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30日間の革命 #革命編 180日
警察が来るまで待つことを、学生たちにすぐ告げようと言う坂本。しかし、白の会のメンバーたちは戸惑った。
「ま、待って。今すぐ言うっていっても、どう言うの? 多分混乱を招いて、体育館から逃げ出そうとする学生がたくさん出てしまうと思うよ」
江藤は心配そうに坂本に向かって言った。
「そこは何とか私が説得するわ。私が心配なのは、何も言わずに心配だけを無駄に募らせていくこと。それは不信感につながってしまう。今、学生たちは自分たちの意志でここに残ってくれているの。だから、その意志を不信感で無しくてしまわないように、ここは誠実に対応することが大切だと思う」
坂本はそう答える。あくまで学生全体で革命を起こすこと。それにこだわっていた。
「大丈夫、私に任せて欲しい。ここを何とか乗り切って、ここに残ってくれたみんなと一緒に革命を起こそう」
そして、最後に再び力強くそう言った。
「みんな、小春の言うことに懸けてみないか? 俺も、警察沙汰になるのは確かに不安だし、それをみんなに伝えることも不安だ。でも、やっぱりここに残ってくれたみんなでこの革命を起こしたいと俺も思う。どうかな?」
加賀は坂本の意見に同意し、メンバーへと呼びかけた。江藤や森下、神原たちは不安は隠しきれていなかったが、それでも同意してくれた。
「みんなありがとう。みんなへの説明は私がするから、みんなは後ろにいて欲しいんだけど、それはいいかな?」
「うん、もちろん。なら、マイクはここにあるから、これ使って」
そうして、坂本たちは学生たちへ話すべく、ステージへと出ていった。
体育館の外では、締め出された教師たちが慌てふためき叫んでいた。
「おい、お前たち! どういうつもりだ! 早くここを開けなさい!」
体育館の入り口をドンドンと叩きながら、大声で叫ぶ男性教師。その他の教師たちも、こんなことは初めてだったので、とにかく慌てるしかなかった。
「これはどういうことだ! 大友先生!」
教頭の鳥越は怒り心頭で大友へと話かける。
「……すいません。まさかこんなことになるとは……。今すぐに扉を開けさせますので、もう少々お待ちください」
いつもどっしりと構えている大友も、さすがに動揺を隠せずにいた。
「当たり前だ! 大事になる前にさっさと学生たちを引っ張りだせ!」
鳥越は変わらず怒鳴り散らしていた。
「分かりました。……おい、そこのドアは開かないのか?」
大友はドアを開けようとしている教師に声をかける。
「は、はい。恐らく中からかなり頑丈なもので固定されているのか、全く動く気配がありません……」
「……何か工具を職員室から持ってきて、無理やりこじ開けよう」
「で、でも、それじゃあ扉が壊れるかもしれませんよ?」
「緊急事態だ。もはや扉の一枚や二枚、壊すくらいしょうがない。早く持って来てくれ」
大友は、職員たちに工具を使って扉を無理やり開けるように指示を出した。
「……くそ、少しでも体育科の中の様子が分かればまた話はちがうのに」
大友は一人そうつぶやく。実はこの時、1人の教師が中に残っていることに職員たちは気づいていなかった。
▼30日間の革命 第一部
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