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営業時代の話part⑯

おはようございます!

今日は「営業時代の話」をお送りします!

▼第1話はコチラから!

それでは本日もよろしくお願いします!

※登場人物、企業、団体は全てフィクションです。

●解散

その後も社長と藤橋さんは楽しそうにお酒を飲み、時にはカラオケを入れて歌いながら盛り上がっていた。私は何とか笑顔を見せるも、先ほどのママの一言が尾を引き、心身ともに疲れ果てていた。

そして、気づけば時計の針は11時30分を過ぎていた。

「お、もうこんな時間か。ならそろそろ帰るか」

ようやく社長からその言葉が聞け、私はため息をついた。

「ならママ、また近いうちに寄るよ! こいつらも含めてよろしくね」

社長はママに向かってそう言うと、ママは笑顔で見送ってくれた。ここでも藤橋さんが厳しい目を向け、出口のドアを開けておくように合図を出した。私たちは急いで出口のドアを開け、社長が通ると

「ご馳走様でした!」

と頭を下げた。

(何か極道の世界にでも入ったような気分だ)

私は心の中でそうつぶやいた。

「いいよいいよ。また飲みに行こう。なら俺はタクシーで帰るけど、君たちは家の方向は?」

社長にそう聞かれた私は、

「足立区の●●です」

と答えた。

「何だ、方向一緒じゃないか。なら一緒に乗りなよ。途中で降ろしてあげるから」

と言ってくれた。確かに疲れていたので、電車に乗るよりもタクシーで帰った方が楽だ。しかし、その間社長と二人きりになるのはそれはそれで疲れそうだと思い、

「いえいえ! まだ電車あるので、大丈夫です!」

と一度断った。しかし、藤橋さんが鋭い目でこっちを見て、首を横に振った。つまりそれは、「素直に社長の言葉に甘えろ」ということを意味していた。藤橋さんの鋭い眼光に押された私は、

「あ、で、でも、せっかくなのでお言葉に甘えてもよろしいでしょうか」

と社長に言ってみた。ちらっと横目で藤橋さんの方を見ると、うんうんと頷いていた。

「だからいいよって言ってるじゃん。なら俺たちはここで帰るから! またね」

社長はそう言うと、近くにいたタクシーを止め車内へと乗り込んでいった、私も藤橋さんたちに頭を下げ、急いでタクシーへと乗り込む。社長と二人きりのドライブが始まった。

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