30日間の革命 #革命編 15日目
加賀は、江藤との一件を坂本へ話した。江藤の本音を聞き出そうとしたこと。革命について話をしてしまったこと。坂本はその話を真剣に聞いていた。
「っていう感じで、多分もう江藤ちゃんから馬場へ革命の話がいっちゃってると思う……」
加賀はいまだ机に顔を伏せるようにしてうなだれていた。
「……セトは、なんで江藤さんに革命のことを話そうと思ったの?」
坂本は加賀へと質問をした。
「うーん、何て言うか元々は革命について話すつもりはなかったんだよ。ただ江藤ちゃんの姿を見てさ、本音で話したくなったというか、駆け引きみたいなことはしたくないなって思ったんだ。こっちの味方につけるために、革命のことを隠して話すのは何かフェアじゃないって気がしてね。何か熱くなっちゃったんだよなー。俺の悪い癖なんだよ。後先考えずに、自分の正義を優先しちゃうっていうかさ……。本当にごめん」
「ううん。それがセトの良いところなんだから、私は悪くないと思う。それにセトの言う通り、多分江藤さんを駆け引きによって味方につけたところでやっていることは馬場君と変わらないよ。戦略で人を動かそうとしすぎると、結局それが自分たちに返ってきちゃうよ。私たちは私たちのやり方でやりましょう。それに今革命のことがバレるっても、まだ何も動きだしていない状態なんだから、そんなに大きなことじゃないよ。まずはこのまま様子を見ましょう。生徒会がどう動くのかも気になるしね」
坂本は加賀を慰めつつ、生徒会の様子を伺うことにした。どのように馬場が動くのか。それを見極めるいい機会だと坂本は思っていた。
しかし、それから数日経っても坂本や加賀の周りでは何も起こらなかった。馬場もこちらの様子を伺っているのか、それとも敢えて何もしてこないのか。坂本は考えていた。
「生徒会、何もしてこないね。何か変わった様子とかあった?」
坂本は加賀へと話しかけた。
「いや、こっちも特になんもないよ。特に監視が強くなったとかもないしね。どうしたんだろ。様子でも見てんのかな」
「そう……」
坂本は短く返事をした。そして、
「その後、江藤さんとはどうなったの?」
と加賀へ問いかけた。
「江藤ちゃんとも何ともないよ。むしろ、前よりも悪くなったかも。目も合わせてくれないし、結構避けられてる感じ」
「そっか…」
再び坂本は短く返事をした。坂本はある可能性を感じていた。そしてそれを確かめるために、行動に出る。
「今度は私が江藤さんと話してくるよ」
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