30日間の革命 #革命編 20日目
それから坂本と加賀は文化祭に向けての動きを始めた。まずは分開催クラススローガンを『革命』と決めた。この『革命』というスローガンを決めるにあたっては、クラス内から反対の声はなかった。
坂本の口から再び革命という言葉が出たことで、少しのざわめきはあったものの、反対する者がいないということは坂本の信頼が戻っていることの証ともなった。それを確かめることが出来たことは、坂本にとって大収穫であった。
革命を起こそうとしていることは加賀と江藤しかクラス内で知る人はいない。いくら江藤が味方についてくれたとしても3人では到底革命なんて起こすことは出来ない。これからより多くの人を巻き込むことが必要となってくる。そのため、まずはこの3年1組を革命を起こす拠点にすることを考えた。
これはすなわち、白の会を復活させることとなる。坂本たちの次の目標は、3年1組を丸ごと白の会とすることであった。
その日の放課後、坂本と加賀は教室に残り話をしていた。
「しかし、このクラスを丸ごと白の会にするってもね。文化祭へのやる気は少し上がってるみたいだけど、それを革命へと変えるのはむずかしくそうだな」
加賀は坂本の作戦を聞き、少し及び腰となっていた。
「そりゃもちろん簡単じゃないわよ。でも半ば強引にでもやらないとね。それくらい私たちには時間もないし、追い詰められてる状況なのよ」
「まあそうなんだけどね。具体的にどうしようね。また集会みたいなのをやろっか?」
「前回は集会を開いて、革命を理解してもらおうと思ってたんだけど、参加人数が増えれば増えるほどその結び付きはどうしても弱くなるのよね。だから馬場くんの正論に、みんなが簡単に流されちゃったんだと思う。この革命は、本質的にはみんなのためになるけど、表面的なデメリットはたくさんあるからね。今回もいくらクラスとは言え、口で説明して動いてくれる人はいないと思う」
坂本の説明に加賀は納得しつつも少し首をかしげた。
「うーん。まああれだけ選挙で大敗した中で、今更革命を起こそうって口で説明しても、確かに賛同する人は少ないだろうな。でも。口で説明する以外になんか方法あるのかな?」
坂本は加賀の問いかけに、いつものいたずらな笑みを浮かべた。それを見た加賀は、またとんでもないことを考えているのではと少し不安になった。
「口でダメなら行動しかないよ」
「行動? 行動って何するの?」
「私たちで”プチ革命”を起こすのよ」
坂本は自信満々に答えた。
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