」

 坂本の最後の言葉に、力強さと重みを感じた。

 そして後日、坂本、加賀、森下、江藤、棚橋、橋田の6人は、屋上の更に上にある通称『屋上のベンチ』へと集まった。

▼30日間の革命 第一部
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▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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